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その手で掴んだものは?

「それでさっき卒業式が終わってクラス分けの前に様子を見に来て、今に至るというわけなの。」


美花が話し終わると同時に放送のベルが鳴る。


ピーンポーンパーンポーン♪


「これから中庭で新入生のクラス発表を行います。新入生は中にはに集まり他の物は教室に戻り先生の指示に従ってください。」


ピーンポーンパーンポーン♪


と、まるで読み聞かせをするような聞いていて落ち着くような声の放送が流れた。


「ほらほら、そこの女子二人は早く中庭に行きなさい。君はどうする?病院に行っとく?」


保健室の先生が椅子を回し祐介の方を向きそういう。

美花と冴子は祐介がどうこたえるかを待つように顔を見ていた。

祐介は立ち上がり手首を回してみたり体を軽くひねったり、その場でジャンプしてみたりと体を軽く動かした。


「いえ、特に問題に見たいなので大丈夫です!」


「そう、なら早く行きなよ。」


先生は指を中に向けた。

3人が中庭を見るとすでに多くの新入生が中に集まっていた。


「やっば、早くいかないと。先生ありがとうございました!」


祐介は先生に頭を下げる。

先生は立ち上がり祐介の元に近づき美花と冴子に聞こえない声で祐介に言う。


「お礼を言うのは私じゃなくてそっちの二人にしなさいよね。そして、選ぶならどちらか一人だからね。」


「なっ、何を!///」


祐介は突然の一言に顔を赤くしながら先生、そして2人の顔を見た。

先生の顔はウインクをして自分の席に戻り、2人は急に顔を赤くした祐介を不思議に思いながら見ていた。


「し、失礼します!」


祐介は待っていた2人より先に保健室を飛び出した。

いきなり走ったものだから2人も止めることもできなかった。

それを追いかけるように2人も急いで保健室を後にした。


「「失礼します!」


扉の前で頭を下げ保健室の外に出て扉を閉めると祐介の後を追った。

しかし、保健室を出て目の前の壁に


ー廊下は走らないー


と一枚の張り紙が張ってあり2人は走らずされども速く祐介の後を追った。


「急に走り出して言ったいったいどうしたんだろ?」


「さあね。でも、あの様子を見るからに確かに体に問題はないようで何よりだ。」


外に続くドアに付くと祐介が2人を待っていた。


「まったく、いきなり飛び出すなんていったいどうしたの?」


美花が少し心配した様子で祐介に尋ねると祐介の頭に先生が言った言葉が頭によぎる。

そして、また顔が赤くなり今度は2人に赤くなったことがばれない様に背中を向けた。


「いやー、なんというか。そのー、えーと。」


なんて言えばいいのか祐介が頭を悩ましながら自分の靴を手探りで探した。


むにゅ


祐介の手は靴とは全く触感が違ってまるでマシュマロのような柔らかいものをつかんだ。

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