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第3話 主人公の師匠の癖が強いのは異世界モノの決まり

これから自分が水属性の魔法士になることを決めた後、ユウキとトオルさんと共に夕食を食べるために食堂へと向かった。


「そろそろみんな帰ってきてるかな?」


ユウキはそう言いながら階段を一段飛ばしながら下りていった。俺とトオルさんは一段飛ばしすることなく、ゆっくり一段ずつ階段を下りていった。そうして食堂に着いて辺りを見渡すと、多くの人がいた。俺が下りてきたのに気付いた一人の男性がこう言った。


「ユウキ、彼が噂の新人か?」


「そうだよ。トモヤ、自分で自己紹介しなよ。」


それを聞いた周りの人たちの視線も俺に集まったてきた。俺は少し緊張しながら自己紹介をすることにした。


「初めまして!清水智也(しみずともや)と言います。16歳です。これからはアーティクルの一員として一生懸命がんばります!」


俺が自己紹介を終えて少し間があってからさっきの男性が口を開いた。


「ユウキとアカネから話は聞いてるで。魔法力がすごいらしいな~。俺は折原健吾(おりはらけんご)っていう名前や。年齢は40歳。みんなからはケンゴさんって呼ばれてる。まあトモヤもそう呼んでくれたらいいわ~。まあとりあえずよろしくな!」


ケンゴさんはトオルさんよりもがたいがよかった。見ただけで筋肉がついてるのもわかるし、このアーティクルで一番強そうだった。しかしよくケンゴさんの右目を見てみると…


「どうしたトモヤ?なんか気になることでもあるんか?」


「いや…その右目の傷が少し気になって…」


「この傷か、まあある男に剣で切られただけや、まあそんな気にせんでええで。」


「わかりました…」


俺はその傷を見ていろいろなことを思ったが、口にするのは止めておいた。


「じゃあトモヤの自己紹介も終わったことだし、残りのみんなも一人ずつ自己紹介しようか。確か今日は運よくみんないる日だよね?」


ユウキがそう言うと一人ずつ自己紹介をしてくれた。俺は一人一人の自己紹介を真剣に聞いていたが、人数が多くてとても覚えれそうになかった。とりあえず名前と顔だけは一致させようと思ったが、それでもなかなか覚えられなかった。自己紹介を終えた後はみんなで夕食を食べながらいろいろな話をした。ここにいる人たちはとても優しく、俺にいろいろなことを教えてくれた。アーティクルでのルールや水の大陸での法律、他にもこの世界の歴史などを詳しく教えてくれた。そうやって話をしているうちに夕食を食べ終え、みんな自分の部屋に戻っていった。ユウキは食堂に残っていてくれた。


「よし、もう夜だしそろそろトモヤの部屋に案内しないとね。」


「俺の部屋なんて余ってるのか?」


「うん。この家結構大きいからね。まだ10人分くらいは部屋が余ってるよ。僕のとなりの部屋があまってるからとりあえずそこに入ればいいよ。」


「わかった、ありがとう。ところでお風呂とか服はどうすればいいんだ?」


「風呂は階段を下りていくと地下に大浴場があるよ。服はとりあえず余っている服を渡すよ。明日新品の服を買いに行けばいいさ。」


「そうか、ありがとな。」


その後、俺はユウキに余っている服を渡してもらい、大浴場に向かった。ユウキと長く話をしていたから俺が大浴場に行く頃にはだれもおらず、一人でゆっくりお風呂に浸かった。風呂を出て部屋に戻った俺はベッドに入るとすぐに寝てしまった。


