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祝いは友人のため?自分のため?

美花は祐介と付き合ってすぐに同じ祐介が好きな冴子と放課後の教室で2人だけ肩を並べながら椅子に座っていた。

「告白したんでしょ?」と冴子に聞かれた美花はどう答えればいいのかわからずうつむいている。


「そうだけ、ど。」


 その声は小さく冴子から見た美花は普段よりも小さく見えた。


「そう身構えないでよ。別に攻めるつもりは無いよ。むしろ」


 冴子は席を立ち美花の前に回る。


「祝いたいんだよ。」


 冴子は満面の笑みで美花の手を取りながら言う。


「美花は、私も祐介が好きなのを知っていたのに祐介に告白をした。そして間もなく私が来て申訳がないとか合わせる顔がないって思ってるんでしょ?」


『ッ、』


 冴子はうつむいている美花の顔をしゃがみ覗き込む。

 図星を付かれた美花はさらに顔をうつむける。


「確かに先を越されたのは悔しいよ。でもこうなったのは私のせいでもあるからしょうがないと思ってる。」


 冴子は顔を合わせるのをあきらめ立ち上がり一人教室を歩き始めた。


「昨日、私が美花に祐介のことが好きで、明日つまり今日告白するって言わなければなってなかったかもしれないからね。悪魔で今のは仮説にすぎない。先を越されたのならそれはしょうがない。だから、私は友人として美花を祝いたいんだよ。」


『怒ってないの?』


「うん、怒ってないよ。本当に祝いに来ただけなんだ。」


 冴子が黒板の前に通りかかると、教室後方のドアが開き勢いよく人が入ってきた。


「美花、遅くなってごめん!!」


 祐介が走りながら美花の元に駆け寄る。


「ごめん冴子さん。先生別の学校で会議みたいでもういなかったよ。教えてくれてありがと。それと、美花を見ててくれて。」


『それじゃあ、私はもう行くね。2人の邪魔にならないうちに。それじゃあ、また明日。』


 そう言って冴子は教室を後にする。


「冴子さんには言ったんだ。付き合ったこと。」


『う、うん。』


「そっか。美花、俺たちも帰ろう。立てる?」


『うん、大丈夫。』


 美花は祐介の手を借りながら立ち上がり2人は家へと歩き出した。


 武道館近くの木の下で冴子ともう一人が誰にも見られないようにひっそりと話し合っている。


「ありがとう、怜美さん。君のおかげだよ。」


 冴子は目の前に立つ怜美の頭を撫でる。


「い、いえ。あなたの為なら、これくらい。」


 ーうそうそ、今あたし頭撫でられてる?あの剣崎さんに!?あの剣崎さんに!!?

 ッハァー--!!!最&高!ああ、剣崎様、あなたこそ至高のー


『あれ?そこにいるの剣崎さん?』


 怜美が喜びに浸っていると2人ではない誰かがこちらに気が付いた。


「なにやってるの、そこで。それに一人で。」


 その人には怜美の姿が木の陰に隠れて見えてはいなかった。

 冴子はゆっくり声のする方に頭を向ける。


「いや、かわいい猫がいてね。見ていたんだよ。」


『本当!?私も見たい!』


 そう言って彼女は冴子と怜美の元に寄ってくる。


「ごめん、もういなくなったんだよ。ほら、もうここから離れよう。」


『え~私も見たかったな~。』


 寄ってくる彼女の背中を押しながら冴子は後ろに手を振る。

 彼女に見られないように怜美に向かって。

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