第三十話 先制
バトルの序盤で先制を取れることは珍しくはない。
運要素がなくてもそういう状況が起こることはある。
だけど『パーストアトラクション』には間違いなくジョブステータに明記されている。
先制は「運」が成したこと。「運」は19あった。
この数値を気にする必要はあるのだろうか。まだ分からない。
通常は「行動の選択」から「攻撃」以外のことも選択するのだろう。
「うむ。戦闘中の行動選択が表示された」
5種類あるのがわかる。できることはこれだけだ。
「攻撃」つづけて攻撃をするのだな。
「道具」アイテムの選択だが、いまは何もないからパスだな。
「盗む」お、そうだよな。盗賊だもんな。当然あるよな。
「逃走」逃げたいときに使うんだな。
「加勢呼び/飛び込み」
加勢を呼ぶのと飛び込むという意味から、加勢はこの状況からPTの誘いを出せるということか。受付さんが言ってたな。魔法使いと一緒なら魔法陣へ逃げ込めるんだろ。バトルエリアから仲間が外れることが許される、その逆もあるということだ。飛び込みは「加勢」の項目にあるから他者のバトルに加勢するときそこへ飛び込めると解釈できる。要するに乱入が可能なのだ。
その話を聞いていた時に沸いていた疑問符があった。
そもそもどうやって高レベルの冒険者とPTを組む状況が生まれるのかと。
他者に応援をよびかける、あるいは他のPTのバトルへ飛び込み乱入するわけか。
いずれにせよ現時点はソロなのでこの選択は「なし」だな。