1/3
001/データが尽きる世界と「次の燃料」としての夢
ここ数年の生成AIの進化は、目が回るほど速かった。けれど、その裏側でずっと囁かれていた言葉がある。
「学習に使えるデータは、そんなに無限じゃない」
人類がインターネットに流し続けてきた文章、画像、動画――それらはすでに巨大モデルたちに食べ尽くされ、何度も何度も咀嚼されている。表に見える“コンテンツ”は増えているように見えても、その奥にある「人間の体験のバリエーション」という意味では、新規性は少しずつ薄まってきているのかもしれない。
じゃあ、AIは次に何を食べるのか?
外に出ている言葉や画像の次にある、もっと深い層。まだ誰にも見せていない内側――それが夢だ。眠っているの脳は静かどころか、馬鹿みたいにとても忙しい。覚醒中に取り込んだ記憶を繋ぎ直し、ときにはあり得ない組み合わせで世界を再構築する。
論理性も整合性さえも平気で踏み越えながら、私たちは夢の中で現実よりもずっと制限のない自由な「物語」を生み出している。
AIから見れば、それはこうだ。
「まだ誰も収集していない、人間由来のオーガニックで最高にリッチなデータ源」
そう考え始めるのは、あまりにも自然な流れだと思う。




