第48話 プロローグ:新たな展開
大変お待たせ致しました。
第48話、投稿致します。
第二部の名前、今ひとつしっくりと来ないので、もしかしたら変更するかもしれません……。
何卒、宜しくお願い致します。
「ハァ、ハァ……! クッ……!」
「……大分息があがってんな、もう限界か? 舐めた真似してくれた割にこの程度かよ? 笑わせるぜ……」
そう言ってトウヤはニヤニヤ笑いながら剣を肩に担ぎ、無造作にやって来る。特に警戒した様子が見られないのは余裕の表れか……。
「……っ、このっ!!」
「おっと……、まだそんな元気があったか」
足を目掛けてミスリルソードを真横に薙ぎ払うも、すらっと飛び上がって躱すトウヤ。再び距離が出来るも……、圧倒的に分が悪い。
「…………広大なる大地よ、我が言霊を聞き届け給え……」
「またその魔法か? 俺には通じねえ事がまだわかんねえとは……」
呆れた様子で見下してくるトウヤを無視して僕は詠唱を続ける……。確かに先程は通じなかった。それは、わかってるよ……!
「……此の地に宿りし引き合う力、その強弱を知れ……『重力魔法』!」
「……『浮遊魔法』! わざわざ詠唱までして哀れな奴だぜ……!?」
狙いはお前自身にじゃない! 近くの崖の岩へと向けて『重力魔法』を放った事で、勢いよくトウヤの下へと転がり落ちてきた……!
「小癪な真似を……! 『斬岩剣』!!」
「……大気を満たす空気の渦よ、鋭き刃と化し、その身でもって激しき暴風の理を知れ……『烈風魔法』!」
奴が巨岩に対処している間隙を縫って、風刃魔法の上位魔法を完成させる。荒々しい風の刃が連なってトウヤへと殺到し……、
「……『風壁魔法!』
「あの絶妙のタイミングで……、間に合うのか……」
今ので駄目なら……、もうどうしょうも……。打つ手なしの状況に軽く放心していると、
「やってくれんじゃねえか……。まさか、てめえみてえな奴に傷をつけられるとはな……。中二病のような詠唱がなかったら少しヤバかったぜ? それにしても、いい歳してよくもまあそんな恥ずかしい真似が出来るよな? 同じ世界の出身者としては目も当てられねえ……。面汚しって言葉がしっくりくるぜ」
「……郷に入っては郷に従えって言葉も知らないのかい? ここは元の世界じゃない……、魔法が当たり前のようにある所だ。それを使う為に必要な言霊を紡ぎ出す行為を省くなんて、わざわざ魔法を弱体化させてるようなものじゃないか……」
少なくともしっかりと詠唱した魔法と、無詠唱の魔法の精度が一緒だとは思えない。魔力素粒子に働きかけて言霊でもってその魔法の性質を決定づけていくのだ。
僕の返答を聞いたトウヤはハッと一笑にふし、
「面白え、ならその弱体化した魔法ってヤツを受けてみろよ……! 勇者の魔法ってんならおあつらえ向きなモンがあるぜ……『稲妻魔法』!」
「っ……『零公魔断剣』!!」
トウヤの魔法名を聞くなり僕は剣を頭上に掲げると同時に、自身の固有技を発動させた。その特性によって落雷を切り裂きながら無力化させると、
「てめえ、妙な真似を……! なら……『流星剣』!!」
そう言うやいなやトウヤの姿がぼやけたかと思うと、一瞬で僕に肉薄し、
「うわっ!? は、速っ……!?」
「オラオラッ! 反応できなきゃ細切れだぜっ!」
閃光のようなものが走ると受け止めたミスリルソードが甲高い音を立てる。剣を持つ手が震えるもすぐさま新たな閃光が煌めき徐々に追い詰められていった。
(だ……駄目だ……! これ以上は……!)
