表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダメ×人×間×コン×テス×ト  作者: gaction9969
第一章:室戸とミサキの事情
14/244

#014:空虚な(あるいは、簡単じゃないか)


「『アイドル』とはその……あの車とかでエンジンを……」


 僕の言葉を遮り、


「いや?」


「古代の偶像崇拝に代表される……」


「いや、いわゆる『アイドル』だ。世間一般的に意味するところのな」


 僕の言葉を遮り、アオナギが言う。ですよね。でもダメとそれが僕の頭の中ではうまく結びつかない。


「……ダメ業界に『萌え』の概念を持ち込んだ先駆者『初摩はつまアヤ』。ダメをポジティブなものとしてキャッチーな歌に乗せた『ダメ-ポップ』のカリスマとして幾多の信者を有するディーヴァ『葉風院はかぜいんミコト』。『ドジっ娘』から半歩ダメに踏み込んだ絶妙の『合法ダメロリ』を標榜する『お兄ちゃん系』最大派閥『チャイドル-ブランド』など、今やダメ界はそいつらの色に染められていると言って過言じゃねえ」


 いっぱい色んなのが出てきたけど、ふーんふーんとしか言えんわー。


「やつらの大衆に媚びるやり口……俺っちにはどうとも許せねえんでげすぜ」


 左隣の丸男はまた一点を見つめて怒りに体を震わせている。今日も顔面一帯が赤黒い。


「しかし無視できないのも現状。特に溜王戦は一発トーナメントだ。少年の実力が外面だけでうまく評価されず、沈んじまったら目も当てられねえ」


 外見に自信がないのは確かだけど、何かもうダメから遠ざかっていってませんか?本質に戻らないと。


「そこで現状を逆手に取り、俺らもアイドル路線で討って出る」


 本質ー!! アオナギはくっくと笑みを浮かべるとグラスに手を伸ばした。


「いやいやいや、かけ離れてますよね? ジャニーズとかそういう要素、カケラも無いですって」


 無駄とは思いつつ反論をしてみる。当の僕はのっぺりとして、薄ぼんやりとした特徴のない顔だ。とてもじゃないけど……


「盛るのさ」


 またも僕の発言を手のひらでいなすと、アオナギはそう言い放った。


「盛って盛って、強烈なインパクトを初見にてぶちかます。『ファーストインパクト:ミサキちゃん計画』、ここに発動を宣言する」


 アオナギの支離滅裂な宣言に、丸男だけが両腕を振り上げて、うぉぉぉとか言ってるけど、いやいやいや、混沌じゃないか、これ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