表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/4

2、図書館での出会い

 しばらくして、落ち着いた日々が戻ってきた。最初の頃、ブライズは婚約破棄のことがあったので腫れ物に触るような扱いを受けていたが、今となってはバーナードとアシュリーはお似合いの二人だと言われるようなっていた。

 

 ブライズは幼い頃から絵を描くことが好きで、絵の出来映えもプロのようだった。そこで、バーナードとアシュリーの肖像画を描いて婚約祝いのプレゼントにした。

「おめでとう、アシュリー。良かったらこの絵をもらって下さいますか?」

「素敵な肖像画ですわ。お姉様、ありがとうございます。ロールズ家に飾って頂きますわ」


 ブライズとアシュリーは、相変わらず仲が良かった。

「お姉様も、すてきな男性と巡り会えると良いのですけれど」

「私は本を読んだり、絵を描いていれば満足ですから」

 そう言って、ブライズは図書館へ出かけて行った。


「あら、鳥の本がないわ。森の本も」

 ブライズは受付に聞きに行った。

「そちらの本でしたら、あちらの方が借りていらっしゃいますよ」

「ありがとうございます」

 ブライズは本を借りた主の方を見た。

 髪はボサボサで、頭をかきながら色々な本を読んで何かメモをしている。


「変わった方がいらっしゃるのね。まあ、人のことは言えませんけど」

 ブライズは神話の本を手に取り、読み始めた。

 しばらくすると、先ほど本を読んでいた青年に声をかけられた。

「あの、受付でこちらの鳥の本と森の本を読みたがっていたと伺ったのですが」

「あら、わざわざ持ってきてくださったのですか? ありがとうございます」


 ブライズが顔を上げると、青年は笑顔になった。

「その神話集は面白いですよね、ブライズ様」

「ええ、興味深いですわ。ところで何故、私の名前をご存じなのですか?」

「私はデリック・ロールズ。バーナード・ロールズの弟です」

「失礼致しました」


 ブライズが頭を下げると、デリックは恐縮した。

「いいえ、頭を上げてください、ブライズ様」

 デリックは頭をかきながら、気まずそうに言った。

「先日のパーティーもテラスで空を見ている内に終わっておりまして、ご挨拶も出来ず申し訳ありませんでした」

「あら、そうでしたの」


 ブライズは本を受け取り、空いている席に着いた。

 それを見届けて、デリックは自分の席に戻っていった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