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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

僕は、君

作者: しう

僕 中学3年生

君 中学3年生

僕は必死に忘れようとした。男女のキラキラした恋愛物の漫画を読んだり、君の嫌いな所を一つずつ心の中で数えて「普通」になろうとした。自分を「普通」と思いたかった。

でもやっぱりその恋愛漫画にはときめかないし、君のことを考えてもその手の温もりと屈託のない笑顔しかでてこないんだ。どうしても。

僕は男の人が好き、僕は、他の誰でもなく君が好きなんだ。

ーー修学旅行で京都にいった。初めて行く清水寺ではまるで、自分の全てが見透かされてるような、そんな気がした。

「明日、班別行動楽しみだね」君が風情ある街を照らす月をみながらいった。もうみんな寝ただろうか。先生は今女子達の部屋を見回りしてるのか、足音は聞こえない。僕は、本当は出てはいけないベランダに君と二人きりという状況に、どこかロマンチックさと今が思いを伝える好機だと感じた。

おそらく君もこの状況をロマンチックだと感じたのだろう。「なんだか、ドキドキするね。」本来なら喜ばずにはいられない僕だが、「今僕が君と二人きりなのは、僕が偶然を装って君が一人でベランダにでているところに駆けつけたからだよ」ってめちゃくちゃ言いたかった。申し訳なさを感じるが、今を逃せばもうチャンスはないだろう。

「ねえ」僕がそう口にだすと、君は考え事をしていたのか少し驚いた顔でこちらを見る。それから、

「僕は君が好きなんだ。」ただその一言、たった数秒の言葉を言おうとして、何分たっただろうか。

少し気まずい沈黙が続く。今までの君との思い出や、本当にこの言葉を言うことは正しいのか、今の友達としての関係までもが崩れてしまわないか、他にも、他にも。そんなことを考えているうちに、視界がぼやける。君から見た僕は、今涙目なのだろうか。恥ずかしい。だが君はそんなこと気にする様子もなく口にする。「僕はーー」いや、気づいていないのか?それとも涙目なんかじゃないのだろうか。

「君が好きなんだ。」僕は俯いていた顔を上げる。驚いて、まるで元々涙なんて流していなかったみたいに、目が乾いて、視界がはっきりとする。月に照らされて光る。君の目が、濡れていた。そういうことか。君も涙のせいで気づいてなかったんだ。僕ははっきりと見えていたはずの視界が、またぼやける。

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