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ダメ×人×間×コン×テス×ト  作者: gaction9969
最終章:倚界の中心でミサキを叫んだ室戸
129/244

#129:蓋然な(あるいは、EZカムEZゴー)


 騒然となった場内の雰囲気の中、移動式クレーンに引っ掛けられ、痩男が辛子プールよりいま正に救出されようとするところ。


「……」


 割と粘度高い系の代物だったようだ。底なし沼のように体が沈むことはなく、べちゃりと表面に突っ込まされたものの、水面(?)にうつぶせになっていたところを宙に吊り下げられ、痩男は何とか無事なようだ。


 いや、一命を取り留めたという意味の無事であり、体の前面は黄色まみれで、全身は小刻みに震え、呼吸なのか嗚咽なのか判らない音声が聞こえてはくるものの。


「対局は『ピリオド制』で行われるっ!! 1ピリオド、各自一枚ずつ『属性カード』を、装置の右手側にある『着手ボックス』へと挿入する」


 その惨状を意に介さず、桜田さんはルール説明を続ける構えだ。


 装置の前方には両手で掴まれるようにバーが横に渡されているが、その右手側に、桜田さんの言う通りの小さな黒いボックスが見て取れた。あれにカードを挿れて読み取らせるわけか。


「『属性カード』を全員がセットしたら、抽選が始まるっ!! それにより、『指名権』を得た三名の名前がそこのディスプレイに表示されるというわけだっ!!」


<DEMO:

 1st:アオナギ

 2nd:シバ=ンシ

 3rd:タメイド>


 デモンストレーションということだろう、画面には3人の名前がランダム(と思われるが定かではない)に表示された。


「指名権の順番通りに、指名者は、自分の対戦相手を指名するっ!! 『指名っ! ムロトっ!!』……こんな風に宣言してくれ。ただし!! 指名が重複しても問題はない」


 待てよ。指名権を得られなかった人は、「多対一」というような状況に置かれる可能性もあるという事か。つまり、二人、ないし最大三人から勝負を申し込まれる場合もあるということ。集中攻撃。そういう戦法も出来るということか。


 そのメリットは今のところ不明だが、何かしら意味はあるはず。指名者も指名されることがあるわけで、うーん、何か複雑だ。思わずチームの二人を見やる。両者共に口ポカン状態。これ大丈夫かな。


「『多重指名』を受け、その相手達に2敗あるいは3敗を喫してしまった場合っ!! 先ほどの仕置きがグレードアップする!詳細は秘密だ。楽しみにしててくれ」


 待った! あれよりキッツくなるなんてあかんでしょ!


「逆に1ピリオドで2勝あるいは3勝することが出来たなら……仕掛けたあるいは仕掛けられた相手全員に『グレード2』『グレード3』の攻撃を跳ね返すことが可能だっ!! その辺の駆け引き、心理戦……それこそがこの『限DEP』の真骨頂よ。皆、心してかかってくれゴアヘっ!!」


 わからないわからない。戦略性と蓋然性が入り混じっていて、どうしたものか。


「説明を終わるっ!! 各チーム、作戦タイム10分を設けるので自分の手持ちカードを10枚揃えて、装置へと付け!! 以上っ!!」


 頭の中が混乱している間にも、進行は続くわけで。とにかく言われた通り作戦を立てるしかないっ。


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