何度目かの剣閃を必死に凌ぎながらも、そろそろ限界を迎えそうだったそんな時、攻撃が止む。防げたのかと一息つこうとして、トウヤの声が響く……。
「……これで終わりだ。跡形もなく消し飛べ……『核魔法』」
「!? しまっ……!」
一番警戒しなければいけなかったそれが使われたと思うのも束の間、激しい光に包まれ目の前が真っ白になり……、
「うわあああああっ!!」
「――ハッ……!?」
そこでガバッと飛び起きるように目を覚ます。……また、大敗を喫してしまったようだ。教えて貰った『形象想定魔法』という魔法を睡眠と併せて使用していたが、そんな僕を心配そうに見つめている金髪のエルフの女性、シェリルの姿が目に映る。
「……またご就寝に併せて『形象想定魔法』を使用されていらしたのですね。わたくしはこのように無理をさせる為にその魔法をお教えした訳ではないのですよ……?」
「あはは……、ゴメン。心配、かけたかな……?」
見ればシェリルだけでなくシウスも身を起こして此方を窺っているようだし、ピ……と小鳥の鳴き声まで止まり木から聴こえてくる……。僕の言葉に彼女はキッと睨むと、
「当たり前ですっ! このような事になるのなら『形象想定魔法』をお教えするのではありませんでしたわ……」
「心配かけてしまったのは謝るよ、シェリル……。だけど、これは必要な事なんだ。少しでもアイツとの戦闘に備えて置く為にも……」
「そうであっても休息時間を削ってまでなさる事ではないではありませんか! ただでさえ昼間は……!」
「……慣れているから大丈夫さ。むしろ眠れるだけマシだよ。君と出会った時なんて、まともに睡眠時間すらとれていなかったんだから……」
ちょうど仕事が多忙を極めている時にこの世界に呼ばれたんだよな……。少し懐かしくなって感傷に耽っていると、シェリルは溜息をつきながら僕に毛布を差し出してくる。
「……せめて少しでもお休みになられて下さいな。まだ時間は御座いますし、時間になったらお声がけしますから……」
「……わかったよ。有難うシェリル……」
言われて見れば……、睡眠時間を『形象想定魔法』に当てていたので何処か疲れているような気もする。なにせ自分が殺されそうになる寸前で目覚めたのだ。まさに悪夢にうなされて飛び起きたようなもの。
彼女の言葉に甘えて、再び横になって渡された毛布に包まる。何時かのようにシェリルの美しい声から紡ぎ出される子守唄が静かに響き渡り……、何時しか眠りにつくのであった。
「どうしたっ! もうへばったのかっ! そんな事ではとても私のようになるなど叶わぬぞっ!」
刀を肩に担いだガーディアス隊長の怒号がストレンベルク王城に響き渡る……。渡されている束刀の一本を両手で握り、汗まみれになりながら素振りを続ける僕の隣で膝をつく部下、アルフィーの姿が見えた。
「は、はい……! まだまだいけますっ!」
「よし、その意気だ! ほら、ヒョウ! お前もサボっているんじゃない。レンも動きが悪くなってきてるぞ!」
「へいへい……ディアス隊長の前ではおちおち休む事も出来ないっすね……」
自分の武器を構え直しながら鍛錬に戻る面々。僕やアルフィー、レンといった、いつもの『王宮の饗宴』のメンバーに加え、時折一緒に訓練するようになっているジーニスとウォートル、そしてレンの顔馴染みであるヒョウさんも加わってガーディアス隊長の特訓を受けていたのだ。尤も『刀』を握っているのは僕以外にはいなかったが……。
『侍』……。結構特殊で、これまた誰でも就ける職業ではないという事で、刀を扱い、その技や矜持を身につける事が出来る。日本に住んでいて自身に適性があったのかはわからないが、渡された大量に作られているという束刀、『数打』を数回振るっている内に『侍』の職業に就く事が出来るようになったのだ。
『剣士』の職業も無事に最大レベルに達した事もあり、満を持して『侍』に職業変更するのと同時にガーディアス隊長に教えを請うた。先日の海賊との一戦で、自分の力不足で死にそうになったばかりか、ユイリ達を危険に晒してしまった事で、この世界に来て何度も感じた事実、力が無ければ何も守れないという弱肉強食の理を改めて痛感させられたからである。
さらにガーディアス隊長が敵を抑え込んだ技である『峰打ち・極』は、ある意味自分に一番身につけたい技術だった。人を殺したくない自分にとって、何を優先しても覚えたい技であるかもしれない。そう思ってこのガーディアス隊長に師事する事となったのだが……、その指導は苛烈を極めた。
「俺の動きが……? 冗談でしょう、隊長……。そりゃコイツの事じゃなくてっすか?」
「確かに大分ヘバッてきてるようだな。しかし、それはお前も言える事だ、レン。今のお前ならば5秒で叩き伏せられるからな」
「はぁ……、988……、989……。誰の……動きが……はぁ……はぁ……。悪くなってるって……?」
汗まみれで素振りを続けながら僕は言い返す。模擬戦や動きの確認、技の練習と続け、締めくくりの千回の素振りまであと少しというところだが、身体中が悲鳴を上げているのを感じてはいた。日々限界近くまで身体を酷使している事により、『超回復』という能力によって効率的に強くなっている実感はあったが、同時にぶっ倒れそうな気もしている。
(……次は上段、次は正眼で……。ん? 今何回目だ……? やばっ、ここは下段から一気に上段、蜻蛉の構えに移行しないといけなかった……!)
