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東方妖狐録  作者: 零狐
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6話 地底調査結果

「これで最後か。最後の結界陣だけあってかなり解くための結界式が多い。173個も解かなきゃいけないのか。」

零狐は冷静に間違わないよう解き始めた。

しかし冷静に解く時間は零狐にはなかった。零狐は感じ始めていた。

見張りの二人が気配が近づいてくるのを。

「そういえば、そろそろ俺の見張りの二人が帰ってくる時間か。俺に残された時間は最低7分とちょっとか...。仕方ない暗算するしかないか。」

零狐は間違えるリスクを冒し2分間目を閉じたまま暗算していた。

そして暗算が終わった途端に正確に、そして迅速に結界式を解き始めた。

なんと残り時間が3分切った時には169個の結界式が解き終わっていた。

(残り時間は2分10秒か15秒くらいかな。大体だが...。今171個めだし大丈夫だな。それじゃあさっさと172個めを解くか。)

しかしそう思った時の事だった。172個めで計算を間違ってしまったのだ。

間違えるのは別段問題ではなかった。しかし問題はそこではなくどこを間違えたのか複雑すぎて分からないというのが結界式の怖い所でもあり零狐は困惑して冷静さを欠いていた。

すでに残り時間は1分40秒秒程度だった。

零狐は精神を落ちつけてから考え直した。そして間違いを見つけるのはそれから優に10秒程度の事だった。残り時間1分を切ったところで零狐は173個めを

解き終わり窓から抜け出していた。

「危なかったぜ。まさか間違えるとは思ってなかった...。よし。まずはこの置手紙とメモを解読して置手紙をどうにかして開けることができればレミリアの場所か、召喚士の場所がわかる。」

零狐はなるべく感知されないように霊夢達の気や妖狐組の妖怪の気から遠ざかって行った。


その頃、霊夢達は地底に降りるところだった。

「なぁ霊夢。ただの憶測で地底まで来ちゃったけどさ。本来ここは覚り妖怪の住処だぜ?勝手に立ち入ったら攻撃されるよな。それに私は地底を以前に探索したけど洞窟は見つからなかったぜ?」

霊夢はそう言う魔理沙に対し、少し驚きながらも魔理沙に質問した。

「探索って言っても再奥地まで行ってないでしょ?それに攻撃されたらやり返せばいいじゃない。」

「そうは言ってもなぁ...。勇儀とかそこら辺の奴らに出くわすと敵いっこないぜ。たとえ私たち二人でもな。酔っぱらってる事を祈ろうぜ。」

そのまま霊夢達は飛翔しながら地底に降り立ち、旧地獄街道を歩いていた。

しかし魔理沙の先程口に出していた不安がそのまま実現されてしまった。

建物の横からひょいと出てきたのは地殻の下の嫉妬心「水橋 パルスィ」

そして語られる怪力乱神「星熊 勇儀」だった。

その二人の妖怪は霊夢達を見て、近づいてきた。

霊夢と魔理沙はそれに警戒心を抱きとっさに戦闘態勢になり、身構えた。

「あんたら、何しに来たんだい?あ、いや答えなくいていいや。どうせ見逃すわけにはいかないからね。」

「仲良く二人で歩いちゃって...妬ましいわ。」

「うん。それ貴方にも当てはまってるわよ。」

霊夢が冷静に言うと、パルスィはさらに霊夢をにらみつけ言い放った。

「冷静に言いやがって...妬ましいわっ!!」

「言いたいだけでしょ、それ。貴方達、戦うって言うなら受けて立つわよ。」

霊夢が御札と大幣(お祓い棒)をもって睨みつけた。

魔理沙もそれに便乗して八卦炉と箒を持ち元気な笑顔を見せ敵に対し向き直った。それに対し勇儀が大声で笑いだし好戦的な目を向けた。

「本気で行くけどいいのかい?それに今は酔っぱらってないよ。」

「私は戦わないからね。隣で妬んでるわ。」

パルスィがそう言って戦いか抜けると魔理沙は次のように言って戦いから同じように抜けていった。

「なら二対一は卑怯だしな。私も一抜けさせてもらうぜ。頑張れ霊夢。私はお前が勝つのを信じてるからな?」

霊夢は呆れるように「期待しないでよ。負けるのが目に見えてるんだから。」

勇儀は何の合図もなしに右手を振りかぶり霊夢に殴りかかった。

しかしその拳の先には霊夢は消えており、勇儀の後ろには封魔針が迫っていた。

次の瞬間、粉塵が巻き起こり勇儀と封魔針の姿が認識できなくなる。

そして勇儀の拳で煙は振り払われた。そこには無傷の勇儀と地面に叩き落とされたか振り払われた封魔針が散らばっていた。

「アタシに小細工やこんなパワーのない弾幕が通じないことぐらいわかるだろ!かかってきな霊夢!全部跳ね返してやるよ!」

勇儀がそう叫ぶと、勇儀の頭上の空間が裂け霊夢が大幣(お祓い棒)を振り上げていて勇儀が気づいた時には大幣によって攻撃を喰らっていた。

勇儀は腕で防ごうとしたようだが腕ごと押し切られてしまっていた。

「なっ...!空間から!?」

「あなたには見せてなかったっけ?亜空穴。」

霊夢は間髪入れずに大幣(お祓い棒)を勇儀に対して攻撃を続ける。

霊夢が大幣を勇儀の顔に命中させようと攻撃をすると、勇儀は右手でそれを防ぎ、霊夢の腹部に拳で一撃入れた。

「ほらほら。きついんじゃないのかい?」

「がはっ...!くっ!まだまだ!」

霊夢は勇儀の足を払おうとするも重量的に不可能だった。しかし物凄く微妙によろめいた勇儀の反応を見逃さずホーミングアミュレットを四方に展開した後大幣を勇儀の腹部の横に命中させた。勇儀は少しうめき声を出しながらもそれを物ともせず霊夢に殴打のラッシュをかけて吹っ飛ばした。

