クシュナー氏がイラン協議に参加したことが問題だと思うものの、玉川徹氏を批判する理由
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は玉川徹氏が「ユダヤ人差別発言」をしたのではないか? という事について個人的な意見を述べていこうと思います。
具体的にどのような感じだったのかと言いますと、
2026年4月10日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」で、テレビ朝日の玉川徹氏が、アメリカのトランプ大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏のイラン協議参加に関して、
「クシュナー氏って、これ何の権限で…トランプ家の代表として入ってるってことですか。ましてやユダヤ人ですよね。で、このイランとの協議に関しては、むしろ、いない方がいいような人のような気もするんですけど」
と発言したことです。
更にイスラエル大使館からこの発言に関する抗議が出て、10日以上たった今でも玉川氏が降板せずに平然と出演し続けていることが更に話題になり続けています。
正直言って当初は全く興味は無かったのですが、長期間にわたって話題になっているので僕も触れようと思いました。
◇クシュナー氏が外交決裂の要因の一つだったかもしれないが……。
質問者:
まず、実際にクシュナーさんは交渉にどの程度影響を与えたのでしょうか?
筆者:
クシュナー氏がどのような方なのか? についてまずご存じない方もいらっしゃると思うので解説しますと。
クシュナー氏はトランプ大統領の娘イバンカ氏と結婚しており、トランプ氏からすると娘婿になります。
ユダヤ教信者で第一次トランプ政権の際には上級顧問の1人として中東政策に携わりました。
主に関わった政策としてはイスラエルにあるアメリカ大使館をテルアビブから主要国では初めてエルサレムに移転しました。
イスラエルとハマスとの合意に際してもイスラエルにとって有利な合意(パレスチナ国家の制限)などを主導するなど「イスラエル側の人間」と捉えられても仕方のない要素はあるのです。
クシュナー氏が和平交渉に同席するということは「イラン側に圧倒的に不利な条件が提示される」ということを意味しているも同義だと捉えられてもやむを得ないと思います。
質問者:
それが事実だとするのなら玉川さんの発言は特に問題の無いような気がしますけど……。
筆者:
大筋では問題なかったかもしれませんが、僕からの視点で言いますと「ましてやユダヤ人ですよね」ここが大きく引っかかったのだと思います。
クシュナー氏のこれまでのイスラエル寄りの政治的スタンスがイランとの和平にそぐわないためにまとまらないのではないのか? と指摘するのならともかく、
「ユダヤ人であることを理由に排除」しようとしているように受け取られてしまうのです。
日本ではあまり馴染みのないことかもしれませんけど、世界ではいまだに「ヒトラー的な行動」を取ったり「ユダヤ人差別」に関して非常に敏感なんです。
ましてや背後にいる「イスラエルロビー」と言うのは大統領選挙に関わるぐらい非常に強大ですから、お金を使って言論を操作しようとしてきたり、そう言った事が無くても忖度してすり寄ったりする人間と言うのが多くいるわけです。
質問者:
なるほど……人種差別的に捉えられかねないという事ですか……。
詳しく背景を知っていれば筆者さんの言っているようなことと同じようにも聞こえてしまいますけどね。
筆者:
ただそれは類推できる程度にしか過ぎません。
高めからボールを投げつけて「俺の意図読み解け!」みたいな感じが気に入らないですし、コメンテーターとしては1流とは言えないというのが僕の感覚としてはありますね。
「イスラエルを擁護しかねない実業家がアメリカ人として交渉の場に立ち会うことは妥当なのでしょうか?」
こう言えば恐らくは大丈夫だったと思います。
宗教や出自を問うような言い方と言うのは差別発言に問われかねないので、
◇プロとして怪しいが起用される玉川氏
質問者:
筆者:
ですが逆に言えば「コメントしているだけでお金が貰える」という実に美味しい立場とも言えるんです。
例えば僕が見解を示しても1円を貰えない(せいぜいチアーズプログラムから数百円分のお金をいただける程度)ですが、
テレビに出ている同時間での高視聴率番組のレギュラーコメンテーターは見解・見識を示することで玉川氏は週刊誌報道では年収2千万円単位でお金が貰えているそうです。
つまりは「コメンテーターとして超1流のプロ」として扱われているという事なんですよ。
質問者:
確かにそれだけ年収があるとなると話が変わってくるような気がしますね……。
筆者:
プロであるのであれば僅かな捉えられ方の差、僅かな受け取られる側の印象の差を突き詰めていかなければいけないと思うんです。
台本を渡された時点でいつぐらいにどのようなことが議論されるのか大体わかっているはずなのだから、対応して準備しておく――それがプロとして求められていることだと思います。
僕ですら僅かな表現の差を気にしたり悩んだりしていることは多くあります。
「一流プロ」がこの「差別と捉えかねない」という差に気づけないという事は大いに問題だと僕は思いますね。
質問者:
なるほど……。そもそも玉川さんって物議を醸すような発言を時折されていますけど降板することは無いですよね? どうしてなんでしょうか?
