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Kill Stage キル・ステージ  作者: 仁門創司
1章
2/8

2.新たなるVR

誤字、脱字が多くて修正してます。

12/6構成等も変更。


この物語のメインとなるゲーム、「アームド・ウォリアー」シリーズ(以下AW)については、

新型VRゲーム機と同時発売となった最新作である。

シリーズ初期からプレイしていたシグトが新型VR本体ごと初めて買ったゲームソフトは、

もちろんこの「AWΣ 」こと「アームド・ウォリアー Σ(シグマ)」であった。



初めての新型VRによるプレイは衝撃だった。

旧VRの様な、大きな有線ゴーグルを付けて右を向けばVR内の画面も右に、

左や上を向けば、その通りに画面内が動くと言うものではなく、

フルダイブではないが、それを目指して作られた過去のVRとは違う存在の次世代型VRゲーム機だ。


煩わしいコードは無く、ゲーム機からは中継ユニットを介し、ゴーグルに情報が送られてくる。

VRゴーグルはアイマスク程度の薄型のもので、寝ても付けられる。

ゴーグルからは脳波を利用し、VR内のキャラクターを思考で操作してプレイする事になるのだ。


コントローラーを使わない脳波による思考操作と言う事で、

キャラクターのモーションはプレイヤーが思ったまま動かす事が出来るが、

しかしながら、未だ映像はそのまま肉眼で見るものであった。

だが視界は広く、画質ももちろん初期のVRと違い高画質である。


残念ながらSF設定に良くあるフルダイブ型の現実の身体が眠りに付いた様になり、

夢が現実になったかの様に電脳空間を体験するものとは違うが、

この新VRは現実に身体がそのままでも、

VR世界にもう一つ身体がある事を錯覚する事で、新たなVR体験を感じられるものである。



新技術となる新型VRはPCでは先に存在していたが、

家庭用ゲーム機では初の新型VRを使用したゲーム機と言う事もあってか、

シグト自身はこの新型VRは初めての体験となった。


PCで新型VRを先に経験した者からは、

「今までのVRと全然違う。未経験者はさっさとやるべき」との声が上がるばかり。


旧VR者には思考で操作するだけで旧型とあまり変わらないだろうとの意見を持つものもいたが、

VRも一般化している時代でもあるので、当然思考操作に大いに興味を持つものも大勢いた。

だが、PC版VRは高価の為、一般普及のVRで事足りると考える人間も多く、まだ様子見が多かった。


それを新型VRの一般浸透と普及を考慮され、家庭用ゲーム機で安価で発売されたのだ。

次世代VR時代の到来である。


当然、爆発的に売れた。

昔だったら転売屋が群がって大惨事であったろうが、

法律で定められた"発売後一年以内の商品は定価を越して販売してはならない"と言う法に則り、

この手の人気商品に手を出す者はかなり減った。



そして、新型VRを開封して電源等をセットしての初起動。

最初のセッティングであるチュートリアルにて、

『まずは視点を動かしてみましょう』と表示された。


画面内を右を向こうと思えば右に視点が動き、左を向こうと思えば左に。

上を見ようと思えば上を向いた。


『次に三人称視点になります。アバターを動かしてみましょう』と指示された。

視点が遠退きアバターの後ろから見る形となった。


右腕を上げようと思うとアバターの右腕が上がった。

前に歩こうと思うと前に歩いた。

走ろうと思うと走った。



再び一人称視点に戻る。

VR内に自分がいる。現実にも自分がいる。

まるで自分が二人存在しているようだ。

新型VRはそんな感覚でプレイするVRであった。


シグトは、リアルとVRに身体が二つあると言う状況に戸惑いと感動をしつつ、

新型VRのチュートリアルを終えた後、楽しみにしていた「AWΣ 」を始めた。


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