千回の素振りの中で様々な状況を想定して打つようにとの教えに従い、やっとの事で達成すると疲れからか立っていられなくなってしまう。膝をつく僕を見ながら、
「……終わったようだな。よし、今日の訓練はここまでとしよう。皆も手を休めるように。メリハリをつける事も大事だからな」
「ふぃー……、もう、動けねえ……」
「……うむ」
ガーディアス隊長の言葉に皆もそれぞれ座り込んでいた。ジーニスとウォートルの声に駆け寄ったフォルナが、
「もう、二人とも……。まだ年少のアルフィー君の方がしゃきっとしてるわよ?」
「そりゃあアイツと俺たちとではこなす訓練量が違うからな。当然だろう」
「…………うむ」
差し出されたタオルを受け取りながら、そう口にするジーニス。訝しそうに二人を見るも、
「……本当かしら? まあいいわ、それでは『安らぎの奇跡』を……。ガーディアス様、確かゆっくり回復させた方がいいのでしたっけ……?」
「ああ、自然回復を活かすように徐々に癒してゆく事が理想だな。シェリル嬢もそれでお願い出来るかな?」
「わかりましたわ。……『癒しの奇跡』」
それを聞いてシェリルがアルフィーを、そしてレンを癒してゆく。さらにフォルナやイレーナさんも回復魔法を展開してゆく中で、僕はゆっくりと息を落ちつかせる。
「……神の奇跡を垣間見よ、祝福の光が汝を照らす……『治る奇跡』!」
シェリルから渡されたタオルを首からぶら下げて、定められた言霊を紡ぎ出して魔法を完成させると、淡い光が自分を包みこんだ。少しずつではあるが、身体に蔓延る倦怠感が和らいでいくのが分かる……。
自分でも回復魔法を使える事の有益性を知り、覚えようと試みた僕だったが、中々習得には至らなかった神聖魔法……。その理由は恐らく……、理解が追い付いていないところにあると思っている。
病気や怪我は、暫くしたら自己治癒力で自然に回復していくものであると、僕の中でそのように認識している為に、魔法によってすぐに治療されるといったイメージが掴みづらいからだ。
僕がこの世界に召喚されてすぐに改善して貰った視力や体型、毛髪の件にしてみてもそうだし、場合によっては四肢を無くしてしまったという欠損も補ってしまったりと自分の常識では計り知れない部分を感じていた。
(魔法大全を見て違和感を感じなかった以上、いずれは覚えられたのかもしれないけど……、結局のところ『治る奇跡』は『神々の調整取引』で習得したんだよな……。極力、自分で身に付けるべきものはあの出鱈目な力を使いたくなかったんだけど……)
因みに『治る奇跡』は、一番下位の神聖魔法であり、RPGなんかの世界でいうところのホ〇ミやケ〇ルといったものである。シェリルがよく使用する『癒しの奇跡』はベ〇イミやケア〇ラという分類であるが、彼女の魔力によって『完全回復の奇跡』級の魔法になっているらしく、使用者の力量によって効果も大きく変わってくるらしい。
神聖魔法を習得したばかりの僕はまだまだひよっこであり……、何度も掛け直さなければ効果を期待できない現状ではあるが、熟練すればいずれ効果量も変わり、上級の魔法も覚える事が出来るだろう。
そんな僕の様子を気にしていたのか、皆の回復を済ませたシェリルがやって来ると、
「大分、神聖魔法の精度も上がっておりますわ」
「そうかな……? 自分では変わっていないように思えるけど……、まあシェリルが言うのならそうなのかもしれないな」
そう返事をしながらも僕は体力の回復に努める。……神聖魔法についてはあまり実感が湧かなかったが、シェリルの言う通り成長はしていっているとは思っていた。
罠探知や幾つかの技能に加え、侍になった際に刀術を始め、弓術や馬術なんかも習得する事が出来た。特に基本の動作となる戦闘の型……、『五行の構え』と呼ばれるものの内、正眼、中段に構える『水の構え』に、上段の『火の構え』、下段に構える『土の構え』を自分のものとし、その時に応じて使い分ける事を覚えた。残り2つ、『木の構え』と『金の構え』は未だ極めてはいないが、代わりに『無形の位』という特殊な構えを習得する事に成功する。
『無刀取り』という、武器を取り上げて殺さずに相手を無効化させる奥義とも呼べるべき技の基礎となるべき構えでもあり、『峰打ち・極』とあわせて何としても身に付けたい技術でもある。尤も、そんな簡単に覚えられたら苦労はないだろうが……。
「コウ様の魔力も日々増加していっておりますわ。初日に比べて、回復魔法を掛け直す回数も減ってきてますでしょう?」
「そう言われれば……確かにね」
シェリルの魔力には比べようもないけれど。そう苦笑する僕に対しガーディアス隊長は、
「魔力だけでなく、他のステイタスも伸びているだろう? 日々限界まで身体を酷使しているのだ。お前の持つ『超回復』の能力も相まって、教えを請うた頃に比べると劇的に変わっている筈だぞ。少なくともお前が倒そうと思っている者とも相対する事が出来るくらいにはな」
