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Kill Stage キル・ステージ  作者: 仁門創司
1章
7/8

7.目覚め

12/6修正・構成変更。


あの日。

キャラクターカスタマイズで何気なくジョブをサポートにした。

サポートは防御型で、メイン武器は銃火器が弾数の多いマシンガン。

近接武器はナックルにし、近接スキルにアビリティを適当にセット。

ガジェットは補給パックにミサイル、吸着爆弾を積んで出撃した。


「サポートってなんだよ。とりあえずマシンガン使えるからやってみるか」


過去作と違いジョブが存在するため、何をなすのか良く分かってなかった。

サポートが装備出来るマシンガンはメディックのサブマシンガンより弾数が多い。


出撃し、戦闘に入った。

適当にマシンガンをぶっ放す。


"援護射撃"と表示されスコアが増えた。


味方と同じ敵を攻撃すれば援護射撃扱いになるのだが、

他のジョブの場合は攻撃の精度が良い所為か、ほぼ確実に当てなければ効果は薄い。

だが、サポートのマシンガンは弾がばらける事もあってか、

決定打にならずともその支援効果は大きかった。


「弾をくれ!」


付近の味方から補給要請が入る。

適当に補給パックを投げつけた。


「ありがとう!」


"補給支援"としてスコアが増えた。


メディックの時は逃げながら自分を回復するだけで精いっぱいで、

味方の状況を見ながら回復パックを投げるのは難しかった。

だがサポートは違った。

味方のやや後方から弾数の多いマシンガンをばら撒きつつ、補給パックを適当に投げ付ける。


"援護射撃" "補給支援"と、どんどんスコアが入る。


「何か知らんがスコアが上がってきたぞ」


そこに接近してくる敵プレイヤー。

近接武器のナックルで格闘に入る。

キャラのアビリティで格闘とホールドを装備していた。


シグトは向かってきた敵を適当に殴りつつ、掴んだ。


「あ、掴めた」


"敵を長時間ホールド"としてまたスコアが増える。


だがどうしていいのかわからず、しばらく掴んでいたところ、

敵プレイヤーが反撃しすぐ腕を解かれてしまった。

しかしこちらの防御力が高いので大した事にはならかった。


「ホールドって敵掴めるのか」


正確にはどのジョブでもモーションが自由なので掴む事は可能なのだが、

サポートやファイターの持つスキルのホールドは敵を掴んでも解かれにくいと言う状況に出来る。

先ほどはシグトが良く分からず解いてしまっただけだ。



味方を支援しつつ、一旦引く。

近くのメディックから回復を受ける。


「ありがとう!」


自分でボイスチャットで喋らなくても自キャラが自動で返してくれるのだが、

更に手動でお礼も送る事も出来る。


他の敵も大勢いるので味方に任せながら距離を保ちつつ、

ガジェットのミサイルを装備する。


「ロックしないと撃てないのは前作までと同じだな」


敵をロックしたいが、当然敵は動く。

ロックされてる側には警告が出る。

当然逃げられるか障害物に隠れられる。

だが、大人数戦。

全員が同じ行動を取れる訳もなく、適当な敵をロックし発射した。


たまたま敵が纏まっているところにミサイルが誤爆し、

"マルチヒット"でスコアがアップ。

爆風で複数の敵プレイヤーにヒットしスコアが入ったのだ。


しかし、爆炎を潜り抜けてきた敵が二人、接近戦を挑んでくる。

アサルトかファイターだろう。


「モーションは思った通りに出来るんだ!」


シグトはダッシュして敵プレイヤー片割れの脚にタックルするように掴んだ。

もう片方の敵は接近戦で攻撃をしてくるところであったが、


「ナイス!」


近くの味方がホールドしている敵に銃弾を浴びせる。

"味方攻撃補助"としてスコアが入った。


更にシグトはもう一人の敵プレイヤーに吸着爆弾をセットした。

爆風はフレンドリーファイアにはならないが、

自分にはダメージを食らうので離れないとまずい。


速攻で離れようとするも、敵達は接近戦を仕掛けてくる。

調子に乗って更に他の敵プレイヤーも近づいてきた。

味方も応戦しに近づいたところをシグトはどさくさに紛れてその場から逃げた。


そしてリモコン式である爆弾のスイッチを押すと、

ドガァーン!と爆発した。


"マルチキルボーナス"でスコアが大きく上がる。

味方の攻撃支援もあってか、敵に大ダメージを与え複数の敵を撃破した。

更に同時に攻撃していた味方にも支援スコアも入り大活躍である。


「殺ったぜ!」


シグトは調子に乗ってきた。

しかし、他の敵も倒されたところで、

デスが確定する前の敵死体を蘇生をしに敵メディック達が近づく。


蘇生中には隙が出来るものだ。

メディックをやっていた時によくそこを狙われた。

シグトは見逃しはしなかった。


蘇生行為中である敵メディックの周辺に、

手持ちの残った吸着爆弾を投げつけて敵をミサイルでロックオン。

ロック中は隙が出来るが味方がカバーしてくれていた。

死んでいた敵プレイヤーが蘇生されたところでミサイル発射。


ドガガアァーーン!!と、

付近の吸着爆弾を含んで大爆発を起こし、

蘇生後の完全回復前の状態の敵、及び敵メディックごと爆殺。

ついでに通りがかった付近の敵にも大ダメージを与えた。


"マルチキル" "マルチヒット" "爆発威力アップ"でまたスコアが跳ね上がる。


「今日は調子が良いぞ~」


思考操作もいつの間にやら慣れた上、大人数での戦術的な動きも分かってきた。

味方を支援しつつ、敵もそれなりに倒せてる。

こんな事は初めてだ。



──そしてラウンド終了後。



戦績画面が表示される。

まずは自軍活躍のスコアトップ5人。

次に敵軍活躍のスコアトップ5人。

プレイヤー名と使用キャラが大きく表示される。


そして、次に両軍合わせた個人で何らかの活躍をしたプレイヤー5人が表示された。


"支援行為トップ 時雨シグト"

そこに初めて彼の名前が表示された瞬間である。



「マジか!」


シグトは自軍ベスト5にこそ入らなかったが、

サポートでの支援行為トップとして表示された。

ついに活躍出来た上に認められたのだ。

感動的である。


最後に全プレイヤー100人のスコアが表示された。

今までの彼のスコア平均は100人中90位程度の下位であったが、何と今回は12位だった。

過去最高だ。



「今日は本当に調子が良かった!」


調子が良い事がこのままずっと続く事になるとは知る由もなかった。

だが、まだこの時点では"ひでえ殺し方をする奴"とは呼ばれるまでではない。



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