いいないいな
「人間やめてぇな~。」
とか思っていたら朝起きたらカッパになっていた。
確かに面倒くさい人間関係や仕事に飽き飽きしていたけどカッパになりたいとは思っていない。
何とか人間に戻れないかと考えて2秒で人間よりはマシかと諦めた。
俺はその程度の人間だ。
現状に満足していないけど現状を打破する気力もない。悟ったふりして冷静に俯瞰的に回りを見ている気になっている只の無駄に歳を重ねた中年だ。
さて、カッパになって何をしようか。
パチンコ、競馬、普段はやらないギャンブルでもしてみるか。いやいやカッパは入れないだろ。
何か旨いものでも食べに行こうか。でも何となくキュウリしか食べたくない。
合コン?この見た目じゃ厳しいか。
散髪はドライヤー使われたらアウトだな。
なんだ、カッパって不自由だな。面倒くさい人間関係は無いけど何も出来ねぇや。今日もゲームして寝るか。
「コンコン」
とドアをノックする音がして母親が入ってくるとそこにはカッパの姿をした母親が立っていた。
「なんだ母さんもカッパになったのかい?」
「何言ってんだい。あんた元からカッパだろ。」
そうだった俺はカッパだ人間にはなれない。
「カッパやめてぇな~。」