「……それでもまだまだですよ。今朝も『形象想定魔法』において歯が立ちませんでしたしね……」
伝え聞くトウヤの情報を更新し、自分の想像によるのではあるが……、まだアイツに勝てる自信は無い。どれだけ『神々の調整取引』を駆使して、何を対価にしているのかはわからないが、とても真似できるものではない。
「ま、そんなに思い詰めて考えるな。最近はアイツも鳴りを潜めてるっていうじゃねえか」
「ああ、王女殿下の通達も効いてるって話だ。下手な事をしたら追放されるってんで、大人しくしてんだろ」
「……まあ奴の事は色々聞いてはいる。ベアトリーチェからも目立った報告は上がってきてないようだしな。だが、ここで考えていても仕方がない。コウよ、そろそろ動けるか? 昨日話していた通り、期待しているぞ?」
「……ははは、あまり期待されても困りますけど、ね……」
そのように言われて僕は立ち上がると、僅かに眩暈を覚える。僕の立ち眩みに気付いたシェリルがサッと『疲労快復の奇跡』を施してくれて、残っていた倦怠感が和らぐのを感じた。
「……出来る限り、自然治癒力に身を任せた方が力がつくのは事実です。ですが、瘦せ我慢も大概にして下さいませんと、逆効果にもなるのですよ?」
「シェリル嬢の言う通りだ。ま、今のは私が急かしてしまったのもあるがな。それでは、行くとしよう」
ガーディアス隊長の言葉を受けて、向かった先は……。
「うむ、美味いなっ! まさか食事の時間がここまで愉しく思える時がくるとは……!」
――王宮の饗宴の詰所にて。その一室を改装し、新たにキッチンとレストランのように改装したそこは、やって来たハリードさん達を加えて宴会の様相を呈している。
「……全く、ここは宴会所ではないのですよ」
「そう言うな、フローリア。こうする事に反対していた訳ではないのだろう?」
「……限度というものもあるでしょう。キッチンを増設するのはいいとしても、どうしてここまでする必要があったのです? これでは街の食堂と変わらないではないですか?」
全くもってそう思う。ここまで部屋を大きくする必要性があったのかも疑問だ。何より、どうしてそのキッチンに収まるのが僕になるんだ?
「別にいいだろう。飯を食べながら打合せするなら、チマチマしたところでは話にもならん。コウのもたらす新たな料理を食べるのに、狭い所で細々と食べろと言うのか?」
「……清涼亭や『天啓の導き』での噂は聞いております。彼の料理の腕を知り、それを生かそうと考える貴方の話にも一理あると考えて承諾はしましたが……、公私混同しているような気がしてなりません」
フローリアさんの苦言にも、どこ吹く風のガーディアス隊長。……最初に会った時はこんな感じの人だとは思わなかったけど……。
「まあまあ、フローリアさん。いいじゃないすか、皆で美味いもんを食うのも……」
「……貴方は黙っていなさい」
余計な茶々を入れて黙らされるレンも何時もの風景である。そんな様子を眺めながら、僕は料理をする手を動かしていた。
能力等に関しては殆ど『神々の調整取引』を使用してはいないが……、代わりに食事に関しては遠慮なく使うようになっていた僕。
このファーレルにおいて食事がそんなに重要視されていない事もあるが、僕自身が我慢できなくなった……というのが一番の理由かもしれない。技術とかと違って世界に脅威を与えるって事も恐らくないだろうし……。
今振舞っているのは中華料理を中心としたもので、現在も輝石を調整して点火魔法にて火を起こし、炒飯を作っている。米の供給に関してはユイリのところで収穫できるのはまだ先の事になるだろうから、それまでは元の世界の米も他の食材とあわせて『神々の調整取引』で仕入れた。ファーレルで取れる魔物の肉といった食材も色々と癖があるものもあるが、非常に美味なものもあったりする。
(ラーメンといった麺類も好評のようだね。まあ、元よりパスタのようなものはあったみたいだけど……、あれはある意味サーシャさんのオリジナルって感じだし……)
因みに仕入れる費用に関しては王宮の饗宴から経費として出ていたりする。城下町でも清涼亭や冒険者ギルドで出す料理が有名になりつつあり、他の食堂でも取り入れたいと請願が舞い込んでいるという事で、ここで作った料理もレシピ化し、権利関係も整えて提供する予定となるらしい。
「これで酒も飲めたら言う事なしなんだがな……」
「……一体何を言っているのです。仮にもここは詰所なのですよ? そんな事許可できる筈ないでしょう」
言ってみただけだとばかりに酢豚もどきの料理を口にするガーディアス隊長。呆れているらしいフローリアさんを尻目に次々と平らげていく……。レンに負けず劣らずの大食いっぷりに、手伝ってくれているイレーナさんが追加した方がいいですと言ってきた。
