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帝王、己を知る

頭を打った。


我はヴァーチェ・サー・ビヴァルド。

ビヴァルド帝国の帝王である。

いつもの激務の一日が終わり執務室から寝室へ向かう途中の階段でずっこけて頭を打ったのだ。

それで思い出したことがある。

よくあるような話で悪いが前世の記憶というものが思い出したのだ。

それもヴァーチェ・サー・ビヴァルドはオンラインゲーム『天地の傀儡』という勇者が魔王というラスボスを倒すありきたりなRPGの裏ボスだ。

天地の傀儡はとんでもない鬼畜ゲームだ。

推奨レベルはとんでもないし復活無しだし死んだら二度とそのアバターを使えなくなる。

ラスボスのレベルは1000だし、裏ボスなんてレベル不明なのだ。

倒したものはいない。


裏ボス、ヴァーチェ・サー・ビヴァルド。

ビヴァルド帝国の帝王。

本編的には物語の序盤から出てくる。

勇者の出立のお見送りだ。

盛大に宴を開き街近くのモンスター達を倒しておいて勇者の出立の第一人者。

中盤でビヴァルド帝国の世話になる勇者。

そこで宝物庫を開放してスタンピードを共に戦の前に立ち解決する。

後半で魔王を倒すキーアイテム『光の宝玉』を勇者に渡す。


キャラ的には民を愛で、花を愛で、竜を愛で、武芸を愛でる変わり者で人気者。

よく民の前に出て民に挨拶をして周る。

街は花々で満ち溢れ蝶や鳥が舞う。

城には小型から大型の竜や伝説と呼ばれる龍が飼われている。

月に一回城のコロシアムで『武帝祭』がありヴァーチェの興味を引いたものは特別な褒美があるとか。

よく求婚をされるが全く応じない男。

スタンピードのときに勇者とともに戦うがもちろん本気ではなく実力の欠片しか見せずに終わるがあれぐらい一瞬で終わらすだろうとは世の見解だ。

力を全く見せつけない世界最強の男。


そんな彼が何故裏ボスかというと…

ラスボスが倒された後の束の間の平穏。

とある一つのみの選択で『他国を侵略する』という主人公の選択により裏ストーリーに突入する。

ビヴァルド帝国の地はエルフやドワーフなどの国と唯一隣接しておりモンスターや魔王の危険がなくなったからと言ってビヴァルド帝国に他の国が攻め立ててくるのだ。

それに激怒したビヴァルド帝国の帝王、ヴァーチェは天地を破壊してビヴァルド帝国とエルフやドワーフ達の国の地を浮遊し隔絶させたのだ。

というか魔王を倒してからが本番のようなゲームだった。

ビヴァルド帝国の騎士たちはどんな下っ端でも魔王以上だったし平民も後半の中ボス並み。

裏ボスに何とかたどり着いたとしてもレベルの測れないようなレベル差からの攻撃で一発ノックアウト。


で、だ。

そんなヴァーチェに我はなっているのだ。

確かに天変地異なんて余裕だし、宇宙に行けて他の惑星に行けたりするしというか支配しちゃってるし、エルフやドワーフの王たちからめっちゃ頼りにされてるし、死界や天界に行って死神や悪魔や創造神や天使やらに気に入られてるし…

というかゲームでヴァーチェに勝てても第2ラウンドがあって他の惑星からの増援があるとか?

それも回復時間無しで。

神や悪魔や天使からのバフやデバフがついたり?

…なにか他にもありそーで怖い。

なにそれもうやだ。

メンタルやられる…


どうすればこの敵対勢力を無くせる?

世界征服しちゃう?

魔王の地位を奪っちゃう?

惑星の民で滅ぼしちゃう?

…うーん…元々平和な日本人だった我にはアイデアは出てくるもののやりたくない。

はてさて、どうしようか。

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