強制力が切れました!
そんな風に順調?にイベントをこなしていき、本日はクライマックスの卒業パーティー。
うん。 別名、断罪イベント。
さて。 王子による婚約破棄宣言、キター!
取り巻きによる悪役令嬢の罪状の読み上げと証拠出し、キター!
まあ、よくある悪役令嬢ものだと、何もしてないのに電波ヒロインの偽証に陥れられたりするんだけど…
今回は本当にやっちゃってるからね。証拠もちゃんとあるしね。
まあ、やりたくてやったんじゃあ、ないけどね…。
断罪やってる人間、それ全員知ってるけどね…
おかげで、この節穴が! とは思わないでいいよね。
お前が言うな! とは何回か思ったけど。 イロイロ棚上げ~w とも思ったけど。
うわぁ~… その後速攻王子と踊るの~?
直前、マリーが罪人扱いで捩じ伏せられて、連れてかれてるんですけど!
ちょっと前までの婚約者!(という皆さんの認識) ウラノスも妹!
マリーの扱い、貴族令嬢、特に公爵令嬢が受けるには有り得ないほど手荒かったように見えたからね。
一応、マリーを連れてった騎士、人格的に問題の無い人間をチョイスして、お芝居としてやってね、とはお願いしたんだけどね…。
その直後!
何の曇りもない笑顔で。むしろ幸せいっぱいの笑みで。
堂々とホールの真ん中でお互いうっとりと見つめ合って踊る…
うふふふふ~ 世界は私たちの為にあ~る~
ナ・イ・わ~…
周りの目、白いを通り越してブリザード…
断罪時はまだ、マリーの態度も見苦しいとこあったから、白い目向けられてたのは五分五分?
気持ちは分からなくなくても、まあ殺人まではあれだしねえ。
未遂だけど。怪我これっぽちも無いけど。
私の態度もアレだったからあれだけど、態度によっては8割くらいはあっちに押し付けられたかも。
でも。 これで100%こっちに来ました。
むしろブリザードから汚物を見る目にランクアップしてるのもチラホラ…
そんな雰囲気の中、踊り終わっ… (!?)
<<逆ハールートでクリアした時のスチルが視界一杯に広がって…>>
<<エンディングの音楽も脳裏に流れて… 終わったら…>>
(動ける! 強制力切れた!! ゲーム終わった~!!!)
感動のあまり叫び出したかったけど、全力で我慢。
王子や他のに目をやると、そっちも強制力 切れたみたい。
安堵で茫然としてるナイアス達に『空気会話』で喝入れて、一番マシな王子と目と目で会話して、この場では最大限無難に退場。
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で。控室にみんなで駆け込んで… 安堵、するにはまだ早いんだよね…
マリーがまだ。 つーことで、迎えに? 行ってきます。
これならマリーも強制力切れてるか、遠からず切れるとは思うんだよね。
まあ、みんな安堵でへたり込んではいたんだけど、王子は早々に気を取り直して、王城に報告と事後処理の手続きを。
あー、ウラノス、「僕もマリーを迎えに」って、気概は買うけど、その顔色だとまだちょっと無理じゃない?
そっちでまだ呆けてるナイアスと王子の護衛でもしてて。
カトルとポルクは… カトルの方が飛行魔法得意よね。いっしょにお願い。
ポルク? あなたには大事な役目を。 ていっ。 私の影武者♡
いざとなれば王子といちゃいちゃしてればいいからね~
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ということで、カトルとだけ連れ立って、飛行魔法でマリーの後を。
あー、あの馬車かな。
上空から連絡は取ってみたんだけどね。
(マリーいる? こっち強制力切れた! 動ける! そっちは~?)
(いる~。 こっちまだダメ…。 ああ、無事に切れるのかな…)
あれ、御者、なんか察した? こっちを見て… あ、前に護衛してくれてたAランク冒険者のお姉さんだ。
公爵様あたりの手配かな?
ちょうどいいや。 乗せて~
で、見ないふりをされながら、馬車の屋根に便乗して、魔の森までゴトゴトと。
いや~ 私はともかく、カトルはずっと飛んでると魔力切れになると思うんだよね。いざとなったら抱えて帰るけど。
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で、森に着いてマリーが下りたら… 冒険者がわらわらと。 うん、頼んでたね。
マリーは… うーん、まだか。強制力切れるまで、動かせるしかないか。
冒険者、知り合いもいたから、確保じゃなく、マリーの警護に切り替えてもらって、
周囲を囲まれたマリーがふらふらと森に入ったら… 「切れたーっ!」
これでようやく全員。
森から出てきたマリーと抱き合ってうるっとしてたら…
「テン嬢ちゃん? えーっと、一体何やってるんだ?」
… だよね。 待機冒険者の皆さんからすると訳分かんないよね…
え~? やっと卒業になったから息抜きに来ただけですよ~
マリーが変? いやいや。堅っ苦しい学園生活から解放されたばっかで、ちょっとテンションがおかしいだけで~す。
ね~っ。
怪しげな言い訳で誤魔化しつつ、あとは金の力!
ほらほ~ら。 そんなことより、ここで達成報酬を。2割増しですよ~。
金に意識が向いたところで、
「あ、いろいろとうるさい人とかいるんで、私たちがここに遊びに来てたことは内緒でね~」と。
まあ、一応の口止めをね。 そこまでしっかりとはしなくていいと思うし、出来ないと思うし…
微妙に首をひねりつつ、報酬貰って帰っていくおじさん達をマリー達とにこやかに見送って…
気配が消えたところで…
全速力でとって返しました。
馬車は公爵家に帰ってもらって、3人、飛行魔法で。
うん、能力的にカトルが私とマリーの間で、連れ去られる宇宙人状態で引っ張られてたけど。
最初のうち、なんか言ってたけど。 うん。風がうるさくて聞こえな~い。
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王都まで飛んで帰ってきたら… 王子達は… 王城か。
城の上空まで飛んでって、気配で合図。
(着いた! マリーも無事!)
(良かった! みんな揃ってるよ。降りといで)
で、気配を頼りにこっそり城に降りて…
そこには王子達と公爵夫妻、王様王妃様、侍従長、攻略対象者の親 等々…
ええ、皆さん途中から事態把握しつつ、はらはらしながら見守っててくれてたんだよね…
だって強制力から解放される方法なんて、私達にも分からなかったもの。
卒業パーティが一区切りのはず、くらいしか言えなかったから…
とりあえずその通りだったのは良かった~ 解放されなかった可能性もあったからね…
私達もだけど、みんなの親達も、安堵のあまり泣きそう…
しばらくは、そうして感動に浸ってたんだけど… まだやらないといけないことはあるんだよね。
むしろそれが本番。
ということで、もうちょっと頑張ります!