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第2話『冒険の始まり』

「おー、凄い人だな」


ログイン処理が完成した優真ことユーマの視界が開けると、最初のスポーン地点の街の広場にいた。


「本当に異世界に来たみたいだな」


そこは中世ヨーロッパのような街並みで、たくさんの人が溢れていた。パッと見える範囲にいるのはキャラクタークリエイトの画面で見た武器や防具を着た人なので、ほとんどがプレイヤーのようだ。


「…….ん?」


視界の端に光る『!マーク』が見えたのでユーマは「メニュー」と呟くとステータスの確認や武具の着脱、スキル設定などができるメインメニューが開かれた。


「冒険者の手引き?……チュートリアルか」


プレイヤーに基本的な街の設備などを説明するためのチュートリアルクエストを確認したユーマ。


「紗也がいつ来るかも分からないし、とりあえず進めてみるか……報酬もついてて美味しいクエストになっているみたいだし」


それからユーマはチュートリアルクエストを開始した。

チュートリアルクエストはシンプルな作りで、主要な街の施設のNPCに話しかけていくだけである。報酬にはHP、MPポーションに初級のクラフト素材、換金アイテムなどがあった。




そして、チュートリアルに従って街を一通り周り終わったユーマは、意外な事実に驚いていた。


「スキル選択のレア枠はクラフト系だったとはなぁ……あと俺は見事にハズレばかりを選んでいたかも」


鍛冶屋のイベントでは


「ようこそ、ログスの鍛冶屋へ!」


「ど、どうも……」


チュートリアルクエストの行き先の1つである鍛冶屋に行くと、ガタイの良い、いかにも鍛冶屋!といった風貌のおっさんがユーマを出迎えた。


「見た感じ、最近なったばかりの冒険者だな!ここは見ての通り鍛冶屋だ」


店のカウンター付近には、この鍛冶屋で作られたと思われる武器が並んでおり、奥からはカーン!カーン!と物を作っていると思われる音も聞こえてくる。


「ここでは、素材を持ってきて貰えれば武器や防具を作ってやる!スキルさえ持っていれば、施設は貸してやるから自分で作ることも可能だ」


「ちなみに鍛治スキルはどうやったら取得できますかね?」


「鍛治スキルはある程度鍛えられた冒険者が希望するなら、各街にある鍛冶屋を尋ねれば、教えてもらうことが出来るぞ」


なるほど、と呟いたユーマがあとで習得可能なスキルリストを見ると、鍛治が追加されており習得条件にレベル10と書かれているのを確認したのだ。


「ありがとう!あと、銃も鍛治屋に頼めば作ってくれるのか?」


「銃か……すまんが、銃は普通の鍛治屋では作れんな。銃はガンスミスという特別なクラフターしか作れないから、作るってなると場所は限られるだろうな」


「そうかぁ……しばらくはノーヴィスライフルで過ごすしかないか」


そうユーマが落ち込んでいると


「まだ武器屋には行っていないのか?武器屋には銃も卸されることがあるから、たまにでも確認するといいぞ」


「そうか……ありがとう!」


そしてユーマは次のチュートリアルに向かったのだった。


「武器は当面は更新不可……スキルもスクロールから覚えられるものも少なくて、自前で覚えるしかないと」


スキルスクロールを売っている店には、ユーマが貰ったチャージとロングスコープなどのアクティブスキルも割高ではあるがスクロールで売られており、話を聞くと、武器術は戦っていれば自然に取得しやすいスキルらしい。さらに銃はまだ歴史の浅い武器ということでスキルスクロールやスキルを教えてくれるキャラなども少ないと言う。


「買えたスクロールは『ステップショット』のみ。ただ覚えるのにスキルポイントが必要でレベル上げをしないといけないな」


そう考えたところでユーマは幼馴染の紗也のことを思い出した。


「メッセージは……来てたみたいだな」


外部ツールのメッセージツールと連携したメッセージ機能は、VR機器側でフレンドであればゲーム内ではフレンドでなくともメッセージを送ることが可能なのである。


「『俺は東門にいるぞ』……と」


ログスの街は中央に初期リスポーン位置でもある転移秘石が置いてある広場がある。そこを中心に東西に大きなメインストリートが伸びており、南北に分かれて主要施設が点在している街となっている。


