1-10溺愛してください
「デクス様、やっと私たちの結婚式です!!」
「ああ、本当にこれで公式にシャインは俺のものだ!!」
「私はデクス様のものです、でもデクス様も私のものです」
「その通りだ、それで構わない。俺の可愛いシャイン、そして俺の大事な花嫁」
「本当にいろいろなことがありましたね、十年前の襲撃の犯人が捕まったのには安心致しました」
「あの犯人がラーデン国と繋がっていたとはな、だがおかげでお互いの国で不穏分子を始末できた」
十年前に私たちが乗った馬車を崖から突き落とした犯人は、ラーデン国の不穏分子と繋がっていた。私のお父さまのところに密かにラーデン国からその知らせがあって、お父さまは国王陛下とその情報をよく活用して、私たちを襲った貴族の家を潰した。十年前に狙われていたのはデクス様だった、そうして後継者がいなくなった国が混乱したの隙に、その貴族の家はラーデン国の不穏分子と乗っ取る気でいた。
でも私とデクス様はなんとか十年前の襲撃で生き残った、だからその貴族はトレーテン公爵家という大きな貴族だったが、ラーデン国からの情報でストラスト国軍から攻め滅ぼされた。そのトレーテン公爵家の一家郎党が処刑されることになった、これでストラスト国では大きな改革が行われ一気に貴族の整理がされた。そのくらい大きな黒幕だった、デクス様が十年前に死ななくて本当に良かった。
「デクス様、国を治めるのは本当に大変ですね」
「ああ、時には腐った大きな枝を切り落とさないといけないことがある。そうしておかないとその樹自体が倒れてしまいかねない、トレーテン公爵家の取り潰しとはそういうことだ」
「私にもできるでしょうか、この国を良い方向に導いていけるでしょうか?」
「大丈夫だ、俺の可愛いシャイン。君が俺をずっと傍にいて支えてくれれば、必ずこの国は俺たちの理想とする国へと変わっていくだろう」
「私はデクス様のお傍にずっといます、でもデクス様。もうそんなに昔のことを気にして、私を溺愛しなくてもいいんですよ?」
「………………それは違う、シャイン」
私はデクス様が私のことだけを異常に溺愛するのは、昔の私がデクス様の命を助けたからだと思っていた。だからそれを否定されて私は首を傾げた、デクス様は頬を赤くした顔をして私の手を握りしめた。とても体温が高くて温かい大きな男性の手だった、そうして私の少し冷えきっていた手をデクス様は温めてくれた。それから、今度は物凄い勢いで私にデクス様は喋り始めた。
「俺はシャインが本当に好きなんだ、好きになったのは命を助けて貰ったせいもある。でもそれだけじゃない、俺に笑ってくれる可愛い笑顔、俺に話しかけてくれる綺麗な声、それに何より俺を愛してくれる君の温かい気持ちが好きなんだ。だから俺はシャインを溺愛してしまいたい、俺に人に愛されたり、人を愛するということを思い出させてくれたのは君なんだ」
「デクス様、これ以上私がデクス様に溺愛されたら、私は本当に溺れてしまうかもしれません」
「むしろそうなって欲しい、俺は本当は君が一人で何でもできることを知っている。王太子妃教育でも君は物覚えが良く努力し続けて自分の力でやり遂げてしまう、でも俺だけに本当は頼って欲しい、他の奴には絶対に渡したくない。本当にシャインが俺の愛情に溺れてしまえば良い、俺は君を溺れるように愛したいんだ」
「私は十分にデクス様からのその激しい愛情に、いつも溺れてしまっています」
「でも君は心が強いしっかりとした女性だ。だから俺を上手く甘やかして溺愛することを許してくれる、でも本当に心から俺の愛情に溺れてはくれていない。シャインは自分というものをしっかりと持って一人で立っている、でも俺は君の右足になりたいくらいに君を愛しているんだ。そうやってシャインの体の一部になって、ずっと君の傍にいて君から俺は必要とされたいんだ」
「私だってデクス様をもう溺愛して必要としています、うんと甘やかして私なしでは生きていけなくしたいです」
私はそう答えるとデクス様の体を抱きしめた、デクス様とのこれまでの沢山の思い出が頭の中をよぎった、そうしてその一つ一つがとても愛おしかった。デクス様のことが私は本当に好きで、私がいないと彼が生きていけないくらい溺愛してあげたかった。それはデクス様を駄目にするような気がしていたから、私にはできなかったが本当はそうしてしまいたかった。
「シャインが俺を溺愛してくれるとは楽しみだ、きっと君なしでは生きていけなくしてくれるだろう」
「でもデクス様、いざという時の為にそれはしてはならないでしょう。デクス様は国を治める方なのですから、だから私はデクス様を溺愛するのを我慢してみます」
「そんな我慢なんてしなくていい、シャイン。むしろ俺のことを甘やかして溺愛して欲しい、何故なら俺にシャインを手放す気はないからだ、シャインからの愛に俺は溺れてみたい」