「こんにちは、此方にコウさんがいらっしゃると伺ったのですが……」
「ソ、ソフィ様!?」
「これはまた……、どうされました? コウの奴は今、厨房におりますが……」
一人の侍女を伴って現れたソフィさん。アリスブルーと呼ばれる色彩を放つ髪を腰元まで靡かせた女性で、大公令嬢でありながら歌姫としても活躍している彼女の登場に、ヒョウさん達やジーニス達は驚いているようだが……、ソフィさんが会いに来るのは別に珍しい事じゃない。あの一件以来、度々清涼亭に訪問してくるからだ。助けられた事へのお礼と称してやって来るソフィさんに、もう十分気持ちはわかったからと伝えたが……。
「コウさん、こんにちは! 清涼亭でラーラさんより此方にいらっしゃるという事でしたので……」
「……ソフィさん、もうお礼は十分頂いたから大丈夫だと言ったでしょう。貴女も色々忙しいと聞いています。そもそも、僕はそんなに大した事はしていない……。どうにもならなかった状況を覆したのはディアス隊長ですし、貴女の婚約者であるグランの方がよっぽど貢献していたとお伝えした筈ですよ?」
「いえ……、お嬢様を助けて頂いたのはコウ様、貴方だと聞いております。確かに出向いていた海賊達を全滅させたのはグラン様でしたが……、危険な状況にあったお嬢様を救って下さったのは貴方様です。ガーディアス様やユイリ様からもそのように伺っておりますから……」
ある意味顔馴染みとなったサラさんがそう告げて一礼してくる。……義理堅いというかなんというか……。同じく料理を手伝ってくれていたシェリルが、
「ソフィさん、見ての通り今は立て込んでおりますわ。宜しければ席の方でお待ち下さいませ。もう少しで「ちゃーはん」というものが出来ますから……」
「それではお言葉に甘えさせて頂きますね、シェリルさん。それと……、先日のお話、考えて頂けましたか?」
「……この間もお話ししましたけれど……、今わたくしが表舞台に出るのは……」
「今はまだそこまでして頂くつもりはありませんよ。ですが『歌』という形ではお届けする事は出来ます。その美声……、歌声をそのまま埋もれさせるのは勿体ないですから。もっと言わせて頂くと、シェリルさんはダンスにも才能と心得があるようですから、あたしとしては一緒に活動したいと思ってますけど……」
対応してくれるシェリルにそのような提案をするソフィさん。まあシェリルの歌に関しては……、あの子守唄からしても窺える。歌姫として活動しているソフィさんからすれば当然の提案なのだろう。尤も……、シェリルはあまり乗り気ではないようだし、僕としても表に出すのはと思ったりしてはいるが……、自分が口出しできる事ではないというのもわかっている。
それにしても、シェリルとソフィさんだが……、いつの間にかこんな話をする間柄となっていた。最初はお互いに気を許していなかったというか、どちらかと言えばシェリルが特に気にしていた感じだったのに、気が付けば随分と打ち解けたような印象を覚える。
「でも今こんな話をしていても始まりませんね。この前も頂いたコウさんの料理ですか……。楽しみにしておきます」
「それでは一旦失礼致します。コウ様、シェリル様」
二人で挨拶し厨房から出ると、すぐに人に囲まれたようだった。このファーレルで歌姫という存在がどのような規模で活動しているものなのかはわからないが、少なくとも自分の世界のアイドルと同じような感じなのだろうか……。清涼亭にやって来るときも最低限変装をしているみたいだったし、気付かれにくい魔法みたいなものを掛けているなんて言っていたかもしれない。
分かっている事は、歌姫ソフィといったらこの国で知らない者はいないくらいの人気があるという事だろうか。
「ソフィ嬢でしたら何時でも来て頂いて構いませんよ。なんならここをさらに改装して簡易の舞台を作って……」
「……舞台に立って貰えないか、とでも仰るつもりですか、ディアス隊長……。貴方の考えている事はわかっております。どうせ、王城に詰める者たちの鼓舞をお願いできないかという名目で、お酒等も解禁に持っていけないかとでも思い巡らせているのでしょう?」
冷めた表情で問いただすフローリアさんと慌てて弁解するガーディアス隊長。それを見て苦笑するソフィさん達を尻目に料理を完成させる。ここ『王宮の饗宴』でも大分白米のご飯が浸透してきているが、この炒飯を見たらどう思うだろうかな……? そんな事を考えながらシェリル達と一緒にそれらを運ぼうとした時、席を外していた僕のお目付け役でストレンベルクでは珍しい黒髪の女性、ユイリが詰所に入ってきた。
「只今戻りました。大事な報告がありますが……、随分と集まっておりますね? ソフィ嬢もいらっしゃるみたいですし……」
