ドッキリって事前に打ち合わせするもんじゃないの?
今回はだいぶ短いです。
家に着いた俺はさっそく指令書を読み始めた。どれどれ…って全て白紙じゃねぇか!…いやっ、隅っこのほうに小さく何かが書いてあった。
『この指令書は時間経過ごとに文字が浮かびあがるらしいから捨てちゃダメだよ。 by神田』
なんなんだその手の込んだ嫌がらせは!?はやく帰った意味がさっそくなくなったわ。俺は怒りのあまり体がワナワナと震えるが、張本人がここにはいないためこの怒りはどこにもぶつけようがない。
物に八つ当たりするわけにもいかないのでとりあえず明日の用意をすることにした。
考えていることを実行しようとしたその時、突然指令書が光を放った。
相変わらず手が込んでいるなぁ!その技術力生かす方向間違い過ぎだろ。
『どうだぁ?お前は急いで家へと帰ったのにも関わらずすぐに指令書を読めなかった気分はぁ?悔しいだろ?なぁ悔しいだろ?
と、ここからぁ本題へと移らせてもらうがぁ……、特にお前は何もしなくていいわ。お前だっていちいち作戦覚えるのも面倒だろぉ?
ただまぁ、一つの競技が終わるごとにこの指令書を読んどけ。次へのヒントがのってるかもしれない。
以上で終わりだ。何か質問あるかぁ?っていっても答えらんねぇけどぉ。ちなみにこのページはお前が読み終わった3秒後には燃える。』
指令書を読み終わった俺はテーブルの上にそれを適当に投げた。俺が読めたのはこれが書いてあった最初の1ページだけだ。それ以外はまだ文字が浮かびあがっていない。読めない文字に燃える紙って、ガ〇〇ュか!?
そんなファンタジーなことが起きるかよ。
…ボン…ボォーー…
え?起きた!?どうすんのこれ?火事になるんじぇね?とりあえず大元をどうにかしないと。正直言って頭がよく働かないがなんとかするしかない!
俺は慌てており、問題の大元をどうにかしないとと気が動転して指令書に直接手を触れてしまった。
熱っ…くない。そう本来なら火傷するはずであろう俺の手は何事もなかった。指令書の読めなかった次のページの文字が浮かび上がっている。
『どうだぁ驚いただろぉ?この炎は人工的な光だから心配することは何一つない。ほら触っても熱くなかっただろ?これはただ文字が消えるときのエフェクトだから気にするな。(一部を除く)
今日はもう指令がでないから安心して休むがいい。
この指令書は絶対捨てるな。』
その一部がとてつもなく恐ろしい。指令書を捨てたい気持ちが更に強まるが捨てた場合の恐ろしさには敵わないのでとりあえず燃えても大丈夫なところへとおこう。
それにしても部長が言っていたほどおかしな人ではなさそうだな。いつもの部員のほうがよっぽど変わってると思うんだけど。
そうして俺の一日が何事もなく終わ…らなかった。
俺が夜中目を覚ますと辺り一体が火の海へとなっていた。なんだよこの火事は!?親は気づいていないのか?原因は恐らくあの指令書だ。
すぐに俺は金庫の中に入れていた指令書を取り出す。金庫の中なら安全そうだと思ったからだ。ほら、大事なものをよく金庫に入れるじゃん。
『この火事は人工的な光で家中へと仕掛けさせてもらったぁ。原因は指令書じゃない。勘違いされては困る。ちなみに家族の中でお前にだけ見えるように設定してあるから安心しろぉ。
さっさと寝ろよ。』
前言撤回ー!やっぱこいつおかしすぎる。
読んでくださりありがとうございました。