話別アクセス数を真剣に見ていないからヘボなのです☆ (下)
前回のメモ
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第1部分:199人 ※1
第2部分:160人 ※2
第3部分:148人 ※3
第4部分:132人
第5部分:116人
第6部分:111人
第7部分:102人
第8部分:96人
第9部分:94人
第10部分:93人
第11部分:91人
第12部分:80人 ※4
第13部分:78人
第14部分:80人
第15部分:75人
第16部分:72人
第17部分:73人
第18部分:74人
第19部分:81人 ※5
第20部分:69人
第21部分:64人
第22部分:61人
第23部分:57人
第24部分:52人
第25部分:48人
第26部分:46人
第27部分:43人
第28部分:42人
第29部分:39人
第30部分:37人
第31部分:41人 ※6
第32部分:39人
第33部分:38人
第34部分:38人
第35部分:39人
第36部分:35人 ※7
第37部分:37人
第38部分:36人
第39部分:34人
第40部分:42人 ※8
第41部分:39人
第42部分:41人
第43部分:36人
第44部分:38人
第45部分:50人 ※9
第46部分:162人※10
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妖精が丁寧に指導していきます。そろそろ細かい説明に入るからです。
えっ? 面倒くさくなってきてダルそうな顔に見えますか? はい、そのとおりです。
「まぁ、ダルいですがやりましょうか。さて、 ※4は、読んでみると分かりますが一区切りの場所だからです。ここから次の話題に行きそうだという部分ですね。なので、区切って見る人たちがここで見るのを止めたのだと思います」
「ここでつまらなくて見るのを止めた人の間違えじゃないのか?」
「全体的に減少率は少なめなので、ちゃんと読めるレベルなのだと思います。なので、読めるけれども『しおり』をはさんで休止したと考えるのが一般的ではないかと」
「でも、面白い小説って一気に読めるだろ? 本当にそう思っていいのか?」
「実はですね。この小説って新規投稿初日には絶対にお気に入り登録が伸びないんですよ。むしろ、初日は減ることもあります」
「つまらないってこと?」
「でも、投稿した4日後に突然10件以上とか平気で伸びる場合も過去にありました」
「え……? どういう意味だ?」
汪真は驚きました。初日は伸びなかったのに、一気に自分の小説と同じくらいお気に入り登録が伸びる奇怪さに混乱しています。
「たぶん、10~15話程度まで1日で読んで、4日後にちょうど読みきって登録するかしないかって流れなのだと思うのですよ。お気に入り登録って続きが読みたいから登録するわけで、となると最終話まで読んだ人が登録するわけですよね。つまり、最終話まで読みきるのが4日後のようなのです。おそらく多くのユーザーは10~15話間隔で読みたいようですね。なので、ちょうど区切りがいい場面だったので、ここで読むのを止めないと区切りが悪くて次が気になるからといった理由で切ったのかもしれません」
「なるほど。話が多くなると1回で読みきる人が少なくなるから、後日にお気に入り登録が上がってくるパターンになるというわけか」
つまり、読みきらない人の中でお気に入り登録した人も分析のうちに入れて考えることを妖精は教えたのでした。
「※5は極端に多いのは、なにかアクシデントが起こっている。こういった場合は検索エンジンに変な引っかり方をした場合が多いですが、今回は違うかもしれませんね」
「じゃあ、何が起きているんだ?」
「読み方の話ですが、わざと中盤から終盤を転々と眺める人もいるのです。ここはアマチュアの場ですから、作品に良し悪しがあるのです。なので、どういう書き方をする人なのかなとリサーチしている感じでしょうか」
「となると、※5はタイトルが『無情:ついに本格的にダンジョンを滅ぼそうとされた件について』でハードに見えるから、バトルシーンはどんなものかと覗きに来た人がいるのか」
「その通りです!」
妖精は汪真の成長を素直に喜びました。この調子で成長していけば、妖精は安心して焼きプリンが食べられるからです。勝手に成長すれば何も労働しないで食べられて幸せになれるからです。最近の妖精は、なんだか面倒くさくて地の文章ですらいろいろと隠さなくなってきました。
「※6は19話と同じだと思います。こちらは内容を見た人は分かりますが題名と内容が非常にマッチしている話です。この小説をどこまで読んだか忘れた人たちが探すためにアクセスしたのかもしれませんね。いきなり初見の人がピンポイントでここを見ようとするとは思えない内容なので、おそらくすでに見たことがある人がアクセスしたのかもしれません。ちなみに、※6から44話までのアクセス数のバラバラ加減も探した形跡の可能性だと思います」