「……大事な報告ですか、ユイリ。『王宮の饗宴』以外には明かせない内容なのですか?」
「……いえ、あくまで決定事項ですので……、まあここにいる方達ならば問題ないでしょうか……。『天啓の導き』以下、各冒険者ギルドにも通達する事になると思いますし……」
そう口にして一息つくと、ユイリは透き通る声で報告する。
「……本日正式に要請がありました。魔族の動きが活発になった現状を踏まえて、イーブルシュタイン連合国において世界同盟会議を行う事が決定し、それぞれ参列する事を求められた模様です」
「世界同盟会議、か……。イーブルシュタインが我々を呼び寄せたいという思惑がある事はわかっていたが……、まさか世界同盟全体に事が及ぶとはな……」
「……成程。それで今回はどのようなメンバーで参列を求められているのですか? 国王様のご予定の調整もありますし、場合によっては王宮の饗宴のメンバーも派遣する事にもなるでしょうし……」
「……それが」
フローリアさんの問い掛けに一瞬躊躇する様子を見せたユイリだったが、意を決したように口を開く。
「それが……、先方は王女殿下と召喚された勇者殿、そして、それに関係する者の参列を求めてきているのです。国王陛下の参列は絶対必要ではない、と……」
「まさか!? 世界同盟会議において、国王の参列が必要ないというのですか!? そもそも、各国からも王や最高責任者は来られるのでしょう!?」
「……今回はあくまで臨時の緊急会合であり、この状況で各国の王が不在になるというのは色々問題もあるだろうから、勇者召喚に関連する者たちが参列するようにとの通達で……。そこには、トレーディングカードダスゲームに関わった者も含まれている様です」
「……そっちが本命か。いや、王女殿下がというのも引っかかる。イーブルシュタインで会合が行われるって事は向こうが主導で開催に踏み切らせたって事だろう? それなら……」
そう言ってガーディアス隊長が何か考えこむ。こんな姿をあまり見る事がない為、少し新鮮だなと思っていたのも束の間、ユイリが僕を見ている事に気付くと、
「そういう訳だから……、コウにも世界同盟会議に参列して貰う事になるわ。勇者という肩書はとりあえずあの人に務めて貰うだろうけど、カードゲームの考案者は貴方という事になっているから」
「…………イーブルシュタインっていうと、何処になるのかな?」
嫌だと言ったところで覆る事なんてないのだろう。そう諦めて訊ねてみると、ソフィさんからその回答が返ってくる。
「ストレンベルク王国から北にある大国ですわ。恐らくファーレルの中で最大の国です。魔法もですが、一番発達しているのは技術力で……、複数人を一気に運ぶ事が出来る飛行魔力艇は彼の国でしか保有していない技術の結晶ともいうべきものですし……」
「そうなんだ……、有難う、ソフィさん。……それで? その世界同盟会議とやらで僕は何をすれば?」
「……多分カードゲームの公表を依頼されると思うわ。あれは、『魔札召喚魔法』によって魔族や魔物を撃退する術もあるし、あらゆる可能性を秘めたものであるから……」
魔札召喚魔法、か……。最初に作ろうと思った際はゲームのついでにそんな事が出来れば便利だなくらいしか考えていなかったんだけど……。僕としては勝手に公表してくれても構わないけど、あれも特許や権利云々で制作にかかわった国以外では広まってはいない技術らしい。まあ……、少なくない金額が僕の下に入ってきている。
「王女殿下に勇者とされている人物、それにコウ……。さらに勇者召喚に関わった者たちと、これだけの人数が訪れるとなると国王様と主だった方が訪問するよりも困難になると予想されます。我々『王宮の饗宴』のメンバーは参列しなければならないでしょうし、一応あの人が所属する騎士団も無関係ではいられません。王女殿下の護衛という点から見ても色々考えないといけませんから……」
「……そうですね、場合によっては人質事件の時以上に大多数が不在になるかもしれないという事ですか……。確かに冒険者ギルドへも要請しなければならないようですね」
和気あいあいとしていた雰囲気が一転、シリアスな空気に包まれるのを見て、人知れず溜息を吐く。折角ここ最近は特段何事もなく過ごせていたのになぁ……。何やらまた新たな出来事に巻き込まれつつある事を認め、僕はもう一度溜息を吐くのであった……。
(やっぱりイーブルシュタイン行きが決まったわね。まさか世界同盟会議に発展するとは思わなかったけど……)
慌ただしくなった『王宮の饗宴』から退出し、侍女であるサラを伴いながら私は考えていた。
「お嬢様、これから忙しくなりますね」
「そうね……、あたしの方でも色々とスケジュールを調整しないといけないし……。あら? どうしてあたしもイーブルシュタインに行くと思ったの?」
