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東方妖狐録  作者: 零狐
2/16

1話 妖怪の総大将

皆さんどうも!零狐です。

ついに1話完成しました。

結構疲れますね。書くのって。

昨日の夕飯はきつねうどんでした(; ・`д・´)

それでは幻想郷の日常1話お楽しみください!

ここは幻想郷。

忘れ去られたものや人、そして妖怪が住まう場所。

そんな幻想郷の2つあるうちの1つの妖怪退治を生業とする神社「博麗神社」の縁側でお茶を飲んでいる巫女がいた。その巫女は呟いた。

「暇ねー…。」

呟いたのは博麗神社の巫女、そして空を飛ぶ不思議な巫女「博麗 霊夢」だった。

彼女が今、暇そうにお茶を飲んでいるのは参拝客が誰一人来ず仕事しようにも何もする事が無いからだ。

参拝客が来ないのは彼女のいる神社は「妖怪が来る」という理由だった。

参拝客の足が遠のいている神社には妖怪に好かれた巫女がいるという噂なあるせいでだれも来る事は無かった。しかしそんな神社に一人の人物がやってきた。

やってきた人物は参拝客でもなく、そしてはたまた妖怪でも無かった。やって来たのは人間だった。

その霊夢も良く知る人間の名前は「霧雨 魔理沙」。


魔理沙自身にとっては霊夢と共に異変を解決してきたパートナー的存在と思っているが霊夢からはただの友達という立ち位置だった。

魔理沙は神社に着くと境内を見回して霊夢にニヤニヤしながら話しかけていた。

「相変わらず暇そうだな?霊夢。」

霊夢は鬱陶しいかのような表情でニヤニヤしている魔理沙に言い返した。

「うるさいわね。この神社だって参拝客の一人や二人来るにきまってるでしょ。」

魔理沙は言い返されたが意地悪い顔で霊夢に質問を投げかけていた。

「へぇー?それで?今日は来たのか?参拝客。」

魔理沙がそうやって霊夢の顔を覗き込むように尋ねると霊夢はバツが悪そうに目をそらした後、答えた。

「ま、まだひとりも来てないけど?」

魔理沙はその答えを聞き少しの間を置いた。

「…おい。さっきの言葉はどうした。」

「……。」

しばしの間、二人の間に沈黙が起こる。

沈黙に耐え切れず魔理沙が別の話題を霊夢に振る。

「な、なぁ霊夢。実は最近思うんだが妖怪たちのいたずらとかはまだあるものの、人間と妖怪が仲良くなってる気がしないか?」

霊夢は納得したようにうなずき魔理沙の振った話に便乗した。少し考える仕草をして答えた。

「まぁ仲良くなってるっていうか…妖怪が人を殺すような事が少なくなったってことだけど。でもなんでかしらね?」

霊夢がそう言った瞬間だった。

空を一世風靡するかの様になんとも速い速度で何かが神社の上に飛んできた。

神社に1つの黒い羽がひらりと落ちた。

「ふっふっふ…!それは私が説明しましょう!」

降り立ったのは幻想郷の伝統ブン屋の異名を持つ烏天狗の「射命丸 文」だった。

霊夢と魔理沙は急に話に入ってきた文ににむかって、「誰だコイツ」と言わんばかりに睨んだ。

文はそれでもめげずに話を続けた。

「じ、実はですね。最近まったく役に立たなかった妖怪の長のぬら…ぬー…ぬらび?ぬらみ?ぬらみりん?が…。」

文の何かを思い出すような仕草を見ながら霊夢は得意気に言った。

「ぬらひょんでしょ?まったく自分の長の名前もおぼえられないなんて。」

霊夢は誇らしげに胸を張る反面、文に対して意地悪い表情を見せていた。

しかし魔理沙が霊夢に密かに耳打ちした。

(霊夢、ちがうぞ!ぬらりひょんだぜ!ぬらひょんじゃないぜ!)

