プロローグ DOOM
運命は自分で切り拓くものと誰かが言っていた。だけど、実際にそれを実行できるはずはないと俺は長年思っている。
俺は導かれるままに、いや、操られるままに世界の運命を握る戦いに身を投げ出した。
俺にとって人界など未練も思い出も何もない。人界に生まれて育った10年、その間俺は何をしていたか覚えていない。ただ、自分を守るのに必死だった。
その後、俺は普通の人より濃密な時間をとある場所で4年間過ごした。運命だと言われ、ただ従っていた。
そして時間の流れた人界に再び降り立った。何も思い出のない人界は、時間が流れて変化していてもやはり俺には同じものだった。俺にとって他人の世界としか思えない。
なのに俺は十二神たちに言われるがまま命運を背負わされた。彼らに言われるがまま、剣を、槍を、戦斧を、様々な神々の武具を掲げ、時には十二神の力を身に宿し、纏い、ある男とその部下たちと戦った。俺にとって切っても切れない縁を持つ男と斬り結びあい、そして自分の運命を呪った。
すでに呪われいた数奇な運命を、十二神に操られる運命を、やがて受け入れなければならない運命を、すべてを呪った。逃れられないならせめて足掻こうと俺は全てを捨てて旅に出た。
誰を恨むでもない、誰を憎むでもない、誰にも指図されない、仮初めの自由を謳歌するために。
受け入れなければならない俺の最後の時までの人生で唯一の道を歩むために。
"俺は勇者でもなければ英雄にもならない。俺はそんな高尚な人間じゃないし、そんな資格もない"