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カイルの決断

「……」

 冷たい。寒い。

 あんな豪華なベッドにいたのに?


 ふと目を覚ますと

「あれ?」

 床でした。


 寝ぼけてベッドから落ちた?

 と思いベッド見るとミガサさんが真ん中でクークー寝てました。


 ベッドから追い出された?

 その割には落ちた衝撃もなく。


「うーん?」

 ミガサさんもなんか起きた。


「おはようございます」

「……ええ。おはよう」

 眠そう。


「床で寝ていた記憶がなくてですね」

「女を無視してベッドで先に寝るとかバカなの??? グリモアの男はなんでみんなバカなの???」

 そんなこと言われましても


「風の魔法で移動させたから起きなかったでしょ?」

 風の魔法凄い。


「一度グリモアの学園に戻るんでしょうか?」

 あと二国残ってるんだけど。


「いいえ? もう話はしています。そのまま移動するわよ」



 国から国へ。

 転移石で移動しているからすぐではあるんだけど


「先にエネビット公国。次にグラドニア。いい男いるといいんだけどなー」

 目的が男なミガサさん。


「カイル!」

 嬉しそうに待ってくれていたルーフェ

 身長は低いのにおっぱいは大きい。


 そんな子が抱きついてこられるとですね。色々マズくなりまして。


「カイル、あのね! お国が色々考えてくれたのよ! 楽しみにしていてね!」


 楽しみに。多分イレフルードみたいに貴族の位くれるとかかな?


「……正直、メタ公国の方が良さそうな気はしてるわよ、わたしはね」

 ミガサさんはボソッと言った。



 エネビット公国は王様とは会わずにそのままルーフェの両親と挨拶。


 その両親も

「本来はあり得ないが、国から貴族も認めると話があった。即婚姻は認めないが、身分としては十分だろう」


 ぐらいの感じ。


 ルーフェは積極的だけど、ご両親はそこまででもないのかな?

 と思うぐらい。


 なんだけど

「あれで最大限、下人を尊重してるみたいな態度ね」

「ですよねー」


 ミガサさんと話し合い。

 この国にはいい男がいないと、早々にミガサさんは部屋にいた。


「もう少し理想を下げないと」

「そうねー」


 ミガサさんはベッドに横になりながら

「なんかもう決めてるっぽいけど? 誰のとこに行くの?」

 もう決めてる。


 まあそうなんだよね。


「多分グラドニアもこんな感じでしょう。僕はハンローゼのビネスト公国にお世話になろうかなって」


 イレフルードのメタ公国で贅沢もいいけど、あんな贅沢は多分身体に合わない。


 僕は宿屋の息子であって、あんな贅沢したら頭おかしくなりそうである。


 ビネスト公国は小さくて質素な国だけど、だからこそ肌に合いそう。


 王族とかになったら色々大変そうだけど、それはないと言われた。


 ハンローゼとの意志疎通は難しそうだけど、それはそれで楽しそうと思う気持ちもある。


「もう決めたなら行く必要も無いのでは?」

 それは思ってたんだけど。


「とりあえず約束なので」

「まあそれも必要かもね。なにしろ他の女も納得しないだろうし」

 それもあるんです。


 ルーフェは「凄いよね! 貴族だよ! 貴族になれるからうちに来て!」

 とハシャいでいたのだが。


「変に期待を持たせた方が失礼よ。ルーフェとイレフルードには早く言いなさいね」



 夜。にこにこしながらルーフェが来る。

 パーティーとかしてくれたイレフルード。最初から僕の待遇を「夫にする」とブレなかったハンローゼと比べるとどうしても


 なので


「……ごめん。僕、ハンローゼにお世話になろうかと思ってる」

「え!!!???」

 凄いびっくりされる。


「ルーフェもちゃんとしてくれたとは思うんだけど」

「そ! そうだよ! あんな田舎くさい国より! うちの方がいいよ!」

 田舎。まあそうなんだけど。


「それもまた合いそうだから」

 ルーフェが目を見開き


「……じゃ、じゃあ!!!」

 そのまま抱きついて


「……だ! 抱いて良いから! 私をえらんで!!!」

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― 新着の感想 ―
[一言] 確かにベルサイユ宮殿やヒルトンホテルで暮らして良いよと言われても小市民的に疲れるだけよねw 仕事でも色んなとこに手と声の届くサイズの会社の方が良いとかあるしね。 体かー……手出したら決ま…
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