「私がデクス様を溺愛しても良いのですか、それで国が傾いたりしませんか。私は本当にデクス様といつまでも一緒にいられるでしょうか、それだけが私は心配で仕方ないのです」
「そんな心配はする必要がない、もうシャインは俺の体の一部みたいなものだ。時々、可愛い抵抗をして俺から逃げ出そうとするが、決して俺は君を逃がしてはやらない」
「私がデクス様から逃げようとする時は、私がもう嫌だと言っているのにデクス様が私を酷く抱く時だけです。デクス様ったらいつも手加減するからと言って、本当には手加減してくれないんですから」
私がデクス様が逃げ出すことはほとんどなかった、ほとんどと言った理由はデクス様は私を抱いてから、その快楽に溺れるようになったからだった。一度デクス様が私を抱いてしまいはじめたら、その甘い責め苦は時には一晩中続いた、そして休憩をはさみながらそれが数日に渡ることすらあった。それでは執務が滞ってしまうから、私はデクス様から逃げ出そうとするのだ。これは私が悪いわけではなかった、デクス様の性欲の強さに問題がある話だった。
「シャインの体も心も魅力的で堪らないんだ、でも最近は執務をきちんと数日先まで、先に片付けるようにしているから大丈夫だ」
「だからといって数日間私をお抱きになるのはお止めください、私はデクス様を誘惑する淫魔のように言われることもあるのです!!」
「実際に俺はシャインから誘惑されて、それで君を激しく抱いてしまうんだ。その淫魔というのもあながち嘘とはいいきれないな、君は俺を誘惑する甘い密のようなものだからな」
「わっ、私は誘惑なんてしていません!! デクス様が勝手に興奮されるのでしょう、私がお風呂から上がってきたらいつものように襲われますし、ちょっと服を薄着に変えただけでも襲われています!!」
「あれは俺をシャインが誘惑しているのだと思っていた、風呂上りの君はしっとりとした肌をしていて思わず舐めたくなるくらい可愛いんだ。少し体が透けてみえる服だと、君の魅力的な体がよく見えて俺を興奮させるんだ」
「もっ、もう分かりました!! デクス様は性的に興奮しやすい方だと言うことが分かりました、もうお風呂上がりの姿は見せませんし、薄くて肌が見えそうな服は着ないようにします!!」
そう私が怒っていうとデクス様は楽しそうに笑っていた、それは私が本気では怒っていないから、だからデクス様は私のささやかな抵抗が面白くて笑っているのだ。そして私はデクス様に捕まって、それから口を塞ぐようにキスをされた。それは優しくて甘いキスだった、デクス様は何度も、何度も私にキスをして深い愛情を示した。
「まずい、本気で君が抱きたくなってきた。その花嫁衣裳の純白のドレスも素敵だ、思わず脱がせたくなってしまう」
「がっ、我慢してください。デクス様、もうすぐ結婚式が始まるのです。ああ、私の口紅をこんなに唇におつけになって、私の化粧も崩れてしまってはいませんか?」
「大丈夫だ、いつもどおりに可愛いシャインの唇が俺を誘っている。ああ、本当に君が抱きたくて堪らなくなってきた。シャインが俺を誘惑するから悪い、シャインはとっても悪い子だ」
「それを言うなら毎日のように私を抱くデクス様も悪い子です、婚前交渉はあまり褒められたことではないのですよ。それをデクス様は一度抱いたら、何度抱いても同じことだと言われて!!」
「婚前交渉がどうとか言う貴族どもなど放っておけ、こんなに魅力的な女性を成人しているのに抱かないなんて無理だ。きっと俺がシャインを抱いているから、嫉妬してそんなことを言うだけだ」
「そんな私に誘惑できる男性はデクス様だけです、私は胸もそんなに大きくないですし、肌も白くはありませんからそうです。あっ、いいえ。私はデクス様を誘惑などしていませんから!!」
私がしまったと思った時にはもう遅かった、私は王太子妃のベッドの上にデクス様から押し倒されていた。『私に誘惑できる男性はデクス様だけです』なんていったのがまずかった、完全にデクス様は私を抱く気になっていた。もうすぐ結婚式が始まるというのに新郎も新婦もいなかったらどうなるだろう、デクス様は第一王子なのだから近隣の国から招待客もいるはずだった。
「デクス様、もうすぐ結婚式が始まるのですよ!!」
「ああ、分かっている。分かっているが、一度だけだ、シャイン」
「そう言って一度で終わった試しが、全く無いではないですか!?」
「いや、さすがに今日は一度で終わらせてみせる」
「それなら良いって言うわけがないでしょう!? デクス様、冗談は止めて結婚式場へ行きましょう!!」
「俺はそんな冗談など言わない」
デクス様は情欲にまみれた眼差しで私を見下ろしていらっしゃった、そしてすでにスカートの中に手を入れていた。私は早急にでも気持ちの良い愛撫をされて、デクス様を受け入れるところを濡らしてしまった。そうして私は花嫁姿のままでデクス様から気持ちの良い愛撫を受け続け、白い純白のドレスをまくり上げられてデクス様に体を貫かれた。