何気なく聞き流していたが、サラの発言に疑問を感じて問い返すと、
「私は何も言ってませんよ。ですが、長年お嬢様の侍女として、またマネージャーとして一緒に居たのです。何を考えていらっしゃるかくらいはわかりますよ」
「……そんなにわかりやすかったかしら? まあ本当の事だし、別にいいんだけど……」
口元に手を添えて忍び笑う彼女に苦笑しながら認めると、同じく私の想いにいち早く感づいた彼の傍に控えるシェリルの事を思い出す……。
(……彼女もすぐにあたしの事を警戒していたわね。話し合った後で漸く分かって貰えたけれど……)
彼に対する想いに気付き、自分の事を警戒していたシェリルに対し、自分には彼を貴女から横取りしようとかそういう考えは全然無い。立場もあるし、もしも彼が元居た世界に帰還することになったらとても付いて行く事も出来そうにないから……。ただ、もしもこの世界に彼が留まる事を選んだ時は……、その時は皇女殿下も遠慮しないだろうし、この国の次期王として受け止めて欲しい……。そのように彼女に話すと少し考えた末に、あくまで彼が自分の意思で留まった時と条件付きでとシェリルは認めた。
それは即ち、王としてこの国に留まった際は、側室として扱われてもいいという事だ。彼女にとって一番大事なのは彼の傍に居られるか否かで、自身の扱いに関しては二の次三の次の事らしい。但し、自らが積極的に残留を勧める事には消極的であった。フローリア宰相の話では、彼女をコウのいた世界に連れていく事を躊躇っている様子であるという話だから、賛同して貰えるかと思ったけれど……、そこは色々とあるのだろう。
彼女といい、そしてレイファといい……、好きな殿方に対してどこか積極的になれないというのは何処かヤキモキさせられる。ストレンベルク始まって以来の美姫と称えられるレイファが素直に想いを伝えていれば、運命の相手という事もあってとっくに慰留を決めていたのではないかと思えなくもないし、寝食を共にしているという比類なき美貌を持つシェリルが、その魅力でもってなりふり構わず迫っていればこれまた共にいる事を選択していたかもしれないのに……。
その事について溜息を洩らしつつ、まあフローリア宰相が言っていた事ではないが、自分の出来る事はやろうとそう決意を新たにした時、
「あら……? これはソフィ嬢ではありませんか。ごきげんよう……」
前方よりやって来た、ブロンドの髪を縦ロールにした雅やかな貴族の女性が取り巻きを連れて優雅に挨拶してくる。確かリモーネ侯爵のご令嬢で、この国でも有力な貴族だったかと思い起こしながら、自分も彼女らに挨拶を返す。
「ごきげんよう、マリアベーラ嬢……。前にお会いしたのは王宮での茶会でしたかしら? お元気でいらっしゃいましたか?」
「ええ、お陰様で……。ソフィ嬢は色々大変でしたわね。一度は悪漢によって拘束されたとか。ご無事で何よりでしたわ」
……あまり彼女らとここで立ち話する気分でもない。あの時の事は正直思い出したくもないし、確か彼女たちは……。適当なところで切り上げようとした矢先、
「でも良かったですわ。悪漢などにその身を汚されないで。心無い者達などは『一国も落とせる至高のおっぱい』なんて戯れ言を話していたりもしますから……」
「無礼なっ! お嬢様になんという暴言を……っ!」
「マリアベーラ様は戯れ言と仰っていたでしょう? 侍女である貴女にはわからないかもしれませんけど……」
「そう言わないであげなさいな、シギュン……。いくら貴族ではないとはいえ、メディッツ大公家の使用人なのです。それ以上は不敬に当たりますわよ」
今の時点で十分不敬に当たるわよと言いたい気持ちを抑えながら、サラを宥める……。マリアベーラ嬢に従う取り巻きの令嬢たちもチラッと見た報告書の通りなのだろう。それぞれ男爵家や子爵家の令嬢だったと記憶しているが……。
「ご心配頂き恐縮ですわ。ですが、お陰様でこうして助けて頂きましたし……、その方々には本当に感謝の念に堪えません」
「グラン様ですわね。流石はこの国が誇る英雄にして、ソフィ様の婚約者であらせられるお方ですわ」
「それに、勇者としてこの地に参られたトウヤ様もおられるんです。本当にこの国に生まれて良かったですわ」
確か子爵家の令嬢よりその名が告げられる。それを皮切りに、マリアベーラも含めてトウヤの話で持ちきりとなっていった。
(やっぱりこの子達が……。件の偽者に魅了を掛けられた令嬢たち……)
普通爵位が上の貴族に対してそのような不敬は働かない。自分の知る限りのマリアベーラは少し高飛車なところはあったが、上級貴族の令嬢やその使用人に無礼を働く様な身の程知らずではなかった筈……。
無理矢理に魅了されたか、それとも自分の意思で彼に付いて行こうと思ったのかはわからないが、少なくとも理性が働いていないように思われる。
