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転校生はテンションアゲアゲ?

デパートの一件から時は過ぎ月曜日の朝を迎えた。


祐介はいつも通りの道を通って学校へと向かう。


美花の家に行って一緒に登校しようと思ったが美花はすでに一人で学校に向かっていた。


祐介は美花が一人で登校したと聞くと小走りで学校へと足を速めた。


登校途中で気になったのは猫と一緒にいた少女が使っていた段ボールが片付けられていた。


祐介が学校について教室に行くと美花は自分の席に座って本を読んでいた。


教室にはまだ3~4人程度の生徒しかまだ登校していなかった。


美花の横顔を見ると特におかしなところ特には見当たらなかった。


祐介も教室に入り美花に話しかける。




「おはよう、美花。何の本読んでるの?」




祐介はデパートのことについては触れなかった。


もし、祐介の一言で美花が不快な思いをしてほしくなかったからいつも通りに話しかけた。




「おはよう、祐介。」




美花が本を閉じ祐介に顔を向けると美花の目から涙が一つ流れた。




「美花、大丈夫なの!?」




祐介が何に慌てているのか美花はすぐにはわからなかった。


涙が頬を伝り手で涙を拭うと美花は察した。




「ああ、ごめんなさい。ただ、この話に出てくる女性のことを思ったら涙が出ただけだから。気にしないで。」




『そ、そっか~。ならよかった。それで、どんな話なの?』




「それはね、・・・やっぱりやめた。」




美花は本の内容を言おうとしたが少し上を向いて考えクスっと笑っていった。




「え、なんで?教えてよ。」




『だ~め。そんなに知りたいなら、はい。』




美花は先ほどまで読んでいた本を祐介の前に差し出した。




「貸してあげるから読んでみて。私が言うのと実際に読むのとじゃ伝えたいことが違うの。だから、実際に読んで作者が伝えたいことを知ってほしいの。返すのはいつでもいいから。読んだら得するから。」




『美花のお墨付きなら読んでみるよ。ありがたく読ませてもらうね。』




祐介は美花から本を片手で受け取ると荷物を置くために自分の席に向かう。


祐介が席に着くと担任の先生が教室に入ってきた。




「みんな席に着けー。」




先生がそう言ってから30秒ほどで教室の生徒がみんな席に着いた。




「えー、入学してまだ間もないが転校生を紹介します。まだ、みんなもまだ入学したてなんだか・・・」




『ちょっと~いつまで待たせるんですか、先生♪』




教室の外から待ちくたびれた転入生が教室の中にいる先生に向かって声を出した。


そして扉を開けて入ってきたのはブレザーの代わりにセーターを着て金髪でポニーテールの女子生徒が意気揚々と教室に入ってきた。




「ちょっと、さっき話した通りにって言っただろ。」




『あ~もう、わかったよ。ごめんて、先生♪』




彼女は教室に入ってくると先生が立つ教卓の上で頬杖を付いた。




「とりあえず自己紹介をして。」




『は~い♪』




彼女はカバンを持った手を後ろに回して教室に座る生徒の方を向いて自己紹介をした。




「やっほ~♪みんな初めまして、あたしは紗百合、立花 紗百合たちばな さゆり、みんな好きに呼んでくれていいからね~♪これからよろしく~♪」




紗百合は教室の生徒全員に軽く手を振って笑う。


そんな紗百合の自己紹介を聞いて教室はざわついていた。


悪く思う者もいればよく思う者もいた。


そして中にはいかがわしい目で見る者もいた。




「それじゃあ、席は狩野の隣に座ってくれ。」




『は~い♪』




「それじゃあ静かに授業受けるんだぞ。」




紗百合の紹介が終わると先生は教室を後にして去って行った。


紗百合は祐介の隣の席に向かうため生徒の間を歩いていくと突然教室の男子生徒から腕を掴まれ紗百合は止まった。




「なに、あたしに何か用?」




『なあ、今日放課後俺と遊びに行こうぜ。」




そう言われ紗百合は腕を掴んだ男子生徒の顔をじっと見つめる。


男子生徒もずっと目が合ってにやける。


そして紗百合はにっこり笑うと




「う~ん、あんたタイプじゃないから無理♪」




男子生徒の手を振りほどき指定された自分の席へと向かう。


振られた男子生徒は豆鉄砲をくらった鳩のような顔で呆然としていた。


そんな様子を見て教室の何人かは密かに笑った。




「ふ~ん、あんたが狩野君ねえ~。・・・よろしく♪」




紗百合は席に座る前に祐介の事を見つめる。




『こちらこそよろしく。』




紗百合はその日のうちに一部の女子たちの人気者になった。


人前で堂々とした姿、明るい性格が彼女を人気者にさせた。


お昼休みになりみんながご飯を食べているとき祐介はお昼前の授業の片づけを手伝っていた。




「狩野君、手伝ってくれてありがとね。後は先生がやっておくからお昼食べてきなさい。」




『わかりました。失礼します。』




祐介は急ぎ足で教室に向かっている途中で廊下に何か落ちているのを見つけた。


なんだろうと思いながら拾うとそれは聖天高校の学生証だった。


誰のかを確認するために祐介は学生証を開く。




「えーと、あ、同じクラスの人だ。それにしても、この顔の人同じクラスにいたかな?」




祐介は名前は覚えてはいなかったが同じ教室の生徒の顔は覚えていた。


それでも同じ教室の生徒なのに初めて見る顔の写真が学生証にはあった。




「え!?これってどういうこと?」




名前の欄を見た祐介は目を疑った。


名前の欄には立花紗百合とあったが写真には黒髪でボブの丸眼鏡をかけた真面目そうな顔の写真があった。





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