霊夢はそれを聞いた瞬間、顔が真っ赤になり急いでさっきの言葉を前言撤回して訂正して言った。

「あー…えっと。そうそう。ぬらりひょんね!いや分かってたからね?まったく自分の長の」

霊夢がそこまで言うとそれを遮る様に文が少しにやけながら言った。

「いや今更言ってもカッコつかないですよ。霊夢さん。面白いなぁ霊夢さんは。」

霊夢は赤面しながら話を強引に進めた。

「う、うるさいわね。それで?その長に何かあったの?早く話を進めなさいよ。」

文は改めて最近の妖怪の様子がなぜこうなったかという理由を霊夢と魔理沙に話しだした。

「ええ。最近長が引退しまして…古来から妖怪の総大将に選ばれる家系の狐ヶ崎家。もとい妖狐組の長が引き継ぎ妖怪の総大将となったんですよ。」

霊夢は少し頭に入れて置く程度で聞いていた。

魔理沙は文に問いかけた。

「で?長が変わったのと最近の妖怪の様子と何の関係があるんだ?」

文はさらに話の中心核に迫り話を続けた。」


「その長なんですが少しいい加減ですがとても頭が良く部下からも尊敬されていて総大将という器にぴったりなんですよ。それでその総大将の考え方が…ほら。あの慧音さんに似て人間の味方であり妖怪の味方でもあるっていう…。」

霊夢と魔理沙はその一連の話を聞きその人物を本当に良い奴か疑ってもいたが同時にあってみたいとも考えていた。

魔理沙は霊夢よりその人物に好奇心を抱いていた。

その時だった。

神社に人里に住む子供が三人ほど息を切らしながら走ってきた。

その子供たちの様子はただ事ではなかった。

霊夢と魔理沙は子供たちに何があったか聞いた。

そうすると子供たちはこう答えた。

「なんか里に怖いおじさんたちが来て…でかい岩の怪物を出して里をめちゃくちゃにしてて…!」

霊夢は子供達を神社の中に案内した。

「分かったわ。あなた達はここにいて。魔理沙、文、この子達のこと頼んだわよ。」

「気をつけろよ?霊夢。」

魔理沙は準備をする霊夢に言った。

文は少し惜しい感じで口を尖らせていた。

「スクープなのに―…」

「頼んだわよ?」

霊夢は文をにらみつけながらそう念を押すように言って人里に出かけて行った。

魔理沙は少し心配しながらも霊夢を見送り文は新聞のネタをどうするか考えていた。


ー人里ー

「野郎共ー!奪え奪え!金目の物と食い物…ぜんぶかっさらえー!!」

人里で暴れていたのは固い岩でできた巨人のゴーレム3体と極悪賞金首の強盗グループだった。

急な極悪人の襲撃に里の人たちは怯え隠れていた。

「へっ。全員どっかに隠れやがった。面白いから皆殺しにしてやろうとおもったのによ。おい!お前ら!」

恐らくボス格であろうひげ面の男が手下に大声でこう命令した。その命令は部下を奮い立たせた。

「隠れた里の奴ら見つけて首とってきたらこの財宝の中から褒美をやるよ!」

その一声で手下は狂ったように血眼で隠れた里の住人を探し始めようとした時だった。

部下の前に立ちはだかる様にいたのはある人物だった

「そんなことさせるわけないでしょ。博麗神社の巫女は妖怪以外にも危害を加える奴は叩きのめすけど…その巫女がいる里襲うなんて馬鹿じゃないの?」


立ちはだかっていたのは霊夢だった。


強盗の頭は舌打ちして部下に命令した。

「お前ら!あの巫女を殺せぇ!」

部下は雄叫びを上げながら刀などで攻撃を始めるが霊夢に華麗にかわされ次々と打ちのめされていく。

霊夢は部下の群れの真ん中を突っ切る様に素早く部下を気絶させていった。

「けっ。巫女が出しゃばってんじゃねえよ」

強盗の頭は悪態をつくときには霊夢は既に強盗の頭がいる所にまで来ていた。

霊夢は少し間合いを置き強盗の頭に尋ねた。

「…慧音は?」

「あ?あのクソ教師のことか。お前の探してるやつならあいつならそこにいるぜ?」

強盗の頭が指をさした先にはボロボロになり気絶している慧音がいた。

霊夢は強盗の頭を通り過ぎて、急いで慧音の元に駆け寄り慧音の状態を診た。

(ひどい…額に打撲と切り傷が。背中には刃物で切られた傷が…。)

