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ハンローゼとの話し合い

 僕にメルィの件で警告してくれたハンローゼはあんなに格好良かったのだが


「……うー、また。 無視してる、ひどい」

 元通りになりました。


 無視って、いきなり廊下から現れてこれ。


「喋らないと僕わからないよ」

「わかって、わかって」


 本当に子供みたい。


 でもハンローゼは時折とても格好よくなる。

 んで、今後の自分の方針を考えてみると、多分このハンローゼに着いて行くのが一番最良な気はする。



 まず僕の『魔法媒体』は単独ではなんの役にもたたない。

 魔法使いと一緒になるのが一番良い。


 その上で、魔法使いというのは大きく分けて二種類。


 一つは研究者

 もう一つは冒険者


 魔法の種類によって、得意不得意があるけれど、個人的に冒険者は色々厳しいと思っている。


 冒険者の魔法使いと一緒になると、強力な魔法使いは加入するけど、二人がセットになる。


 冒険者というのは食糧管理や金銭管理が物凄い大切。


 基本的になにもやらない男を快く迎え入れてくれるとは思えないのである。


 そして、僕は宿屋の息子。冒険に出れるような運動能力ありません。



 次、研究者。

 このグリモアの学園の教師もそうだし、街に住んで勝手に研究している人達もいる。


 でも大抵「研究者」と言ったら、国に雇われる人達である。


 予算が豊富で、成果を出すことが最優先となる。

 僕が一人入ったところで、成果をしっかり出せば文句は言われない。


 そう考えるに、僕の未来は基本的には「どこかの国に所属する魔法使いに雇われる」が現実的。

 そして魔法媒体発動には皮膚の接触が必要。


 特に接触が多ければ多いほど、魔法媒体の効果は強くなるため、思いっきり抱きついたほうが効果がある。

 そう考えると

「宮廷魔道士を目指す貴族の女の子についていく」


 というのは最適解に近い。

 僕も、正直それがいい。

 男に抱きつかれるよりも、女の子のほうがいいです。


 そうなったときに、アプローチしてくれる5人……いや、多分4人。この中から選ぶとなった場合。


 1.一番身分が高い。王族で、それも直系に近い

 2.他の人達の条件が「未定」とか「奴隷」に対して「王族にはさせないが、結婚は認める。その際は貴族の身分を与える」と、もの凄い厚遇な条件をだしてくれる

 3.顔が可愛い


 我ながら即物的。

 でも、他の人に比べて好条件なのは間違いない。


 問題は、王族の両親がそこまで妥協するぐらいの、ハンローゼの性格。


「……ぎゅー。ぎゅー」

 両手を広げるハンローゼ。

 最近やっとわかってきたんだけど、これは「思いっきり抱きついて、限界まで魔法使いたい」という合図。みたいです。


 コミュニケーション能力が壊滅的。

 そら両親も

「この娘じゃまともな婚姻無理なので、宮廷魔導士の為に、下民と結婚するのもやむを得ない」みたいな判断するわ。


「はいはい。抱っこするよ」

「わーい♡♡♡」


 小柄なハンローゼを抱っこ。

 抱っこして、体重かけるように抱きついていれば、魔法媒体の能力はかなり強く出る。


 女の子と接触して強く出るのは嬉しいけど、男とはこれやりたくないです。


 ハンローゼはちっちゃくて、胸もそんなに膨らんでいない。


 また他の女の子達は香水とかかなり気を使ってるけど、ハンローゼはそういうの気にしないみたいで、普通に汗の匂いがする。


 女の子として意識までもいかない。

 そういう点でも、ハンローゼにお世話になりやすいというか。


 恋愛関係でいくと上手く行かない気もする。

 ハンローゼの親からは「無理に嫁にしなくても。ハンローゼは王族。男を複数囲うのも認められています。立場だけで、実際は他の女と逢瀬しても構いません。もちろん双方同意があれば、ですが」


 と、そのあたり含めて既に話もらってる。


「ハンローゼ、国に帰ったりしないの?」

 これたけ好条件だし、正直一番の候補。

 出来れば一回国を見てみたい気はする。


「いっしょ。いっしょにかえろう」


 ハンローゼは凄い嬉しそうに笑っていた。




「ビネスト公国は本当に弱小の小国。行ったらびっくりするよ」


 また部屋にラウバイがいる。


 ロミスニアに対する妨害とかしている娘。そして僕にはハンローゼを勧めてくる。


「一回見てみたい」

「見て絶望されないように先に言っておくわ。あそこ本当に田舎の弱国だから。でもね、あなた別に大規模な国の王宮なんて知らないでしょ? だから、思ったより地味だなーと思っても気にしないように」


 よくわからないけれど。


「なんでラウバイはハンローゼ勧めるの?」

 ロミスニア以外ならいいはずなんだけど。


「そら、脅威になるからよ。イレフルードもルーフェもメルィも、どいつもこいつも脅威。でも動物呼び出す、みたいな愉快で無害な力を持つハンローゼがいるビネスト公国が多少強力になったところで、別にね」


 なるほどー。


「実際ハンローゼの所にお世話になろうかな? って思ってて」


「素晴らしいわ。ご褒美いる?」

 ご褒美?


「ええ。この身体に顔を赤くしていたでしょう? 私の言葉を聞いてくれて嬉しいわ。御礼にならないかもだけど、好きに弄っていいわよ?」

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― 新着の感想 ―
[一言] 過去には、こう、強制的にメスにされてしまった魔法媒体もいたかも知れないとかかんがえてしまった。コワイ! 愉快な動物くらいならまだしも、ユカイツーカイ怪物なの扱いだしたりとか、ヒッチコックの…
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