霊夢は地面に背中から落ちたがすぐに立ち勇儀に向き直り言った。

「さっき言った通り負けることは目に見えてるわ。でも私は昔から頑固なところがあってね。せめて傷を負わせるくらいの悪あがきはするわよ。」

霊夢は亜空穴を使い勇儀の目の前に着地してから右足で全力で蹴った。

「貴方の弱い所は弾幕を甘く見すぎているところよ。教えてあげるわ。あなたは今私の罠にかかっている。」

「何を言い出すかと思えばハッタリかい?アタシに小細工は効かないってさっきいったはずだけどね!」

しかし次の瞬間、先程霊夢が展開したホーミングアミュレットが勇儀の周りを取り囲み結界としての役目を果たしていた。勇儀は唖然としながらも結界を破ろうとするが到底破ることもできず身動きが取れずにいた。

「私の勝ちよ、勇儀。喰らいなさい...スペル。」


---〈霊符「無想封印」〉---


霊夢がスペカ宣言をすると霊夢から色とりどりの大き目な光弾が次々と飛び出しては勇儀めがけて飛んでいき、勇儀に当たると同時に炸裂する。

勇儀は到底その攻撃を通常の防御で受けきることもできずはじき飛ばされ光弾に被弾していく。地面に倒れるもすぐに立ち直り、霊夢の方を見た。

しかし霊夢は間髪入れずに大幣で勇儀の体に攻撃をした。

勇儀は両手を前でクロスさせ受けきった。

「もう諦めて降参してくれない?私たちは先に進みたいのよ。」

勇儀は少し後ろに押されるも好戦的な目をしたまま右手の指にあるものを挟みながら、霊夢に向かって言い放った。

「そういう奴だったねあんたは。嫌いじゃないが...勝たせてもらうよ!

喰らいなっ!スペルッ!」


ーー< 四天王奥義「三歩必殺」>ーー


勇儀が一歩目として前に出た。

勇儀は腰を低くした状態で叫びをあげながら、地面に圧力をかけた。

「ウォオオオオ!!!」

もはやそれは勇儀ではないような気が霊夢にはしていた。

獣が全てを捨てて何かに立ち向かう時のような叫びにも殺気を持ち襲い掛かる叫びにも聞こえた。そして次の瞬間。

地面に地響きが入り地震のような揺れが発生する。霊夢はその圧力に圧倒されふらついてしまうが何とか立て直す。

(久しぶりに喰らうと思うけど...!な、なんてパワーなの!?)

霊夢が驚愕する間に二歩目。

高く振り上げた足を、大地に叩きつける。

それは移動の為ではなく、むしろ攻撃に近かった。いや、実際に攻撃だった。

大地に向けての一撃は衝撃波を生み出し、それが地中を走って霊夢の足元で爆発したのだ。霊夢は驚愕しながらうめき声をあげる。

「ぐぅっ...!さすがに避けれる分けないでしょこんなの!?」

霊夢は予想通りそれを避けることもできず爆発の衝撃と風圧により軽く吹き飛ばされてしまった。霊夢はなんと空中で体制を立て直し右腕に傷を負いながらも身構えた。

「確かこの後にアレがくる...!ってもう来てる!?」

霊夢が言うアレとは三歩必殺の三歩目の事だった。

勇儀は猛スピードで霊夢の目の前まで移動していた。

地響きや風圧、そして辺りに渦巻く粉塵。勇儀のスペルの最後の攻撃がその一つ一つを巻き起こしてゆく。

そして次の瞬間、三歩目に発動される勇儀の全力の一撃が霊夢を襲う。

そこに魔理沙とパルスィが止めに入ってきた。

「勇儀!ストップ!ストーップ!!!」

勇儀も元から殴るつもりもなかったらしくすぐ拳を止めた。

「分かってるよ。この攻撃が酔っぱらってないときに発動して人間に当たれば死ぬからね。さすがにそこまでやらないよ。私だって。」

「いや、スペルカード自体発動してたじゃん!私死ぬとこだったし!」

霊夢が物凄い形相で勇儀に言葉の嵐をかぶせた。

「まぁ、私は退屈だから戦っただけだしね。ほらお詫びに何でも質問していいよ。スリーサイズとか聞いちゃう?(笑)」

霊夢は冷めた感じになり敬語で辛辣に返した。

「いや、結構です。」

魔理沙は思いついたように勇儀に再奥地に洞窟があるか聞いたが勇儀は少し考えてから「分からない」と答えた。

しかしそこにパルスィが入り、驚きの答えが返ってきた。

「無いわよ。少なくとも地底には隅々まで行ってもそんな場所は見つからないし、何より怪しいやつがレミリアだっけ?そいつを運んできたら見張りの私とか勇儀とかが気づくはずでしょ。まったく妬ましいわ。」

「いや、何がだよ。まぁ教えてくれてありがとうな!それじゃ」

霊夢達はまた別の思い当たるような場所を探しに地底を出て行った。

神社に戻る道中霊夢達は妖狐組の妖怪が騒がしいとのことを聞き、妖怪の山の妖狐組本部に向かった。

そこで霊夢達は零狐が結界を解き脱走したことを初めて知るのであった。


続く






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