「やぁん!! 駄目だって言ったのに!? ああっ、はぁ、あああぁぁぁ!!」
「結婚式がもうすぐ始まるからな、残念だが本当に一回だけだ。シャイン」
「いやぁ!! もうぬいてぇ!! ああっ、ああんっ、ひゃ!? ああ!! はぁ、はあぁ!?」
「いややっぱりシャインの中は気持ちが良いな、一回で止めるのが惜しいがまた後の楽しみにとっておこう」
「いあぁ、デクス様。そんなに激しくされたら!? ああ!! ああ!! あああぁぁぁ!?」
「はぁ、はぁ、可愛い俺のシャイン。それじゃあ、化粧をなおしてもらおう、そして結婚式に行こう」
私はデクス様に一回だけだったけれど抱かれて乱れた、しかも結婚式が迫っていたから何が遭ってもいいように侍女たちが待機していた。私ははしたない声を彼女たちに聞かれていたことが恥ずかしかった、ドレスのしわや化粧をなおして貰っている間も私は恥ずかしくて堪らなかった。それなのにデクス様はしれっとした顔をして、侍女たちから僅かに乱れた服をなおして貰っていた。私は後で絶対にデクス様をお仕置きしようと思った、結婚した初夜に一人で寝かせてやろうかとも思った。
「シャイン、今夜は初夜だから俺は一人寝など絶対にしない」
「でも、デクス様が今のは完全に悪いです!!」
「何を言うんだシャイン、君が俺を誘惑するのが全て悪いんだ」
「私はデクス様を誘惑なんて、そんなことはしていません!!」
「そんな悪いことを言うならお仕置きだ、一週間はベッドから出れないと覚悟しておくんだ」
「ええ!? そんなことは理不尽です!! 完全にデクス様の言いがかりです!!」
私にはデクス様に言いたい文句が山のようにあったが、デクス様は全くそれを聞く気が無かった。いいや私から文句を言われて反論して、私を論破するのを楽しみにしているようだった。私は結婚式という大事な日なのに泣きたくなってしまった、化粧が崩れるから私はそれを必死で我慢していた。それに他のことも私は我慢していた、デクス様に貫かれた体はもっと刺激を欲しがっていたのだ。
「うん、俺のことを欲しがって我慢をするシャイン。そんな君はとても美味しそうだ、俺は結婚式で君を押し倒さないか心配だ」
「何を言っておられるのですか、デクス様がこんな体にしたのですよ。もう、責任をとって謝ってください!!」
「ああ、この結婚式が無事に終わったら、いくらだって謝ってあげよう。シャインの右足にキスをして、そして土下座をしてから足元から責めてみよう」
「それ以上何もおっしゃらないでください、デクス様ったら私を混乱させることばっかり言われてます!!」
「それじゃあ、結婚式場に行こう。俺の可愛いシャイン、そして大事な花嫁」
「はい、分かりました。もう本当にデクス様ったら、私への溺愛が度を超えています!!」
そうして私は結婚式場へとデクス様からエスコートされた、そこには多くの貴族や招待客が来ていて、さっきまで私とデクス様がしていたことが幻のように思えた。でもそれは決して幻ではなかった、私は結婚式がはじまっても、下半身にうずきを感じてしまっていた。だから私は花嫁に被せられたベールの下で真っ赤な顔になっていた。
きっと私は酷い顔をしているはずだったから、白いベールがあって本当に良かった。そうして私とデクスさまは言葉でこれからお互いを愛することを誓った、そうして結婚式が終わったがまだ披露宴が私たちを待っていた。私は臣下たちの挨拶と祝福を受けながら、必死に下半身のうずきを我慢していた。そして数時間が経って私たちはやっと退席することになった。
そうしたらデクス様が私をいきなりお姫様抱っこした、そのまま王宮の廊下を走って王太子の部屋に向かった。そうして私はデクス様に王太子の部屋に運ばれ、ベッドに優しく降ろされてまた押し倒されていた。それからとろけそうなな表情でデクスさまは私を見た、その目にはまた情欲が入り混じっていた。それから、デクスさまはこう言ったのた。
「シャイン、俺を溺愛して甘やかしてくれ。だって俺は君を溺れるように愛しているのだから」
「デクス様もどうか私に溺れるような愛をください、だって私も貴方を溺愛しているから」
そうして私たちはお互いを求めあって愛し合った、デクス様は本当に一週間私を放してくれなかった。そしてデクス様の溺愛はまた酷くなったが、私はデクス様を愛していたからそれを許してあげた、そうして彼だけを見て彼のためだけに生きていった。そしてデクス様は素晴らしい良い政治をした、後の歴史にはデクス様の善政が記録に残り、それに加えて私たちは稀に見る溺愛し合った夫婦だったと語られるようになった。
最後までお読みいただきありがとうございました!!
溺愛し合う二人はどうだったでしょうか!!
最近の作者の制作意欲は、読者である皆さまにかかっています!!
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