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ダメ×人×間×コン×テス×ト  作者: gaction9969
最終章:倚界の中心でミサキを叫んだ室戸
124/244

#124:裸足な(あるいは、ハイパーおどりゃタメイド)


 今回の対局場所も、グラウンドの内野の方らしい。一方のバックスタンド方面を伺うと、何やら工事現場のように足場が組まれ、白地に「溜王戦」と勘亭流の黒文字で書かれた養生シートが張られている。その内側で次の対局場の準備をしているようだ。


 交互に組み替えていくってわけね。金かかってるなあと呆れつつも、毎度毎度対局の趣向が変わるということでもあり、気が抜けない。


「……」


 改めて、今回の内野側に設置された対局場を確認すると、見慣れた感のある六角形を描いた、専用搭乗型決戦装置がまたもやその異形を晒している。


 その中心には第1試合の時と同じくアクリル製と思われる巨大な円筒型の水槽のようなものが鎮座していて、そこから6本のこれまたアクリルっぽい質感の板状の幅およそ1mの細長い足場が放射線状に伸びている。


 水槽の方は真っ黄色に全体を塗装されているようで、その中身は伺えないけど、いやな予感だけはひしひしと感じる。桜田さんに誘われ、僕らは紹介を受けつつ、備え付けられたタラップを登って、その足場のさらに外周ぐるりを巡る一段上がった壇上に出ていく。


「あれに乗るんだよなあ……あれ何だ?」


 丸男が言っているのは、アクリルの足場の上に設置された奇妙な「枠」のようなものだろう。僕にもさっぱりだ。


 よくよく観察すると、足場の上面には二本のレールらしきものが渡されていて、前から見ると縦2m横1mくらいの、金属製と思われるパイプで直方体を形作られた「枠」は、その下部がレールに金属の器具でがっちりと固定されているようだ。直方体の対角線上には正面から逆側の方へとカーブしているパイプが交差するように組まれていて、その交点のやや下に黒い樹脂製らしきドーナツ型の座席のようなものが取り付けられている。


 薄々分かってきた。あれに座らされるわけだ。そしてさっきのすべり台のように何らかのペナルティがあるとあの枠ごと前へ進まされ、最終的に終点のあの黄色の水槽に落ちたらアウトと。そんな感じだろう、どうせ。


「……続いて4組優勝のチーム21の面々を紹介するぜ? ……クモっ!!」


 「カモン」の発音が良すぎる桜田さんが力強く手招きすると共に、重低音のサウンドが流れ出し、相手チームがまたしても僕らの時には使用されなかったスポットライトを浴びて煌びやかに登場してくる。


 まず始めに控えめに右手を軽く上げて登場したのはタメイドだったのだが、そのカッコを見て驚いた。


「……鳴り物入りの超大型新人っ! メガネは伊達だが、実力はダテじゃないっ!! 慇懃無礼を執事姿にくるんで、ようやっとキャラ定着か? 為井戸ユズル新四段っ!!」


 桜田さんの紹介通り、かっちりとした黒スーツの下に灰色のベストを着込み、淡いブルーのアスコットタイ。細いレンズの金縁眼鏡はキャラ付けのためか? そして両手には象徴とも言える純白の手袋を嵌めている。


 執事だ。よく絵で見る執事の服装で、タメイドは腹に手を当てるお決まりの礼をし、黄色い歓声に応えている。結構な女性人気じゃないか。僕ら3人はギギギという歯噛みを抑えることが難しくなってきている。


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