-プロローグ-
はじめまして、雛菊涼と申します。
剣やモンスターものは初めて書きますのでおかしな点があるかと思われますが気にせずお読みください。
また、あの人気電撃文庫に似ていると言われてしまいますが、
断じてオリジナルです、ご理解お願い致します…!
薄暗い石で出来た廊下に重苦しい空気が漂う地下で、
一閃の白い剣筋が宙に線を描いた。
それは空中のみならず、複数もの生命体に命中した。
丸々と太った黄色と黒の縞模様が目立つ尻と、それに繋がる胴体から細長く漆黒の脚が8本も伸びていた。
しかも巨大で廊下を埋め尽くすほどの大群である。
その大群の一匹の胴体に剣筋が命中し、巨大蜘蛛の体力は0まで削れきり、蜘蛛の身体は白い粉となって拡散した。
それを合図に蜘蛛達が怒り狂ったかのように一斉に威嚇し始める
「ぎしゃぁっ…!」
鋭い牙を剥き出して、いくつもある目をこちらに向けている。
数は多いものの、一匹の体力は多くはないので攻撃を回避しながら接近する。
草原エリアの地下に存在する洞穴型ダンジョンの奥にある遺跡、つまり此処には基本的には蜘蛛型モンスターとゴブリンしか出現しない。
その蜘蛛型モンスター"シュピルスパイダー"は、鋭い牙による毒攻撃と、尻から発射される蜘蛛糸によるスタン攻撃のみ。
基本的な対処は動きが遅いので攻撃が避けやすく、後ろを取れば簡単に倒せる。
そうこうしている間にも蜘蛛はスタンと毒攻撃を繰り返していた。しかし、俺は簡単に前に転がり(ローリングだ)素早く避ける。
「よっ…!」
軽く飛んで腹に愛剣"ヴァンフォーレ"を突き刺した。
また一匹消滅したが、それでもまだ大勢残っていた。
仕方ないと俺は一旦距離をとる。
武器にはそれぞれの魂と呼ばれるものがある。
ただの武器ではなく、"意思を持つ生きた武器"である。
「数が多いの面倒だし、一気に片付けよう」
俺は愛剣をくるくると回し、地面へと突き刺した。
すると愛剣から白い煙のような物が発生し、巨大な肉体へと化していく。
「…私の力を頼るまでもないだろうに」
悪態をつきながら現れたのは純白の竜だった。
純白に輝いた鱗と真っ白な牙、青緑の瞳がモンスターを見て細められる。
「蜘蛛相手にわざわざ呼んだのか、若造」
不満そうに振り向いて俺を睨み付ける白竜。
「あ…いや、面倒だから炎でやってくれないかなーっ…て…悪かったって、珀閻」
頭をガリガリと掻きながら苦笑いする。
「いや、私も退屈していたところだ」
「そりゃ、500年も生きていればな」
この世界の設定上、珀閻は長年封じ込まれていた聖剣でボスのレアドロップ品として俺が入手した物だ。
ドロップ品としては随分と能力が高く、使いやすい部類に入るヴァンフォーレ、または珀閻は炎攻撃などが強力な竜族だった。
よって俺の武器秘獣は高レベルの物となった。
おかげでこの世界ではトップクラスの一部に入るほどの高レベルプレイヤーとして有名の俺だが、知識はあっても経験は浅かった。そのせいで蜘蛛の大群も余裕だと思い込んでいたのだが、結果面倒な事になってしまった。
「えっと、珀閻頼むぞ?もうそろそろ町に帰らないと…」
草原エリアは夜間になると"ビー"と呼ばれる蜂モンスターや骸骨などの少しレベルの高いモンスターが現れ始める。
だから早めに町へ帰還しなければ、消耗した自身の精神力と装備を考えて少し危険なものとなる。
「分かっている」
珀閻は早速、炎攻撃に入って青白く輝く炎を巨大な口から一気に噴射、のちに蜘蛛の体力ケージは削られて全滅した。
目の前に経験値とドロップアイテムの欄が広がって、俺は即座に確認を終えるとOKボタンをタッチした。
すると欄は音もせず、視界から消えた。
「若造、現実では遅い時間では?」
珀閻が剣へと戻ってからも話しかけてきたので俺は草原エリアへの帰り道を歩きつつ答えることにする。
「もう、19時過ぎだけど関係ないし。どっちにしろ此処からは逃げられない」
そう、俺だって本当はコマンドの"ログアウト"を行ってしまいたいのだが不可能だ。
ただのファンタジーゲームとは違い、世界初の歴史的発明となったこのVRMMORPGは、一瞬で残酷な殺人マシンへと化したのである。
始まりは3カ月前に遡る…
如何だったでしょうか、
面白かったら幸いです。
また言いますが断じてあの有名電撃文庫のパクリではありません、オリジナルです、ご理解お願いします!
感想ありましたらよろしくお願いいたします!
次回はデスゲームが開始された発端について描きます。
なお、作者は学生なため更新は不定期です、
よろしくお願いいたします(^^)