──次の日の朝


「おーい!起きろトモヤー!早く起きないと痛めつけるよ!」


突然のユウキの大声に熟睡していた俺は飛び起きた。


「なんだよ…朝早くから。俺はまだまだ眠たいんだよ。」


「今日はやらないといけないことが多いから、さっさと支度して!とりあえず食堂で朝食を食べてきて。」


俺はユウキに言われた通り、食堂で朝食を食べてきた。その後、自分の部屋に戻って昨日ユウキに渡してもらった服に着替えた。


「よし、着替え終わったみたいだね。じゃあとりあえずヒューさんのところ行くか~。確か中央広場にいるってトオルさんが言ってたな~」


「こっから中央広場ってどれくらい距離があるんだ?」


「結構近いよ。市場抜けてすぐだから10分くらいかな。じゃあ行こうか。」


俺はユウキの後をついていった。ユウキは歩きながら、市場について説明してくれた。どうやらこの市場はいろいろな物を売ってるらしく、家具や食料などの生活必需品はすべてここで揃えられるらしい。そうこういう間に俺たちは市場を抜けた。広場の真ん中にはさすが水の大陸といわんばかりのどでかく綺麗な噴水があった。


「確かヒューさんは噴水の近くにいるって……あっいた。」


ユウキがそう言うのを聞いて、俺はすぐユウキがみている方をみた。ユウキの目線の先には一人の背丈の小さい老人がいた。間違いなくあの人だろう。


「おーい!ヒューさ~ん!」


ユウキが大きな声で叫ぶと、その老人が一歩ずつこちらに近づいてきた。


「久しぶりやの~ユウキ。こやつがトオルがいっていた少年か。こいつにそんな大層な魔法力があるとは思えんがの~」


「初めまして、清水智也(しみずともや)といいます。これから多大なる迷惑をおかけすると思いますが、どうかよろしくお願いします。」


「お~ちゃんと挨拶はできるんか、トオルとは大違いやの~」


「トオルさんがこの世界にきてすぐの頃にお世話になったって聞いてます。」



「そうじゃ!このわしがいまや水の大陸随一の魔法士であるトオルを育て上げた張本人じゃ!」


「えっ、トオルさんってそんなに凄いんですか?」


「なんや?聞いておらんのか?あやつの魔法力は半端なもんじゃないぞ。初めてあやつの魔法力を計測したときは流石のワシも驚いたを今でもよく覚えておる。」


確かに言われてみればトオルさんは珍しい光属性の魔法士だと言っていたし、そんな雰囲気も漂っている。トオルさんは俺が思っていた以上にすごい人なんだな。


「まあとりあえずワシの付き人をしたいんじゃろ?」


「そうです!」


「そんな魔法もまだ使えぬやつにワシの付き人がつとまるわけなかろう。」


「ヒューさんちょっと待ってよ!確かにこいつはまだ全然魔法を使えない足手まといだろうけど、お願いだから仕事をさせてあげてよ!」


「誰がいつ仕事をさせんと言った?こやつにはまず一週間ワシの修行受けてもらう。それからこやつには体の骨が折れるほど使い回してやるわい。」


「じゃあ雇ってくれるんですか?」


「ああ、まあワシの修行に耐えれたらの話じゃがの。」


「良かったじゃんトモヤ!トモヤなんかを雇ってくれる人きっとヒューさん以外いないんだからね!感謝しなよ~」


「お前はさっきから一言多いんだよ。まあとりあえずヒューさん、俺みたいな役立たずを雇ってくれてありがとうございます。」


「だからさっきから言っとるけど、ワシの厳しい修行に耐えれたらの話じゃ。おぬし、たしか名をトモヤといったのう。トモヤはワシの厳しい修行についてこれる自信はあるのか?」


「這いつくばってでもついていきます!」


「よし、よく言った!ワシは口だけのやつは嫌いだからの。覚悟しておくんだぞ!とりあえず明日から修行じゃ、明日の朝7時ここにこい。」


「わかりました!」


俺が返事をした後、ヒューさんは笑顔を浮かべて帰っていた。俺はヒューさんが与えてくれたこのチャンスを絶対に無駄にはしない。いやしてたまるものか!絶対超一流の魔法士になってやる!っていう異世界モノありがちなセリフを一応心の中で呟いた。


