裏切られるときにもいい意味と悪い意味があるよね
更新遅くなりすみません。
そして、翌日の放課後が訪れた。
俺は雪子と一緒に急いで部室へと向かった。向かっている間も自分の話すことをまとめておく。昨日徹夜してまで考えたわりにはよくまとまってはいないが、俺の楽しみというものの方向性がわかったきたので問題はないはず。
考えごとをしていたためか、道中雪子からの歩くスピードが落ちていると指摘はあったが何事もなく部室の前へと着いた。これから試練が待ち受けていると思うとなかなかドアに手をかけられない。
「どうしたんですか静雄さん?さっさと入りますよ。」
そんなこちらの気持ちを無視して雪子は平然とドアを開けた。
中には部長と5、6人の部員がいた。
「それじゃ静雄くん。是非昨日の答えをきかせてくれるかしら?」
「あぁ。俺が楽しいと思うことは人を笑顔にしたときだ…」
そうこれは、時を昨日の夜に遡…
「あっ、そうなんだ。じゃあ各自活動を始めて。」
らないだと!
「こんなんでいいのか!?」
「えぇいいわよ。人の楽しみにどうこう口出しするものでないし、それに部則でもそういう風にいってるじゃない。
うちの部はただでさえ人が少ないのにせっかくの入部を本気で断るわけないじゃない。
来るもの拒まず、去るものは抹殺しろってやつよ!
まぁ、ただ単にあなたが苦悩している姿をみたかっただけよ。」
「あっ、はい…」
もうダメだこの部活…。いまさらだけど辞めたくなってくるな。いや辞めれる選択肢はないんだけど。
活動しろとは言われても何をすればいいのかよくわからないので、とりあえず周りの部員を見て周ることにした。まずは雪子からだ。心の中はともかく体裁的には問題なく行動や発言だからマシであろう。
雪子の方を見てみると学習机で何かを書いている。どれどれ?肩のほうから覗いてみる。書くことに夢中になっている雪子はそれに気づかずに書き続けている。
・正しい人の壊し方…まずは人と良好な関係を築く。そのうちその人が何か人生の壁にぶつかったら無理難題なことを言いながらも褒め続ける。やがて自信を失っていくがそれでも応援を続ける。やがて…
もうこれ以上先を読むのが恐ろしい。正しい人の壊し方って人を壊すのに正しいも間違いもないわ。
「あれ静雄くんもしかしてみたぁ?」
それはまるで脅迫のようであった。はっきり言葉にしてはいないがこれ以上なにか聞いたらどうなるかわかってるよね?という意思がみえる。
「みてない…」
「そうならよかった。」
一旦雪子から離れて他の人のところへ行くことにした。
………うん。他もおかしい人しかいないね。雪子と部長以外の部員がおかしな木像へと祈りを捧げていた。木像は成人の男性ぐらいの大きさで形は合成獣みたいである。この木像の正体が気になる俺は部員の一人に声をかけてみた。
「なぁ、そこの人この木像ってなんなの?」
「それはなぁ…あれだよあれ…えーと…私の口からはこれ以上は言えないとだけ伝えておく。」
ようするによくわからないんだな。まぁはっきり言って興味はないのでこれ以上は追及しないでおこう。宗教なんてもんはけっこう穴があるのが常識みたいなもんだしな。
ひとつ言えることがあるとしたら、他の部員を見てもどんな活動をすればいいかよくわからなかった。俺にあれに混じるなんたことはできないし。
部長いわく、ここにいる以外にもそれなりに部員はいるみたいだし。そういえば部長といえばこれからの活動計画を知っているだろう。計画性があるかは疑問に思うことだが、部として存在するからにはそれなりにはあるだろう。
「部長ひとつ質問いいか?」
「ええいいわよ。どうしたの静雄くん?
私に答えられる範囲ならひとつだけ質問権あげるわ。」
そこはいくらでもだろということにはスルーして、
「この部の活動計画とかってあるか?できれば教えてくれ。」
「あー!ナイス静雄くん。
おーい!新入生のみんなー、いっかい集まって。伝えておかなければいけないことあったわ。」
「っておい!そういう大事そうなのは早めに言っとおけー!」
……新入生が集合するまで沈黙が続いた。俺は少し大声を出し過ぎたみたいだ。他の部員の雰囲気が暗い。表情は覆面をしているためわからないが…
「集まったみたいだね。明日は実力テストがあることはみんなも知ってるよね?」
知らないものはほとんどいないだろう。この実力テストは入試のときの学力と比べてどれだけ差があるか調べるためのテストだと今日担任が言っていたし、学校の学年行事表にものっている。
「それがどうかしたんだ?
別にそう大したものではないも聞いてるんだが…」
「いいえ、そんなことは決してないわ。これからの高校生活を決める重要イベントなのよ。みんなこころしてかかりなさい。」
……その言葉によりすぐ今日の部活動が終わった。
そして俺は適当に試験にのぞんでもいいという期待に裏切られた。
読んでくださりありがとうございました。