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私の野望


 パパとママは良くも悪くも現実主義だった。


 自分が普通じゃないと気が付いたのは小学校3年の時……。

 教科書を全部暗記して褒められようとしたのが切っ掛けだった。


 お兄ちゃんも同じ事が出来たので、それは普通の事だと思っていた。

 まあ、お兄ちゃんは私の年では出来なかったけど。


 そこから私はパパに、お兄ちゃんはママにそれぞれ詰め込む様に教育された。

 教育と言っても勉強では無い、生きていく上での教育。

 生き方、マナー、世の中の仕組み、様々な情報を教えられた。


「それを生かすも殺すも自分流次第だからな」

 最後にパパにそう言われた。


 情報があっても知識にはならない。

 知識にするには経験が必要だ。


 だから私は海外に行った。

 経験を積むために。


 そして知識を得た。知識欲という物に目覚めた。

 それと同時に、私の家庭の異常さを知る事になった。


 留学先でホームステイした時に、そのホストファミリーの暖かさ、家庭の暖かさを知った。


 知らなければ良かった……。


 家は異常だという事を知ってしまった。


 それを知った私は、滅多に家に帰らなくなった。

 殆ど帰らない両親、本に填まってしまい自分の殻に閉じ籠ったお兄ちゃん、それを見るのが嫌だった。

 

 ただパパとママ、お兄ちゃんは嫌いではない、特にお兄ちゃんは大好き。


 でもこの家庭は嫌いだ。


 そして私は今後も海外に行く予定だ。

 自分の知識欲を満たす為にこれからもずっと……。


 ただ、帰る所は欲しい……日本に帰る所はやっぱり欲しい。でもこの家では無い、この家庭では無い、それ以外で帰る所が私は欲しい……暖かい家庭が欲しい。


 だからお兄ちゃんだ。

 お兄ちゃんが雪乃さんと結婚して子供が生まれて、家庭が出来て……私は若くして叔母さんになるの!

 勿論叔母さんなんて呼ばせないけどね。


 雪乃さんとお兄ちゃんなら、私も家族同然として受け入れてくれる。

 小さい頃から知っている雪乃さんは私を妹と思ってくれている。


 だから二人には付き合って貰いたかった、結婚して貰いたかった。


 だけど、二人はいつまで経っても相手を好きだと認めない、遠慮ばかりしている。


 私は一つだけ後悔している。


 家族をお兄ちゃんを省みなかった為に、お兄ちゃんは寂しさからか、自分の中で家族を作ってしまった。


 お兄ちゃんは雪乃さんを私の代わりにしてしまったのだ。


 お兄ちゃんの雪乃さんに対する好きは、家族としての好き……。

 だから壊した。二人の関係を一度壊した。


 幼なじみと結婚しない最大の理由はトキメキが無いから、家族になってしまうから。

 家族とエッチしたいって、子供を作ろうなんて思わない、そんな事考える人はごく一部の……変態だけ。


 だからお兄ちゃんには、これからときめいて貰う。

 勿論雪乃さんに……。


 お兄ちゃんは雪乃さんと結婚しなければならない。

 そうすれば私の野望が叶う。


 勿論お兄ちゃんの事も考えている。

 お兄ちゃん間違いなく雪乃さんが好き、今は勘違いしているだけ

 雪乃さんも一緒だ。


 さあ、始めよう、私の帰る所、新しい家族を作ろう。


 それが私の野望だ。


 私が自由に生きる為に、お兄ちゃんの為に、雪乃さんの為に。



「二人には……結婚して貰うからね」












 

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     新作!         
  娘の様な義理の妹に恋なんてするわけが無い。          
  宜しくお願いします。(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
― 新着の感想 ―
[一言] 自分の不満を自分で解決しようと せず、他人を引っ掻き回して なし得ようとしている時点で コイツも両親と同類 両親は同意の上だからまだしも コイツは他人の気持ちなんて お構い無しだからクズ …
[一言] 自分が満たされることばっかり考えてるから相手を思いやれないんだな 暖かい家庭が欲しいのならまず自分と兄の関係を変えることからはじめるべきだったのに
[一言] 妹は、かなり「狂った」人間だったのですね。 彼女のやっていることは、全く恋愛経験のない者による人情の機微を無視した机上の空論、既に、幼馴染としてのリードはすべて無くなり、信頼関係はマイナス、…
感想一覧
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