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Kill Stage キル・ステージ  作者: 仁門創司
0話
1/8

1.彼は弱かった

小説を書いたのは三作目で初の連載になります。

勢いで書いたら長くなったので連載にしてみました。

その為、誤字、脱字、物足りないところが多くて修正してます。

12/6構成等も変更。採点とブックマークしてくれた方々ありがとうございます!


「ウェアハハアハハハァーー!!!」


心の奥底から楽しそうに叫びに近い笑い声が周囲に響く。

それを見た他のプレイヤーからは半笑いしつつ戦慄し、観戦者から歓声が届く。


「ひでえ殺し方をしやがるw」


プレイヤー名、時雨シグト(ときさめしぐと)。

eスポーツも盛んになったこの時代、注目を集めているプレイヤーの一人だ。



半年前の話。

このゲームを始めた頃はただの初心者であり、

敵を倒す事もままならない程の下手くそでもあり、

雑魚狩りの中級者に狩られるだけの存在であった。


だが、プレイして3ヵ月程たったある日に目覚める事となる。

どんなゲームのプレイヤーでも良くある事だ。

突然、勝てるコツがわかった。

ただそれだけだ。



彼のプレイしているゲームは新型VRゲーム最新作「アームド・ウォリアー Σ(シグマ)」。

50vs50の100人で戦うリスポーンありの大人数対戦ゲームだ。

ルールは先に敵の戦力ゲージを減らした方が勝ちのデスマッチ。

制限時間内に拠点を奪いつつ互いに倒し合うコンクエスト。

最後の一人まで戦い抜くサバイバル等いくつかある。

戦闘は格闘から銃撃戦の他、様々なガジェットを使用して戦うSF戦争ものである。



キャラクターの武装や見た目を好きなようにカスタマイズし、独自のキャラクターで遊ぶ事が可能だ。

キャラの見た目や世界観は基本的にミリタリー+SF的なスーツやアーマーだが、

強引にパーツを組み合わせてファンタジー風にも出来る。

また、ストーリーでは敵側のデザインである、人型ではあるがモンスター系にも可能。


当然、ゲームのプレイ進行状況によって使用出来るパーツも増える。

ランクアップやトロフィーの獲得等、

条件を満たせば様々な見た目のパーツを獲得しカスタマイズ出来る幅も増えるのだ。




シグトがしがない雑魚プレイヤーから今の彼になったのはきっかけがあった。

最初は勝てないあまりにネットで見た情報を鵜呑みにし、

ほぼゲーム開始から所持しているものや買えるも物である、


"初心者ならこれを使っとけ!"と言う装備でプレイしていた。


初心者に扱いやすい武器や装備の数々。

それは初心者にとっては良いのかも知れない。


でも、使ってみると本当に使いやすいのか?

他の尖った装備は使った事があるのか?

ない。

ないならわからない。


彼はその初心者装備ををやめた。

何故ならいくらやっても勝てないからだ。



50vs50による対戦。

固定チームではなく、ランダムで集められた100人が50人同士で戦い合う。

皆が上手い訳ではない。

実質、上位20人くらいの頑張りでチーム自体は勝つだろう。

でも本人は敵に倒されてばかりではチームにとってはお荷物であろう。


初心者から抜けなければいけない。

しかし、初心者用の装備では勝てなかった。

彼はなぜ勝てないのか分からなかっただけだ。

彼はある日、テンプレートの初心者装備とジョブをやめたのだ。



大人数の対戦ゲームなら良くある事だが、

まともに敵を倒せないプレイヤーはいつも狩られてばかりだ。

狩られない為にはとにかく逃げ、自分よりうまい味方に守って貰うか

それらをサポートしながら味方に付いていけばいい。


だが初心者や下手なプレイヤーはそれすらせずに特攻をする。

残念だがどのゲームにも一定以上いるのだが、

学習能力が無かったり、つい癖で敵陣に突っ込んでしまうと言うプレイヤーは多い。


シグトの初期の戦績は1ゲーム約30分間に1~3キル程度に20以上のデスと言う、

極めて下位ランクの弱小プレイヤーそのものであった。



彼はこのシリーズ初期からのプレイヤーではあるが、

この最新作である新型VR機での「アームド・ウォリアー Σ(シグマ)」ではとても弱かった。


開始当初はシリーズを通しての経験からか、

大人数化したマルチプレイでも勝てる自信はそこそこあったが、

初の大人数対戦となった事に加え、新型VRによる脳波による思考操作ともなると、

まともに動かす事もままならず、敵の多さもあってか突っ込んでは死に、

逃げ隠れも味方の支援すら上手く出来ずにボコボコにされていた。


「くそう…自分こんなに弱かったのか…下手過ぎるだろ…」


初期シリーズからのプレイヤーとしては情けない事この上ない。

彼が今の彼になるまでは弱かった。



採点してくれた方、ブックマークをしてくれた方達ありがとうございます。

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