宿屋
今回は少し短いです。
王都なのに領主の住む場所になっていたので訂正しました。
ギルドから出て大通りを歩きながら俺は、カナリアと共にこれからの拠点となる宿を探していた。
「宿屋ってどこにあるんだろうな?」
「きゅー」
あれから1時間ほど経っているというのに未だに一軒も見つけられていない。何度か人に聞こうかと思って近づくと、カナリアを連れているせいかなぜか逃げてしまってろくに話もできないのだ。
まったくもって失礼な連中だ、こんなにも綺麗なのに。
「ギルドで聞いてきた方がよかったかなぁ」
今さら後悔しても遅いか、何とかしないとなぁ。
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「やっと見つけた・・・」
あれから2時間くらい街中をさまよっていると、一つの通りに出た。
そこは殆どが宿屋で、他の店など数件しかたっていなかった。
「何処に止まるかな。まぁ、金はほとんどないから安宿にしか泊まれないんだけどな」
通りを歩いているとぼろくはないが豪華でもない、と言ったような宿があった。
「ここにするか」
「きゅい」
カナリアの同意も得たことだし、入ってみるか。
中に入るとまず先に思ったのが質素なお店、だった。
カウンターに呼び鈴らしきものがあったので叩いてみた。チーンと、なった。
すこしして、カウンターの奥から幼い少女が出てきた。
「宿泊ですか?」
少し舌足らずな声で接客してきたのが微笑ましくて、ついつい口元が緩んでしまった。
「うん、そうなんだ。それと一つ教えてほしいことがあるんだけどいいかな?」
「はい、なんでしょう」
「どうしてここの通りは殆どが宿屋なんだい?」
「えーっとですね、それはここが宿屋通りだからです」
「宿屋通り?」
「はい、この街は3つの大きな通りに区切られていて、一つが大通り、二つ目が宿屋通り、最後が商い通りです。大通りはこの国の国王様の住む城へとつながる通り、宿屋通りが宿屋が集まっている通り、商い通りは物を買ったり売ったりする場所です」
「そうなんだ、教えてくれてありがとう」
「きゅい」
カナリアも一緒にお礼を言うと、少女はびっくりしたような顔をした。
「その鳥生きてるの!?綺麗すぎるから美術品かと思った!」
この世界には美術品を肩に乗せる奴がいるのだろうか、もしいたら見てみたい。
「ははっありがとう。それで、宿泊の代金なんだけど」
「そうでした!一泊銅貨10枚で、ご飯付きだと15枚です」
高いのかどうかわからんな、明日他の宿屋に行って聞いてみるか。
「なら10日頼めるかな」
袋から銀貨を2枚出して、少女の手のひらに乗せた。
「それではお釣りの銅貨50枚です。部屋の鍵はこれです。部屋は2階の一番奥です」
「ありがとう」
銅貨を受け取って部屋へと向かう。人の気配がしないからお客は俺一人かな?
部屋について、中に入ってみると、中には小さめのクローゼットとベッド、椅子が2脚にテーブルが1つおいてあった。
カナリアを椅子の背もたれに移らせ、そのままベッドに倒れこみ、俺は意識を手放した。
次回は武器屋に行きます