霊夢は怒ったように強盗の頭を睨みつけ大幣を構えて強盗の頭に攻撃をし始めた。

「あんたら…。覚悟しなさいよ」

霊夢は強盗の頭の背後に素早く立ち回り言った。

強盗の頭は刀を抜き大幣の攻撃を受け止め力で霊夢を弾き飛ばした。

強盗の頭は走り出し霊夢に斬撃を浴びせたが霊夢は冷静に斬撃を躱していた。

霊夢は一瞬隙ができた強盗の頭の腹部に拳で渾身の力で一発、殴った。

「ごぶっ!?ゲホゲホッ!」

強盗の頭は激しく咳き込み刀を構えた。

しかし霊夢は居なくなっていた。


強盗の頭は気づいていなかった。


霊夢が頭上にいる事に。

「こっちよ。肩の関節外してあげる。」

次の瞬間。

霊夢は大幣で強盗の頭の肩に叩きつけた。

「ぐっ…!?い、痛ってぇぇえ!?」

案の定、強盗の頭は肩の関節が外れていた。


「クソッ!お前ら!アレもってこい!」

強盗の頭が怒鳴り散らすと部下は慌てて全員呼び寄せゴーレムも呼び寄せて「アレ」を持ってきた。

そして持ってきたーーーーいや、連れてきたものは。

霊夢は余裕の表情が崩れ、焦りに変わっていた。

「その子たちは…!寺子屋の…!」

「あぁ…そうだ!ほら。攻撃してみろよ。」

霊夢は歯を食いしばり、悔しさと何もできない自分と賞金首に対して怒りを覚えていた。

霊夢の拳には無意識にも力が入っていた。

「ッ…!」

「攻撃したらしたでこいつら殺すけどな?」

強盗の頭は勝ち誇った様にさらに話を続けた。

「それと一応言っておくがこのゴーレムにはあらゆる攻撃が通らない。こいつに攻撃しても無駄だ。まぁお前は攻撃することすらできねぇだろうけどな!ほら巫女さんよぉ。こうしてる時間が無駄だから帰ってくれよな。」

強盗の頭と部下は下品に笑い、霊夢を見下した。

霊夢は何も出来ずに睨みつける事しかできなかった。


しかしその時だった。

「そうだな。何よりお前の戯言に付き合ってる時間が1番無駄だな。」

そう言って何者かの声がどこからか聞こえたと思いきや、次の瞬間強盗の頭の後ろのゴーレム三体が斬撃により首から上が取れた。

強盗の頭は唖然としてその光景を見ていた。

霊夢の横を通り過ぎて行って強盗の頭を睨みつけているのは声の正体の人物だった。

「俺の抜刀術で斬れないものは無い。もちろんお前の首もだ。強盗」

「おっ、おい!お前ら人質をころせ!ってアレ…?」

強盗の頭は部下が1人もいない事に気付いた。

「すまんな。人質はうちの部下が一人で回収しちまったよ。あとお前の部下はそこにいるぜ。」

強盗の頭の部下は何匹もの妖怪に囲まれ恐怖に襲われ気絶していた。

人質となっていた子供たちは突如現れた抜刀術使いの部下であろう妖怪に回収されていた。

「よくやった。一夜。」

*一夜=名前です。種族は夜雀です。

「さて、強盗。観念して大人しくしてな。」


強盗と部下が警察に引き渡され慧音が起きた後。

「本当にありがとう!良ければ今度うちに何か食べに来てくれ。」

慧音は心から霊夢と総大将と呼ばれていた男に感謝しながらそう言った。

総大将とよばれている男は少し照れた様に答えた。

「いや、別に俺はたまたま通りかかっただけだし…礼なら霊夢に言いなよ。」

「あなた…なんで私の名前を?」

霊夢は疑問を投げかけた。

その疑問に極普通に総大将とよばれている男は答えた

「霊夢の名前は天狗組から聞いた。ほら天狗の最高位の大天狗からな。」

霊夢は何かが引っかかっていた。

霊夢の中にある何らかの違和感。

どこかで総大将というキーワードを聞いた気がしていた。

「あっ…」

ーーー妖狐組の長が総大将になったんですよ---

霊夢は文の言葉を思い出し声を漏らした。

「あ、あんたが妖怪の総大将!?」

「え、今ですか。それ。」

夜雀の一夜が苦笑いしながら言った。

「初めて知った…。」

「零狐って名前だ。よろしくな霊夢」


一週間後。

幻想郷中に零狐と妖狐組の名前は知れ渡りもうすっかり幻想郷の住人となっていた。そして平和でほのぼのとしたそんな中、紅魔館に一人の人物が訪れに来ていた…。



続く


はい!幻想郷の日常1話どうでしたか?

お楽しみいただけたなら幸いです。

ちなみに2話では今回の零狐の友達という位置づけでのオリジナルキャラクターが出てきます。

あと2話で零狐の能力が明かされます!

ぜひ2話投稿をお待ちください!

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