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東方妖狐録  作者: 零狐
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3話 ナトの過去と幻想入り

ここは幻想郷。

忘れ去られたものが集まる世界。

そんな世界に昨日新しく来た男がいた。

その男の名前は「ナト」と言うらしい。

ナトのここに来た理由と過去が今、妖怪の山中腹部の屋敷で明かされていた。

ナトはまず此処、幻想郷に来た理由を話していた。

「魔理沙にも言った通り、僕は零狐を追ってここに来た。」

零狐は首を傾げながら尋ねた。

「、、、どうやって幻想郷まで来た?」

「それは魔理沙達も分からないだろうから過去から話させてもらうよ。」

ナトは昔のことを話すように語り始めた。


三年前、、、

ナトは高校に進学した後も前も学校で自分の持っている不思議な力の事でいじめを受けていた。いじめられそうになった時、能力で逃げようとするも、逃げたら後でひどい目に合うと思い逃げずに耐えていた。

ナトはその時すでに親を小さいころに無くし、一人暮らしをしていた。

親を亡くした事件の時は火事だった。自分は小柄なため建物に潰されず抜け出せたが親が瓦礫の下敷きとなり助けられなかった。

そんなナトには心の休まる場所も心のよりどころも存在しなかった。

しかしナトが中学生の時のころ、深夜にいじめをされていた奴らに学校に呼び出され行った所屋上で殴る蹴るの袋叩きに会いそうになった時の事だった。

「、、、おい。お前ら何してる。」

そんな声が空から聞こえてきた。いじめていた奴らは声のする方に顔を向けた。

ナトもそちらの方向に顔を向けた。

そこにいたのが高校生くらいの見た目である零狐と零狐率いる妖狐組の百鬼夜行だった。

「喰われたくなければ、去れ。そいつは置いて行けよ。」

零狐はナトを指さしてナトをいじめていた奴らに言った。

その時の零狐の目は青く光りの後ろで月は紅く染まり色々な妖怪たちが恐ろしい形相で睨んでいた。

恐怖でいじめをしていた奴らは逃げて行った。


しかし、いきなり魔理沙慌てて話を止めた。

「ちょ、ちょっと待て!零狐は最近総大将になったんだよな?なのになんで妖怪を従えて引き連れるなんてことができるんだ?それにその時高校生くらいの見た目だったんだろ?零狐は。それだったらナトが今、高校生なのに零狐がナトと同じくらいの年なんだよ!おかしいだろ!」

零狐はそれを聞き順序を追って説明し始めた。

「まず年齢の話だが、俺は妖狐だ。人間とは年を取るスピードが違くて、年を取るのが遅いんだ。それと妖怪を引き連れていたというのはだな。妖怪は色々な組があって俺が最近、就任したのは組すべてをまとめた妖怪全体の総大将だ。

その時は妖狐組の長だったから妖狐組の部下なら引き連れていける。」

「いや、普通はそれくらい知ってるわよ魔理沙。私だって知ってるくらいだしね。まさか知らなかったとは。」

魔理沙は少し顔を赤らめ恥ずかしそうに話の続きを促した。

ナトは気を取りなおして話を続けた。


ナトはその時この妖怪にここで喰われて死ぬんだと考え生きることを諦めていた。しかし零狐と妖怪がとった行動はナトにとって助けとなるものだった。

「ほら。立てるか。大丈夫だったか。」

「、、、何で?何で助けてくれたんだ?」

零狐は微笑みナトの問いに答えた。

「ついこの前いじめられているお前を見つけてな。助けてやりたいとそう思ったからだ。ここに来る前、お前をいじめたやつらにもう二度としないと誓わせたからもう、大丈夫だと思うぞ。」

