第2話 --これからへの不安--
またまた勢いですーーー。
ごゆるりとーー
入学を決意して約2か月後。
アルマトシア学園の制服に身を包んだたくさんの少女たちが体育館で希望を目に映し出していた。
その中には耀みさとの姿もあった。
「お次は学園長からのお言葉です。学園長お願いします。」
「皆さん当学園への入学、おめでとうございます。」
(わぁ、ものすごく美人・・)
「では改めておはようございます。学園長の浅野橙子です。
つい先月で義務教育を終えた皆さんはこれから、我が国にとっての重大な未来を担う立場になるために必要なことをこの校舎で学んでいきます。
ここでは才能と実力だけが成績につながります。ただ単に性格がいい、努力家だ、などという甘ったるい考えは必要としていません。戦や魔力はその人の内側は見ないのです。
さあ、少し暗い話をしてしまいまいたが、とりあえず今は学校生活と寮生活に慣れてください。
皆さんの活躍を心から期待しています。」
頭を軽く下げたあと、小さなため息が零れ出た。
(はあ・・ものすごい圧迫感だったな・・
本当にここでやっていけるのかな・・)
(でもおばあちゃんと同じものを見るって決めたんだ。
絶対やり遂げて見せる。)
そして、アナウンスがかかる。
「学園長有難うございました。新入生は担当の先生の指示に従って教室に移動してください。」
(あれ、そういえばうちってクラスどこなんだろう。)
「新入生退場!」
その言葉を合図に目の前の担当の先生らしき人物が起立の合図を出した。
そして一斉にみんな立ち上がった。
「総合科はA組、魔法科はB組、第1武功科はC組、第2武功科はD組に移動しろーー。」
(あ、今言うんだ・・)
(でも、うち学科わかんない・・!)
「あ、耀はAな!」
「あ、はい!」
いままで聞いたことのないくらい大きな拍手に身を包まれながら早足で教室に足を進めた。
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1-A HR
教室に足を踏み入れた私は黒板に書いてある通り出席番号順、一番通路側の前の席に座った。
そして数分後、先ほどの先生が出席簿のようなものを片手に教室にどかどかと入ってきた。
(あ、この人が担任なんだ。)
「改めて入学おめでとう!!俺はこのクラス、1-A担任の五十嵐太翔だ。これからよろしくな!」
やけに明るい担任だ。こういうのは怒らせると厄介なタイプと過去の担任を思いだして思った。
「じゃあまず、ここの学園での基本用語を説明しておこうと思う。」
(ここで説明するのね・・メモとっておいたほうがいいかも。)
そう思い、慌ててメモ帳とペンをとりだした。同じように思った生徒がほかにもいたらしく、
「あ、メモ帳とか出すなよーー。真剣に耳で聞いて頭にたたきこんでいけー。」
(確かにそのほうが真剣に聞こうとするし、覚えも早くなるかも)
そっとメモ帳とペンをしまった。
担任は咳払いを一つして、少し真剣な顔になり説明をはじめた。
「まずこの学園では、戦場のことをフィールド、戦いに使う武器や魔法のことをソース、戦う自分自身のことをセミル、敵のことをブレスと呼んでいる。この単語は死んでも覚えとけー。」
(ふぃーるどに、そーす、せみる、ぶれす・・)
(うぅ、頭がパンクしそう・・)
もともと暗記が大の苦手の私は頭の整理が追い付かない。
さらに五十嵐は説明を続けた。
「それと、これから3年間の授業の流れについてだ。今年1年は普通授業をうけてもらう。2学年の前半が魔法学、後半が武功科だ。3学年は2学年の実習だ。どの授業もほかの学科とおんなじ量やるから覚悟しとけよー。今年は違う生徒もででくるかもしれないらしいが、ま、いいか。」
(ってことは、総合科は専門学科の2倍ってこと!?)
そんな器用なことこの私にできるのかと不安が顔に出てくる生徒に五十嵐はまたもや明るい声を振りまいた。
「んま、完全入試制の総合科に入れたってことはやり遂げられるはずだからそんな暗い顔しなくても大丈夫だ!」
がっはっはーーと五十嵐は笑い、生徒たちも笑顔を見せているがどうにも私は笑うことができない。
(私入試なんて受けてないし中学の時の成績も中くらいだったのに・・)
ほんとに大丈夫なのだろうかと心配することしかできなかった。
本日2回目のため息が零れる。
それと同時にチャイムが鳴り響いた。
相変わらずのグダグダ感。。
がんばりますーー
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