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強制力に負けてます(涙)

えーっと、乙女ゲームに 「どっからでもかかってこい」とか宣言してましたけど… 

すいません、調子乗ってました…。


イヤーっ! 取り消す! 取り消すから、もうちょいイージーモードにーっ!


せめて知恵や努力でなんとか出来るようにして下さい…



現状? まあゲーム補正は無かったですかね。

うん、そんなヌルいモノは。


現在、絶賛シナリオ強制被実行中~。

完全に身体の自由とか効かなくて、シナリオ通りの動きやしゃべりしてるのを、中の人と成り果てて見てるだけ…


ははは…、学園の門をくぐった途端、身体が勝手に動き出して、スキップして王子にぶつかっていったり、木の上から落っこちて下敷きにしてみたり。

うん、人通りの少ない道とはいえ、女の子がスカートで木登りしてるの、通りすがりの人、ギョッと二度見して、スルースキル発動させて見なかったことにしてたけど。



王子達も中の人組。攻略対象者全員対象ですか…。もちろんマリーも。


シナリオ通りに、攻略対象者達が私をちやほやしてきて、それにマリーが突っかかって罵っていくってのが、最近の学園よくある風景。

しかも勝手に逆ハ―ルートイン。せめて誰か1人ならまだマシなのに…


ううっ、他の皆さんの呆れと軽蔑の視線が痛いよぅ… 気配察知のスキルが恨めしい…



私だってこんな、「行動を慎め」って忠告 (まだね)されて、

「きゃー、こわ~い。王子様達~、わたし虐められちゃってるの~」

「なんだと! こんな健気でかわいいジャンナを虐めるなんて、なんてひどい奴らだ。懲らしめてやる!」

「やーん、王子様達、優しい~。頼りになるぅ~」


みたいなアホっぽい会話やベタベタしたりなんかしたくないよ…



まあ、それはあっちも同じだけど。


特に、ナイアスなんか基本硬派だから…

「ジャンナ、君を守るために俺の力はある。君に俺の剣を捧げさせてくれ」

とか公衆の面前でひざまずいてやったりしてるの…

うん、表情も勝手に動くから、キリッとした顔はしてるんだけど…

あーあ、これ本来の表情が出てたら、きっと白目剥いて口から魂抜けてるよ…


ウラノスは一応公爵家の後継ぎなせいかな。

逃避しそうになりつつも耐えてるっていうか、何とかしようと頑張ってるみたい。


その点、王子は流石かな。きっといつもと同じにこやかな笑顔のままだね。

でも不本意ではあるんだろうね。 なんか冷気が漂ってきーてーる~


双子? うん、

「「ありえない! ありえない! 超ありえないから~っ!」」

ユニゾンで現状に文句つけてる幻聴が…



そんな状況のおかげで、最近『空気で会話』スキルを手に入れた~!

チャッチャラッララ~


空気っていうか、相手の漏れ出てる感情?

まあ、それをを察知して、今までの言動を参考に意思の推察を。


ちなみにこっちからもいろんな空気出して、意思疎通しようとしてみたら…

あ、王子流石。早速理解して使いこなしてる。表情は変わらないのに、七色の空気、とか。

マリーも冒険者稼業やってたせいで気配に敏いとこあるから、ちゃんと出来てるね。

ウラノスも、貴族のたしなみ補正か? それなりに。


えーっと、ナイアス、それは殺気や闘気ですよ~?

カトルとポルク、分かりやすくはあるけど、空気って、魔法で気温上げたり下げたり湿度調整って、それ違う…。

こっそり旋風とか静電気起こすのも、だから違うって。


まあおかげで、アホな茶番劇やってる裏で、こっそり励まし合ったり慰め合ったり。

あんまり複雑なやりとりは無理だけど。


「やあ、ジャンナ。ここで君に会えて幸せだ」

(ぐおおー、こんな人目のあるところでこんな恥ずかしいセリフを~っ!)

「あ、ナイアスずるいですよ。ジャンナとは私も話したいのですから」

(気持ちは分かる。いつも通りならもうすぐ助けが。耐えろ、耐えるんだ!)

「もー、ナイアスもウラノスもなかなか会えないのね。たまにはのんびりしないと疲れちゃうわよ?」

(いや、現在しょっちゅうグダグダしてるから。むしろ仕事させてあげて~)

「まあ、また恥知らずにもまとわりついてますの、この平民が。ふさわしい身の程というものを弁えなさいな!」

(ごめんよ、義妹よ~。そしてお兄様たち大丈夫~? ああ、悪役やるつもりなかったのに… )

「「あー」」「またマリー」「ジャンナのこといじめてる~」 ぐるぐる

((ジャンナをイジメ~? 無理無理~ ああ、なんでこんなことを~))

「マリー、そのように身分を振りかざすような醜悪な行いはいい加減にしないか!」

(すまないね。みんな好きでやってるわけじゃないのは分かってるよ)

「アポロン様。なぜそのような卑しい娘の肩を持つんですの!」…


ええ、()は心の声です。 いろいろ補完はしてますけど…。

そんな感じでそれなりに意思疎通を図ってますけど… その空間わりとカオスです…。


おかげで、貴族のたしなみとして、空気読むスキルを習得してる方は、一見イチャラブしてるように見える魔空間を不審に思ってくれてたり。


うむ、君たち将来有望そうね。 王子、よければ将来彼ら取り立ててあげてね。

無事に強制力が切れたら、だけどね…



その他にも、ほんの一部だけど、こういった茶番劇を胡乱な目で見てる子たちもいたり。

私たちと、本当に親しかった、ごく一部の人たちは。


いやだって、私が公爵家の養女になって、マリーと共に王子の婚約者候補に挙がってるっての、少ないけど知ってる人は知ってたもの。

まだ礼儀とか完全じゃなかったから、出る場は選んでたけど、そこで顔見せして仲良し姉妹やってたの、見てる人は見てたしねえ。王子達と交流しに行ってたのも、知ってる人は知ってるし。


なんで、マリーが私のことを、「この平民が!」とか「身分が違う」とか「婚約者は私」とか発言してるのに、『?』。

今までの教育が行き届いてた態度を放り出して、マリーがヒステリックに罵ってて、私がへらへらしてるのに、『??』。

王子達も、公衆の面前でいちゃいちゃしたり、授業や生徒会なんかの仕事放り出してるのに、『???』。


 ありがとう! その信頼、ちょっぴり心の支えです…



でもそういった周囲にも、ある程度ゲーム補正とかあるのかなあ…。

誰も茶番劇に割り込んできたり、邪魔したりとかはしてくれない…

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