エンジニア。赤い耳のブラックスミス。(1)
『聞いた?今度新しく赴任するエンジニア様。』
『あ、あの赤い耳のブラックスミス様?』
『本当に耳赤色なのかな。』
『ただのあだ名じゃない? 本当にそうだったらすごく面白そう。』
今日の宮廷では朝からメイドたちの話で賑やかだ。 今日は新しいエンジニアが赴任する日だったからだ。
エンジニア。国で最も偉大な化学者、発明家、数学者、天文学者の1人に与えられる偉大な異名。
彼らは新しい、それに劣らない、さらに偉大な発見者が現れるまで、国の科学に関する重大な業務を任されている。
庭掃除をするふりをしながら彼女たちの話に耳を傾けていた。
『バターさん』
『はいっ』
『朝からおサボリですか。』
急に私を呼んだのはメイド長だった。丸々とした体つきには印象の良い表情の浮かぶシスター。
若い頃は美しかっただろう。
『大変申し訳ございません。』
『仕事を誠実に。』
『はい。ミスマーガレット』
『そしてひとつ。』
『何ですか?』
私は緊張しながら上司の次の言葉を待つ。
『庭の掃除が終わったら、昼の準備時間、あなたの代わりを入れてありますので、私の部屋に来てく下さい。』
『どうしたのですか、ミス?』
『すべき話がありますから。いや、今すぐ掃除用具の整理に入ってください。』
『畏まりました。』
今までやってきたおサボりが晴れて、罰でも下げようとしているのか。 わたしは緊張したまま、掃除用具に戻る。
通りすがりに、さっき話をしていたメイド達と出会い、慌てて目礼をし、行く道に入る私。
そうして通り過ぎるよう、しかし彼女たちのおしゃべりが私の耳に入ってきた.
『そういえば、今回彼の専属メイドは誰になるだろう。』
『私にやらせてほしいわ。仕事は半分、給料は2倍は上がるということが…。 こんな安月給生活には 飽きていたところだわ。』
『バカ。二日前に皿をいくつか割った子をよくも進級させてやるものか。』
『それは事故だったわ。 私の評価には何の影響も与えない。』
『よくそんな声が出るよね』
『それより...あの青い髪の子。口数が少ないよね?僕たちともよく親しくしないし』
『バターさんのこと?目を隠すその髪方が少し陰気に見える。』
『あなた達その噂知らない? あの子の目について』
『何?』
『両目の色が違うんだって。以前彼女に作業をかけた貴族がびっくりしたんだって。一方が明らかに悪魔の目だと、二度と自分の前に連れてくるなといわれた。』
『お貴族誰?』
『ランフォード伯爵』
『その獣とも関係をもつという汚れた噂の乱れた貴族じゃない。その人がびっくりするほどなら話は明らかだよね。』
『そんな子がどうして宮廷に残れたの?』
『私にも分からない。きっと悪魔の力でも使ってたわ。』
『アハハペッパー。 言葉使いが酷い。 あの子も聞いているはずだよ。 本当面白いね。』
今日は本当に不幸な日だわ。
『彼の専属メイドになってください。』
『え?』
メイド長マーガレットの部屋。突然の知らせに私は呆気とられた。
彼なら、噂の赤い耳のブラックスミス。 エンジニアを指すものだった。
『国王陛下から直接下された命令です。』
マーガレットは引き出しから書類を1つ取り出してくる. 上質の羊皮紙に書かれている文章 そして、その書類の最後に写っているのは、私の知る限りでは、それは明らかにこの国の名前が書かれた赤色の署名。
王家の印だった。
『陛下が、いったいどの理由で私に』
『私も詳しくはよく分かりません。しかし、今回国王様はバター。あなたに大きな期待を寄せていらっしゃるのは間違いないでしょう。 ただ...』
彼女は何かを話すかどうか、難色を示してしばらく思案し、そばの水を一杯飲み、ひそかに話のボリュームを下げて話し始める。
『今回のエンジニアは相当な問題児だという噂があります。年が一番若いので。』
『あ...?』
『知識はこの国を左右するほど高いかもしれないが、彼、いや彼女はまだ心が幼い。まるで新しく作り上げた羊皮紙のように、彼女に暖かい愛を送ってくれれば温かく、そして冷たい経験をしてあげたらそうなるでしょう。』
『それが私が選ばれたという理由とは関係がないように思えます。』
『もう一つあります。 彼女の異名に対して、聞いたことはございますか。』
『「赤耳のブラックスミス」。 のことですか。』
『はい。それです。「赤い耳のブラックスミス」。 あなたは少し特別な目を持っていると言われてますよね?』
『……』
『あー、機嫌を悪くしたようです。まあ、私が思うには慎重にも、そういうことです。似た者同士もう少し親密になりやすいという国王陛下の思いがあるようです。』
『陛下の御命令でしたら。』
『昼食後、彼女と内密に懇談会を持つ予定があります。緊密に私についてきてください。』
『はい、ミス』