筆者:
何の面白みも無い正論を語るだけの人間よりも炎上するような発言をする人間を起用する方が視聴率としては上がるからだと思いますよ(同モーニングショーは同時間帯の中では高視聴率だった)。
心理学的には嫌いなものに興味を持ってしまう事を「ヘイト・ウォッチング」という事があります。
これ以上の視聴率は望めないかもしれませんが、「悪名は無名より勝る」と言う言葉があるように安定したニーズを満たすだけの価値を玉川氏はある意味提供しているのだと思いますよ。
◇世間では「二元論」で語られてしまっている
質問者:
ネットでは世の中の議論を見ていると、
「玉川さんを叩く=イスラエル擁護派」
「玉川さんを擁護する=パレスチナ同情派(あるいはイスラエル反権力派)」
という構図になっているような気がするんですけど、これはどういう事なんですか?
筆者:
確かに僕の見解は極少数の気がしますね。
僕の考えをまとめるならば
「クシュナー氏がアメリカ代表として同行することは批判されることとしては妥当だが、表現方法が差別的でアウト」
という事だと思います。
実は玉川氏側を取るかどうかの話では無く、個別論点を分析してクシュナー氏が同席したことも悪いですし、玉川氏の表現方法も悪いという結論に達しなければいけないと思います。
質問者:
なるほど……論点の見方が違っているから世間と筆者さんが違うんですね。
筆者:
ただ、皆さん時間が無いですからね。僕は政治や国際情勢について調べる余裕がありますから周辺知識も分かっていますけど、全貌が分からず「玉川氏が嫌いだから」と言う理由で批判されている方もおられると思います。
質問者:
しかし、イスラエル大使館から注意されたとはいえ玉川さんは相変わらず出演され続けているのはある意味凄いですよね……。
筆者:
先ほども申した通りにそれだけテレビ局側が玉川氏が視聴率に貢献したと判断したのでしょう。
また、「ユダヤ人について少しでも悪いことを言おうものなら炎上するぞ」と言う警告を発するという「イスラエル側の貢献も果たした」と言う見方も出来なくは無いです。
視聴率が取れているとはいえ玉川氏に対してマイナスのイメージを持つ方が多い――その状況下で「失言」をして和平交渉を逆サイドから後押しした。
どういう形であれ日本からイスラエル批判が減ればイスラエルの攻撃も少しはやり易くなりますし、本件は必ずしもイスラエルにとってマイナスでは無かったはずです。
玉川氏が「失言」してくれたことが「台本通り」かまでは分かりませんけど、日本の世論にとって変化が出たのは間違いないでしょうね。
質問者:
意図的はどうかまでは分かりませんけど「認知戦」に活用されたかもしれないわけなんですね……。
筆者:
自らに有利になるためなら何でもするでしょうね。これが外国だけでなく日本政府もやりかねないことだという事を理解する必要があると思いますけどね。
という事でこのように政治や国際情勢について個人的な意見を発信していきますのでどうぞご覧ください。




