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世界の車窓から

作者: ヌベール

最近動画配信サービスで、妻が「世界の車窓から」を見ているので、私も隣で一緒に見たりしている。

西欧を中心に世界の列車の旅を動画にしたもので、以前テレビで放映されていたものである。

しかしそれがもう何日にも渡って、何時間も続いていて、まだ終わる気配がない。妻は楽しんでいるが、私は何だか飽き飽きしてきた。

最初のうちはこういう番組は何時間見ても飽きないなあと思っていたし、こんなところに1人でぽつんと旅できたらさぞかし感動するだろうなどと思ったが、西欧の建物は何だか似たようなものが多く、情緒を感じるのはせいぜい2、3時間がいいところで、それ以上過ぎると、もっと違う美しい風景が見たいと思うようになった。

それはどこか。

それは、私の場合、日本の風景であった。

日本の古い街並み、美しい自然、そうしたものが恋しくなる。

西欧の風景も確かに美しいものが多く、街も情緒豊かなところがたくさんあるのだが、この歳になると、まず石造りの街がさほどいいと思われなくなった。

おまけに西欧の自然は乾いた大地が多く、日本の鮮やかな緑や美しい水が恋しくなる。

時々温泉地なども出てくるが、日本の温泉地の趣に比べたらとてもとても敵わない。

何というのだろう。

歳と、時代のせいだろう。もう夢が感じられないのである。

もちろん、だからといってこれらの風景に価値がないと言っているのではない。

ただ、日本の風景が、若い頃よりも遥かに好きになったということが言いたいのだ。

まあ、しかしこれは自然なことなのかもしれない。

人間、歳を重ねるとこんなものだろう。

いいのか悪いのか。

実はちょっと寂しいのであった。

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