表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダメ×人×間×コン×テス×ト  作者: gaction9969
第二章:チャラ男殺し油の室戸
51/244

#051:秀逸な(あるいは、聞きたいか?俺の靡憂伝)


「今日の審査者は……元老院5名、各1000ポイント!! 段位者30名、各500ポイント!! それ以外っ、なんと6000人っ! 各5ポイント! だから……えーと全部で50000点満点だよ!!」


 実況少女セイナちゃんが審査ポイントの説明を始めているが、僕はもう細かいことは頭に入らなくなっている。落ち着け、50000点ってえらい点数だけど。


「持ち時間はそれぞれ2分! 切れたら負けだからねっ。さあ、ナンバー6っ、先手だよっ。対局ぅぅぅぅ、開始っ!!」


 セイナちゃんがマイクを手に、対面のチャラ男にもう一方の手を勢いよく差し出す。瞬間、本物っぽいゴングの音がブース内に鳴り響いた。……始まったっ!もうやるしかない!


「ちょwww いきなりオレっすかwww えーと、ダメ話をすればいんだよね?」


 チャラ男は長い脚をぞんざいに組んだまま、ふんぞり返って余裕の体だ。しかしその後ろの画面に表示された持ち時間は「1:45」を切ってるぞ。


「ま、一発でキメてやりますってのwww ではでは……『つきあってたコとこないだ道玄坂で飲んでたら、何か酒がやけに回って気づいたらホテルで爆睡してたwww しかも一緒にいたの知らない別の女のコだった』って、マジうけね?」


 ……相変わらずの、このDEPの難解さよ。このしょうもない武勇伝じみたものがどれだけの評価を得るのか? まったくもって分からない。チャラ男の残り時間が「1:32」でカウントを止め、その下に評価値が「集計中……」と表示されている。そして、


<先手、22,569pt>


 どうなんだこの点数は? こちらの面々は渋い顔。周りからは良いのか悪いのか判断しづらい観客たちのどよめきが。カラフルな円グラフもその横に提示されるが、これは評価ポイントの内訳かな? ピンクがほとんど……90%くらい以上を占めていて、「一般」とその上に表示がある。


「先手スマッシュヒットぉぉっ!! 観客のみんなの点をうまく集めたって感じだねっ! 初手にしては結構秀逸ぅ、やるなお主っ」


 セイナちゃんが黄色いベレー帽を揺らし、勢いある身振りでチャラ男を指差す。ピンク=一般観客の評価ってことか。赤と青の部分も細くあるはあるが、こちらが元老院と段位者の評価ということになるのだろう。元老院が何者なのかはさておき。


「てへwww ほめられちったー、いや、このくらい当然です、ってかwww」


 チャラ男は片目を瞑って、実況少女に両手の指差しを返す。野郎っ! 調子くれてんじゃあないぞっ!!


「少年、熱くなるなよぉ。お前さんのその朴訥した喋りがよぉ、玄人衆には刺さるんだ。淡々といけ、淡々とフォーメーションアルファだ」


 腕組みしたままのアオナギが、そうアドバイスめいた声を掛けてくるが、もうフォーメーション言うのはやめで良くない?


「後手番ナンバー19っ!! どう受ける? 手番だよ!!」


 今度は僕の方に手のひらを向けて合図してくるセイナちゃん。ぐううう、どのDEPでいく?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