「ソフィ嬢も一度トウヤ様とお会いしてみては? 宜しかったら口利き致しますわよ?」
「貴女様ならきっとご寵愛を頂けるでしょうね。民を癒す歌姫には似つかわしくない、スーパーモデルでしたか? そのモデルとしての肢体……、もしかしたら彼に捧げる為にあったのかもしれませんわ」
「ッ! 重ね重ねの暴言……っ! 貴女方はメディッツ家を敵にまわすおつもりなのですかっ!」
「サラッ! いいのです……」
私への無礼に自分に代わって激昂してくれる彼女に感謝しつつ、やんわりと窘める。今の彼女らに何を言っても届かないだろう。それぞれの婚約者に一方的に破棄を伝えたとも聞いている。彼女らもある種被害者である為、大事にはしないで王家預かりの案件となっていた筈だ……。ここまでになると魅了を解除するのも簡単ではなく、トウヤも健在である事から、今この場で出来る事は……。
「貴女方の『善意』は心に留めておきますわ。ですが、貴女方も知っての通り、私は歌姫の活動と同時に外交官としての使命も帯びております。それ故に相手は誰でもという訳には参りません。また、大公家の一員として……、また同じ大公家であるアレクシア家の嫡子であられるグラン様の婚約者としても……、私の意思で決める事は許されておりませんわ」
それは彼女らに対する回答であり、自分への戒めでもある。仮に相手が本物の勇者であるコウであったとしても……、自分の意志では決める事が出来ない。唯一例外があるとすれば……、この国の王によって求められ、自分がそれを受けるという構図のみであろう……。そうでなければ、大抵はこの国の為、引いてはメディッツ大公家の為に、他国の権力者や上級貴族と縁を結ばされる事となるに違いない。
このファーレルにおいても特殊な位置づけであるストレンベルク王国の、それも王家に次ぐ血を引く大公家の矜持として……。
「お可哀想に……。国にがんじがらめにされて……」
「マリアベーラ嬢、貴女もストレンベルクの貴族です。婚約を破棄されたと聞いておりますが、それでしたら尚の事、リモーネ侯爵家の為に良縁を結ぼうとは思われないのですか? 貴族の令嬢として生まれた以上、国や家に従うのは当然……。貴女もそう教えられてきた筈です。その勇者であるというトウヤ殿は、伯爵家を与えられているとの事ですが、侯爵家の中でも有力貴族である貴女とは相応しい縁ではない……。私はそのように感じられますが……?」
「何てこと! トウヤ様を侮辱する気なの……!?」
「いくら大公家といえども、そのような暴言は許されませんわっ! 撤回なさいっ!」
「お控えなさいっ! ティエラッ! レベッカッ!!」
激昂して突っかかってきそうな令嬢たちを一喝し強引に控えさせると、私に向き直り華麗に告げてきた。
「ソフィ嬢の仰る事もわかりますわ。以前はわたくしもそのように考えておりました。ですが……、わたくしは『真実の愛』に目覚めたのですわ」
「真実の愛……ですか」
「何れはこの国を、ファーレルを救われるだろう勇者様にお仕えする……。あの方から降り注がれる愛こそ、まさに真実の愛……! わたくしはその愛に応える為にファーレルに生を受けたとわかったのです。それに……、トウヤ様はやがてレイファニー王女殿下を迎えられて王になられるお方……。何も問題はありませんわ」
「……そうですか、でしたらこれ以上私から申し上げる事は御座いません。サラ……、行きますよ」
そう一礼して、私はサラを伴いこの場を離れる。後ろの方で、身分が高いからって……とか、後で後悔すればいいわ、なんて声が聴こえてくるが全て無視する。どうせ何を言ったところで無駄な事だ。改めて魅了の恐ろしさを思い知らされると共に、それを使ったであろうトウヤに強い嫌悪感を感じていた。
(あたしの得意とする魔法に、『魅力上昇魔法』や『誘引惹付魔法』といった魔法があるけれど……、それらは全て『誘惑魔法』や『魅惑洗脳呪法』から派生したものと云われている……。それらはあくまで自分の魅力を引き上げる為だったり、注目させる為といった自身に付随するもので、強引に魅了している訳ではないし、歌姫やモデルなんかの活動でも少なからず使っているけれど……。今一度気を引き締める必要があるわね……)
ストレンベルクの法に触れる云々以前に、ファーレル全体で見てみても他人を意のままにしてしまう魅了や洗脳は悪である。その事を戒めるとともに、平気でその禁を犯すトウヤに気を許す訳にはいかない……。自分もレイファ達同様、彼を警戒し、この国から排除しなければならない……。彼に狙われているレイファの為にも、本来の勇者であるコウの為にも……。そして、わたし自身の為にも……。そう決意しつつ、わたしは王城を後にするのだった……。
長文、お読み頂き有難う御座いました。
更新が遅くなり、申し訳御座いません。