「お待たせ、ユーマ」


そしてユーマが壁によりかかり待っていると、フワフワのショートウェーブを風に揺らしながらトコトコと幼女が走ってきた。


「お前……紗也か?」


「ここではシャヤって呼んで」


杖を背負った幼女はそう言うとムフゥとドヤ顔をする。


「何で幼女キャラに?」


「この体ならテイムモンスターをモフル時に全身で感じれるでしょ?私は新しい、くまごろうを見つけて埋まりたい」


うわぁ……とユーマが引いていると


「そう言うユーマは、すっかり銃中毒者か」


それにやれやれと返すシャヤ。


「ところで銃ってどんな感じなの?」


特殊そうな装備よねと続けると


「このノーヴィスライフルは弾は弾倉2発でマガジンは無し、撃ったら自動でリロードが始まって、15秒で1発リロード……リロードには自分の魔力とかは使わないから実質弾は無限だけど、かなり使いにくそう」


「そうなんだ、ちなみに私は僧侶ビルドよりのテイマーを目指してるわ。初期スキルはテイムと基礎信仰術」


シャヤはノーヴィステイマーシリーズにノーヴィスショートロッドを装備している。

そうお互いの確認をした後にフレンドとパーティーを組んで、東の門からフィールドに繰り出した。




『ログス平原−東』


ログスの街の東側に広く広がる平原で、『プレーンラビット』『プレーンウルフ』など『プレーン』と呼ばれる初心者向けのモンスターがポップする平原である。


「風が気持ち良いなぁ」


門を抜けて少し歩いたところで、広がる1面の草原を見渡して吹いてくる風に目を細めるユーマ。


「ほんと、自然な風みたい。最新のVRエンジンは伊達じゃないということね」


シャヤも腕を伸ばして全身に感じる。


「じゃあ、狩りに行くか」


「あ、私は攻撃はほとんどできないから」


そこんとこよろしくぅ、と軽く言う彼女に呆れながらもユーマはノーヴィスライフルを構えて歩き出した。




「お?プレーンラビット発見」


10mくらい先にピョンピョンと跳ねている兎型のモンスターがいた。体毛の基本色が緑色でところどころ白の差し色が入っている。


「よく狙って…………ここだ!」


ユーマはプレーンラビットが止まった瞬間に、頭に弾丸を撃った。魔力で出来た弾丸は見事にプレーンラビットの頭に突き刺さると頭を吹き飛ばした。


「エフェクトが血だったら、なかなかグロい光景になりそうね」


首から上が吹き飛んで先に光の粒子となり、少しして胴体も粒子となったプレーンラビットを見てシャヤが呟く。


「取得経験値は3……手に入ったアイテムは、『草原兎の皮』『草原兎肉』か」


戦闘終了のリザルト画面をみて、これはレベル上げも長くなりそうだと思うと同時にユーマは


「じゃあ、サクサクと狩っていくとするか」


「はーい、お願いしまーす」


そして2人は次なる獲物を求めて駆け出した。

 ユーマ装備一覧

武器:ノーヴィスライフル(弾倉2発 オートリロード式)

防具:ノーヴィスハンターハット(頭防具非表示)

ノーヴィスハンターアーマー

ノーヴィスハンターアーム

ノーヴィスハンターベルト

ノーヴィスハンターボトム

セット効果:

ノーヴィスハンター・・・セット装備時に遠距離攻撃での

                 クリティカル率+1%


 シャヤ装備一覧

武器:ノーヴィスショートロッド(付属スキル:ヒール)

防具:ノーヴィステイマーフード

ノーヴィステイマーローブ

ノーヴィステイマーグラブ

ノーヴィステイマースカート

ノーヴィステイマーシューズ

セット効果

ノーヴィステイマー・・・セット装備時にMP+10 STR+1

            

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― 新着の感想 ―
[一言] おもろいです!これは伸びる予感…… 僕は1から小説書くのは苦手ですが、誤字報告はうざったるいくらいに送らせてもらいます!
2023/12/26 18:49 退会済み
管理
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