表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダメ×人×間×コン×テス×ト  作者: gaction9969
第二章:チャラ男殺し油の室戸
57/244

#057:幸甚な(あるいは、県立魔法学園Z)


「ほぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁああぁぁっっつ!!」


 諸々あったが、第二戦は<赤:5,734:青:102>で終局した。


「……このルールでの5,000差はやばいだニャン!『10,000ボルティック』超級が来ちゃうだニャン!」


 切羽詰った猫田ちゃんの必死の忠告も聞かず、


「初五桁……ども」

「この点差でギブアップしない野郎、他に、いますかっていねーか、はは」


 ぶつぶつと何事かをつぶやいている内に、パーカー少年は相当きつめの折檻電流に貫かれ、冒頭のちょっと形容しにくい叫び声を上げて、果てた。


「き、棄権で」


 そしてパーカー少年のチームメイト二人はその惨状を見てすぐさま降伏の意思を告げたのであって。そんなこんなで僕らチームはあっさり二連勝。三回戦へと駒を進めたのであった。しかしあれで勝ってしまうとは……何か申し訳ない。


「絶好調だなぁ、少年。ラスト2秒の逆転ファイターっつぅ、二つ名がつきそうな感じだぜ。俺らの出る幕はやはり無しか」


 アオナギが言うが、いやギリギリでしたって。でもこれで十万。チャリーンという音が僕の脳内で弾ける。


 相変わらず僕の姿を見るやビビり出す丸男とジョリーさんを置いて、リングを降りブースの出口に向かうが、その途端にどっと疲労感が襲ってくる。何か……精神的に来るものがあるな、この戦いは。緊張からなのか背中や二の腕に張りを感じたので、一度立ち止まってうん、と伸ばしてみる。そんな僕にまたしても声が。


「あの……ムロトミサキさん」


 猫田ちゃんだった。さっきも実況少女セイナちゃんに労われたけど、なにこのモテ感。ダメを極めていくほどモテるというなら……僕はダメであることを辞さない。


「激闘、でしたね。私、何て言うか最後感動しちゃって……」


 少し潤んだ瞳で見つめられても。認めたくはないが、ダメの僕の方がはるかにモテるようだ。


「あと親近感感じるんです。私の名前も猫田ねこだ似杏にあんなものですから」


 言いつつ、かわいく、てへっとされても! 僕は精一杯クールに手を差し伸べるのが限界だった。室戸岬に、その名に乾杯だ。


「……応援してます。決勝、行ってくださいね!」


 顔を赤らめ、熱っぽい視線を送られても!その小さく柔らかな手に手を取られ、僕のテンションはオーバーヒート気味なわけで。次も……次もやったるでへぇぇい!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