「よし、ヒューさんのところで働くことが決まったところだし市場でいろんなものを買おうか。」


ユウキはそう言うと市場の方へ歩いていった。俺もユウキの後につけてしばらく歩いていると、服を売っている店の前でユウキが止まった。


「よし、ここで服を買おうか。いつまでも召喚されたときに着ていた服を着てても目立つからね。」


ここでは結構服を売っているみたいだ。地球ほど服を作る技術は整っていないだろうが、それでもなかなかのできだ。これぞ異世界というような服がいっぱいある。俺はどれにするか悩んだ。


「なあユウキ。何着くらい買っていいんだ?」


「そうだね…普段着るために5着、寝るときのために2着、それとヒューさんと習得するときのために3着、あと式典とかのために2着選んでいいよ。」


「マジか!?そんなに買っちゃっていいの?」


「いいよ。アーティクルっていろいろあって結構お金持ってるんだよね。」


「そうか、じゃあお言葉に甘えさせてもらうよ。」


俺はそこから20分くらい考えてそれぞれ服を選んだ。どれも俺が異世界モノのアニメを観てて、着たいなと思ったような服ばかりだ。


「よし、買い終えたよ。次は家具を買いに行こう~」


「えっ、まだ買ってくれるの!?」


「うん、ベッドと机だけじゃ寂しいでしょ?まあトモヤにはそれぐらいがお似合いかもしれないけどね。」


「あのさ、ヒューさんといる時から思ってたんだけどさ、ちょくちょく俺のことをいじるのやめてくんない?」


「えっ…だってトモヤがドMだと思って、トモヤの為にいじってあげてるのに…」


「そ、そんな可愛いく落ちこんでも意味ないからな、俺は別に男の娘に興味ないから。」


危ない、後少しで俺の中で何かが目覚めるところだった。


「わかったよ…。もうトモヤをいじらない。多分ね…」


「最後の一言が気になるけど、まあいい。ユウキにはこの世界に来てからお世話になってるからな。」


そんなこんなで家具を買い終え、俺らがアーティクルに戻る頃にはもう昼過ぎだった。みんな仕事に出かけてると思っていたけど、食堂に行くとアカネがいた。


「あれ、なんでお前いるの?」


「前に言わなかったかしら?私に気軽に話かけないでって。まあ今回は特別に答えてあげ…」


アカネが俺に説明しようとしてくれた時だった。


「今日はアカネの仕事が休みだからだよ。」


後ろから声がするから振り返ってみるとユウキがいた。


「ユウキ!なんで先に言っちゃうのよ!」


「え~、だってアカネが言うのを勿体ぶってるからだよ~」


「ところで何で今日仕事が休みなんだ?」


「アカネはトモヤと同じで上級議員の付き人をしているんだよ。上級議員の付き人って結構休みが多いんだよね。上級議員の人って結構自分勝手ですぐに他の大陸とかに旅行に行っちゃうから。」


「そうよ、私が雇ってもらっている上級議員は昨日から風の大陸に旅行に行っちゃったわよ。”しばらく風の大陸に遊びに行ってくるよ~ん”っていう手紙を置いてね。」


「だから昨日もアカネがアーティクルにいたのか。」


「まあ休みも多い分仕事の量も半端ないけどね。トモヤも気をつけるんだよ~。特にヒューさん結構自由な人だからね。」


「ま、まあできるだけ頑張ってみるよ。」


「ところでアカネ、トオルさんは今書斎にいる?」


「いるわよ。どうせまた本ばっかり読んでるんでしょうけどね。」


「ありがとうアカネ。トモヤ、トオルさんに今日のこと報告しにいこ。」


「わかった、行こうか。」


俺とユウキはそうして食堂をあとにして、一歩ずつ書斎へと続く階段を上っていくのだった。













次回はアーティクルのメンバーの情報と、フラッディーの歴史を書くつもりです。別に読まなくてもいい情報ですが、10人に1人の割合でいると言われている細かい設定が好きな人のために書きます。期待しない程度に待っていてください。

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