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破滅は回避いたします(とある悪役令嬢の軌跡)

(わたくし)は高熱を出したはずみに思い出しました。


何って、よくある前世というものをです。

といいましても、そのせいで脳がさらにオーバーヒートして寝込むのが長くなりましたけれど。

子供の脳に、以前の数十年の記憶や知識が一気に入って来たのは、大変でした…。


で、単なる異世界転生ならよかったのですけど、俗に言う乙女ゲーム転生のようだということが、知識を確認していくうちに判明いたしました。

熱が下がって、まさかね、と思いつつ自分の名前や容姿、生まれを再確認していると… あれ? とある乙女ゲームの… いやあっ! 悪役令嬢!


見なかったことに… できるかあっ!

えーっと、シナリオだと、死亡フラグ、は無かったですかね。修道院とか、一番悪くて、勘当されて魔の森に捨てられるんでしたかね。

普通の貴族のご令嬢なら、結果的に死亡する気はいたしますけど…。


うん。 回避回避回避~っ!

ぜーはー。 うーん、でもそれくらいならいいですかね。逆に言うと、そこから生き延びられる実力があれば、OKですわね?

前世の記憶が戻った以上、貴族生活じゃなくても大丈夫ですし。 むしろ堅っ苦しい…。


こういった状況の話も前世でよく読んでましたから、ここは一つ悪役令嬢スペックに期待して、限界まで能力上げをしますわ!

そういえば冒険者ギルドとかもありましたわね。ここはひとつお忍びで登録して、Sランクとかになっちゃうべきですかね。


ああでも心は追放エンドからの平民冒険者生活なんですけど、ざまぁとか、シナリオにはどこまで抗うべきでしょうね。

濡れ衣とか嫌は嫌だけど… 出そうな影響や家族との関係によって判断しましょうか。

そういえばヒロインって…  転生者である・ない。 マトモ・電波。

どうでしょうね。余裕出来たら探してみようかしら。


とりあえずは、せっかく公爵家なのですし、とことん知識や技術を身に付けてみましょう。


****

ははははは… ええ、さすが悪役令嬢スペック。勉強も魔法も教わったら簡単に身に着きました。個人的に必要と判断した知識も同じく。

しばらく公爵令嬢生活をしていくわけですから、そちらの教育も頑張っていましたら…


いやあっ! そのハイスペックぶりを見込まれて王太子との婚約話が! 根本的原因!

そこから回避するべきだった~ でも政治的要因で私が他の候補よりそもそも推されてる~

よっぽどダメな子なら回避できるかもしれないけど、それだとレベル高い教育受けれない~


 あきらめて婚約者になろうか…。 追放どんと来い。私は冒険者になる!


 でもね~ ご両親割といい人なんだよね。 え~、あの怒鳴りつけての勘当とかナニ?

まあちょっと甘やかしすぎ構い過ぎのきらいはあるけど。ちょっとプライド高いところはあるけど。

うーん、それでスポイルされてゲームみたいに高飛車でワガママになったんだったらアリかな。

どうしようかな。できれば穏便に身を引くとか出来ないかな…。


****

それはともあれ、冒険者ギルドにやってきました。

うーん、こっそりは無理だった…。お嬢様の我儘、社会勉強ってことで護衛付きで押し通した。


うーん、ギルドの受付嬢さん、不審そうだけど私なんか変ですか?

一応平民の服に変えてるはずなんだけど…

ちょっと若いのは若いけど。でも小遣い稼ぎで子供が登録することもあるって聞いてるし。


「ええ、登録は大丈夫ですけど…。あら、魔法が使えるんですね。この年でこんなにいろいろ使えるってテンちゃんよりすごいですね」


へえ? 近い年で私より落ちるにしても、それなりに魔法使える子が?

私、公爵家の特権でいろいろ教わってこれなのに。


「え、テンちゃんってどんな子です?」

「ここに来ている女の子で、年頃も同じくらいなんですけど…」


ん? 女の子? 同い年くらいでスペックの高い…

「すいません! そのテンちゃんって方にお会いしてみたいんですけど!」


ギルドのお姉さんに呼ばれて、テンちゃんって子が。

んんーっ? 編み込んで纏めてるけどピンクの髪。ちょっと汚れてるけど可愛らしい顔立ち。小動物チック。 


「はい。この子がこのギルドの有望株、テンセー=ヒーロインちゃんです」

 ん? …… 転生ヒロイン?

「ぶふっ げほっ ごほっ」


お前かーっ! はい、ヒロイン転生者! マトモ、か…?



 といった遭遇でしたけど、私達、すぐに仲良しです。


なにせ同じ知識を持った者同士。

そもそもヒロインがああ名乗ってたのって、悪役令嬢とかがお仲間(転生者)だった場合、連絡が取れるように、とのことで。


そうですね~。ばっちり分かりますね~。

まあ現状だと我に返って実力を隠してますから、イマイチ意味ないですけど、そんな名前で上級魔法や光魔法を子供ながらに使って、バンバンランク上げしてたら、評判になるだろうね。多分私が出歩けなくても聞こえたくらい。


あ、私が改革とかしてて評判になってたら、そっちからこっそり訪問してくれたんだ。

ごめんね、手が回ってないの…



それからは二人でコンビを組んで、魔法とか教え合ったり。魔法の実験でちょっと自然破壊してみたり。

私が知識だけだったから実践を仕込まれたり…。


いやあーっ、ゴブリンとはいえ群れで来られると怖いーっ! (索敵! 結界! 確実に殲滅!)

え゛、この死体から魔石を…?  ううっ、グロいよぅ… (慣れよ慣れ!)


とかやってるうちに、うん、冒険者としてやってく自信は出来たかも。でもナニカを失った気も…



まあそれはともあれ、どうもこのごろ本来のシナリオに向かってゲーム補正が掛かってきてる気がするんですよね…。


私の方は、このままだと婚約回避は無理かも。 でもそうなるとシナリオ通りだと実家没落フラグが…。


ちなみにヒロインの方は、中級でも魔法これだけ使いこなせてたら将来有望だよね。学園に行ってみない、とか。

ポーションに時々聖効果付いてるの、そっちの属性有るんじゃあ? 検査して学園に、とか。

まあイロイロ隠しきれてなかっただけの気もするけど…。


まあ、なるようになっているだけの気もしますけど… 最近は顔を合わせると、どうしようどうしようってお互い頭を抱えてます…。



 そんな中、私はふとひらめきました。


HAHAHA! そんなに私たちに学園に行って欲しけりゃ行ってやるわよ!


つーことで、ヒロインちゃ~ん。 いらっしゃーい♡

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