ナトはその後の事をあまり覚えていないが、いじめはなくなり楽しく友達と過ごし、零狐とも何回も会っていた、という事は覚えているそうだ。

ある日の満月の夜の事だった。

ナトの部屋の窓が叩かれナトが開けてみるとそこには恐らく欲望が抑えきれず人間が食べたいと思いナトの部屋をたまたま訪れたーーーいや、襲いに来た妖怪の子供だった。それは蜘蛛の体で頭に目のない女の顔がついている不気味な妖怪で、ナトは恐れをなして家から出た。そして近くの大きい空き地に逃げ込んだ。

そこは草が生い茂り隠れるにはいい場所だった。

しかし、そこには頭が目のない女の顔をした蜘蛛の妖怪の親玉が腹を空かせ待ち構えていた。ナトは能力を使いその妖怪の攻撃をかわしたが限界が近づいてきていた。能力の使用回数の限界だった。

「くそっ、、、!あと3回くらいしか使えないぞ、、、。一回使うと三十分間効果は切れないけど、、、こいつ。僕を見逃さないつもりでいるな。さっきからあきらめて帰ろうとしない。しかもこいつは、、、」

「僕の能力制限がある事を理解している、、、。」

そこからナトは何度も逃げようと試みるも何度も道を阻まれ空き地から逃げることが出来なかった。

「もう、、、能力は使えない。はぁっ、、、もう息が、、、切れて、疲れた。

もういいや、、、。喰うならさっさと喰えよ。」

妖怪がナトのもとに近寄ってくる。

妖怪が口を開け、ナトを喰おうとした時だった。

妖怪の蜘蛛のような足が一本切断された。妖怪は悲鳴を上げ斬った奴がいるであろうほうを向き咆哮を上げた。

「うるせぇよ、女郎蜘蛛。お前何俺の友達に手出してんだ。」

女郎蜘蛛と呼ばれたその妖怪は理性を失っているようで零狐にまたもや咆哮を上げた。女郎蜘蛛が前右足と左足で零狐を掴み握りつぶそうとした。

しかし零狐は刀で手を斬り前足二本を切り落とした。

零狐はしばらく女郎蜘蛛は動けないだろうと考えナトのもとに駆け寄った。

「ナト。すまない、遅くなってしまった。」

「いや、来てくれてありがとう。」

しかし次の瞬間、零狐は女郎蜘蛛の手に掴まれていた。

零狐はそのまま地面に叩きつけられ吐血した。

零狐は血を口から大量に吐きだしながらも余裕の表情で笑い言った。

「最後まで戦いの結果は、、、ゲボッ。ゴポッ、、。わからないだろ!女郎蜘蛛お前の負けだ。」

そう言った瞬間、女郎蜘蛛の腹は雷で貫かれた。足は氷に包まれ身動きが取れないまま死んだ。

助けてくれたのは迅雷と雪女だった。

「ごほっ、、。やっぱり来てくれたか。」

「大丈夫ですか!?零狐様!あなたが死んだら私、、、!」

「あ、スルーで。」

「ひどいっ!?」

零狐は迅雷にナトを家に帰しこの手紙とセットであるものをナトの家に置いてきてくれ、と頼んだ。

「しょうがねぇな。ちょっくら行ってくるわ。」

雪女は零狐を連れ幻想郷に帰った。迅雷は零狐に託された物をナトの家に置きナトを寝かせ、幻想郷に帰った。

次の日、、、

ナトは自分の家で目を覚まし、跳び起きた。

「ここは、僕の部屋か、、、。昨日の事は夢じゃないようだな。ちゃんと傷あるし、、、。ん?なんだこの小包と手紙。零狐から、、、?」

ナトは零狐から送られたその手紙を読み始めた。

手紙の内容は以下の通りだった。


ナトへ

突然だが、俺はお前のいる外界に行けなくなった。

これは誰に命令されたとかじゃなく俺が自分で決めたことだ。

俺が行き来しているうちに外界と幻想郷の間の結界に歪みができ始めたんだ。

それのおかげで封印していた女郎蜘蛛までもがお前のいる外界に行ってしまった。これじゃお前や外界の人間が危ないから俺は行き来するのをやめることにした。その小包の中身は幻想郷と外界を行き来するための宝玉だ。

