第七話 クラン
商人と出会うこともなければ、ジョブの商人から売り買いする気もない。
フレンドなんかに持つべきではない存在なのだ。魔物と遭遇するくせに戦えないだと!? 冒険者としては腰抜けではないか。
そこで気になるのが魔法使いと賢者になる。この二つは回復魔法を持っていそうだ。それをたずねると受付嬢は「はい、その通りでございます」と答えた。
ほかの人と組めばどれでも楽しめそうだけど、組んでもらえないときは悩みが増えそうだ。ゲームだからNPCの冒険者も登場するんだろうけどどこまで融通がきくのかわからないしな。
僕は説明を聞きながらかなりの時間、思案をしていたようだ。すると受付嬢の方からまた言葉を頂戴した。
「お悩みのようですね? でもご安心ください。他の冒険者と組むこともできますし、クラン契約というものもございますよ」
「クラン……契約ですか」
彼女の言うことにはだいたい察しがつく。
MMO RPGには冒険者同士が集まる団体がある。その呼び名はチームだったりクランと呼ばれることを僕は知っていた。普段からもゲーマーだからな。
人付き合いが苦手なんだけどな。とりあえずどんなメリットがあるのか聞いておくか。
「その契約は初心者の僕にでもできるの?」
「もちろんでございますよ、冒険者登録を済ませた方であれば誰でもオッケーです」
「契約とおっしゃいましたが入隊とは違うのですか?」
「はい違います。クラン契約とは一定期間を過ぎると自動的に解約が入ります」
「えっ、どういうことですか?」