「なるほどな。次の※7は? ここはバラバラだけど特徴があるぞ」
「※7はアクセスが減っていますね。これは一気に読む組の集中力が切れたのだと思います。前の34話、35話がかなり激しい内容なので、そこで集中力を使い切ったのかもしれません」
「じゃあ次は?」
「※8は題名が浮いているので、どこまで読んだか忘れて探している人が余分にアクセスしたのかもしれません」
「あとは何話まで見たっけなとポンポンと話数を飛ばして眺める人もいるかもな。そういったときは、記憶の手がかりになりそうな目のつくタイトルからアクセスするだろうし」
「そう考えると、特に問題は無さそうですよね」
だいたい読み方が分かってきた汪真が今度は自分の考えを述べていきます。
「※9が多いのは、前回のあらすじを見る感覚でさらっと読んだ人がいるんじゃないかな。好きな物語ならしっかりと感情移入したいからね。あとは物語って終わりに向かっていく感覚をなんとなく感じられるよね。だから、最終回になったら連続で複数話を見ようと溜めていた人もいるのかもしれない」
「その通りです! じゃあ、※10はなんでしょうか?」
「※10は最新話だから、すでに最新話以外を読んでいる人が最新話を読んだアクセス数じゃないかな」
「当たりです! じゃあ、問題です。この小説の弱点はアクセス数で見つけられますか?」
汪真はざっと全体を眺めてみました。もちろん、推察でアクセス数を分析しているので断言はできませんが、どうにもこの分析では隙が無い小説に見えてきました。弱点がまったく分かりません。
「う~ん。分からないな」
「なので、ここで交絡因子の※1~※3の分析です」
スプーンを持って、キラッ☆としながら妖精が自慢げに説明します。
「交絡因子の無い4話~46話を基準に全体像を見てみると、序盤は読者が離れていますが、中盤以降は読み手が離れていません。なので、原因があるとしたならば序盤です。オニギリでたとえるなら、最初のひとくちで拒絶反応されなければ、夢中になって食べる人が多い具材ってわけです。いわゆる、この作品は『昆布おにぎり』みたいなものです。好きな人にはたまらなく好きで、苦手な人はもういいよって感じです」
「す、すごい例えだな……」
「この人の前の作品でも言われましたが、文章が重たいタイプの人なのです。なにを言っているか分からない人は、『種なる正義が咲かせるもの』の『1~9話』まで読めば分かります。『あー、これは好き嫌いが分かれる昆布の味だなあ』と気付くと思うのです。癖があるから嫌いな人はもう口すらつけない。食べられる感性の人はそのまま読みきる感じですね」
「そういう風に考えるのか……」
「作者としては小説家になろうで大衆的に人気なものを意識したらしいですよ。オニギリ的には『ツナマヨ』を作ったつもりらしいですけど、結果として序盤は離れていますからツナマヨを作って無かったのです。つまり……『フッ、いつからこれがツナマヨだと錯覚していた?』『なにィ!? こいつァ、昆布だと……!?』状態になっていたと仮定できます」
「なんかすごい混沌としているな……」
「すると、※1~※3って、あらすじで引き込まれて立ち寄ったけど、軽く読んで去っていった人の数なのだと正確な逆算ができるわけなのです。ラベルで『ツナマヨ』って書かれていて、中身が『昆布』だったのです。なので、ラベルの修正か、序盤の1~9話の修正をするべきという訳なのですね」
「他の部分はいいのか?」
「もちろん、減った部分は何であれ原因が潜んでいる可能性があるので最終的には修正すべきであると思います。でも、推論の域ですので精度が悪い。なので、とりあえずはちゃんと分析できる序盤が一番の弱点なのだと思いますよ☆」
汪真は一通りの講義を受けて、ふぅ、と疲れた息を吐きました。
「なんだかいろいろあるんだな」
「もちろんアクセスした個人の問題ですから、これ以外の理由で離れたのもありそうです。とにかく、妖精的には数が減ったならつまらないに決まっているという1択のみの考えは止めて、ほかにも理由はあったんじゃないかといろいろ想像をめぐらせてみるのが話別アクセス数の分析方法なのですよ」
「なんだかオニギリの話をしていたら、食べたくなってきたな。明太子が好きなんだけどな」
「ちなみにこの作家さんは、海老マヨネーズがコスパとして最強だと思っていますよ☆」
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『まっちーの助言⑥』
読み方を考えて、交絡因子を分析しよう。