人間を辞めてでも幻想郷にいる俺や迅雷に会いたくなれば使え。

その代わりもう平和な外界には戻れない。よく考えて使え。

さようなら。ナト。

零狐より


短いがとても大切なことが書かれておりそしてナトにとって零狐の心がこもった内容の手紙でもあった。

ナトは涙を流しながらも支度をして学校に向かった、、、。


それから三年後、、、

ある出来事が起こった。

ナトはいつものように高校に行く準備をして家を出た。

零狐から受け取った宝玉をお守りのように持って。

しかしその道中、警察と野次馬が群がり人だかりができていた。

民家に強盗グループが押し入り人質がいるようでその民家に立てこもっていた。

銃を所持しているようで、警察もうかつには手が出せないようだった。

ナトは考えるよりも先に体が動いていた。

能力を使いかなりの跳躍力で人質がいる二階のベランダの窓ガラスを割り侵入した。そして目にも止まらぬ速さで強盗達を殴り倒し人質を奪い取り、チャンスと思った警察がベランダの下の位置に移動して人質を受け取った。

しかし気絶していなった強盗が拳銃でナトに向け発砲した。

ナトの腹部の横に着弾しナトは血を吐いた。

「このぉっ、、、往生際の悪い、、、!」

そこから続けて二発撃たれナトの胸部と腹部に銃弾を受けてしまった。

一階から突入した警察が犯人を取り押さえナトを病院に運んだ。

それから治療を開始したが腹部に銃弾を受けたせいで臓器は相当傷ついており、何より肺が貫かれていて手の施しようがなかった。

ナトはここで死にたくないと願い零狐に会いたいと一瞬思った。

しかしその時ありえないことが起こった。

ナトがいきなり目の前からうっすらと消えてしまいそこに存在がなくなってしまったのだ。


「それで、気づいたら魔法の森にいたってわけか。んー、、、その宝玉見せてくれだぜ。」

魔理沙に頼まれると宝玉をナトは見せた。

しかし宝玉は罅が入りかつての輝きは失われていた。

「その宝玉は思いが強ければ強いほど壊れていく。それはもともと願いをかなえる道具でな。俺はナトに会いたいときにそれを使うことで幻想郷から出ていた。」

霊夢は考え込みながら結論に至り結論を話した。

「つまりナトの死にたくないという思いと零狐に会いたいという思いが強くて幻想郷に来た後、壊れったて事じゃないの?」

「そうだろうな。それにしても、、、そんな事があったのか。まぁ幻想郷でゆっくり暮らせばいいさ。住むところは最近、紅魔館が従業員不足らしいから雇ってもらえるかもな?後で行ってみな。」

「皆、ありがとう。そうだな零狐。後で誰かに案内してもらうよ。」

魔理沙は、ふと疑問に思った事を言った。

「そういえばナトは人間か?」

零狐は即答で答えた。

「いやあの宝玉を人間が使うと呪いにより何らかの妖怪になってしまう。それにナトも元々心のどこかで覚悟はしていたはずだ。」

ナトは力強く頷いた。確かに覚悟はできていたようだ。

霊夢はため息をつきながら立ち上がり言った。

「それなら幻想郷で妖怪として生きるなら弾幕やスペルカードは持っておかなきゃな!」

「やることは山積みね。魔理沙と私でナトのスペルカード作りと案内はするから大丈夫よ。零狐。その代わり後でご飯作って。」

零狐は妖夢を見て何も言わずに訴えた。

妖夢は仕方ないという風にして零狐に向かっていった。

「後でなんでも一ついうこと聞いてくださいね?」

「分かったよ。だから頼んだぞ、妖夢!」


4話に続く


零狐です!

3話はすこし短めになったかなと思っていますが如何でしたでしょうか!

さてさて、ついにナトの過去が明かされましたが。

4話ではナトのこれからどうするか~的なことを書こうと思います!

5月8日の例大祭に向けて今お金を貯めております。

楽しみですね(*'ω'*)

それでは4話で会いましょう!

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