第二話
「わたしも一緒だよ、それ!」
ミドリ、と名乗る女の子が目をパッチリと開いて言った。
「シュンスケくんとわたしが同じ日に目覚めたって、偶然なのかな?」
「目覚める時間は、なんとなくの予想で決められてたんじゃないの?」
「だったら、みんな同じ時間に目覚めたらいいのに」
「その時間帯がアウツな時間だったら、全滅しちゃうじゃん」
瓦礫に座るミドリは「そっか」と言って、手で庇をつくった。
とにかく暑い。ただ、それだけ。
ちなみに彼女は十九歳。俺と同い年だった。俺たちが保存されてから何年が経過しているかはわからないが、容姿はともに若いままだ。
「ね、なにする?」
ミドリは円を描くようにスキップをしながら訊いてくる。
「なに……って。店もねえし、歩いてても植物と瓦礫しかないぞ」
「じゃあ、カラオケしよっか?」
「カラオケぇ?」
ミドリは、うん、とうなずいて熱唱し始めた。やたらとレトロなメロディラインだ。俺は止める元気もなく、組んだ指に顎を置きながら一曲の終結を待った。
「じゃじゃーん♪ おしまいっ!」
パチパチパチ、といちおう拍手。
「うまかった。でも、俺はいいよ」
「なんでなんで? 歌うたうの楽しいよ?」
「そんな気になれるかよ……」
ミドリはぷくーっと頬を膨らませ、勝手に別の曲を歌い出した。そして、六曲を歌い終わったところで、ミドリがばててカラオケはおしまいになった。




