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第216話:国家共有武闘会06


「あはは」


 事の顛末を話すとレイヴは爆笑した。


「辻斬りさんを武闘会に!」


「正気の沙汰だがなぁ……」


 アインはぼんやりと言った。


 とりあえずホテル内ではアイス卿を演じる必要もない。


「結局武闘会って何するんだ?」


「戦う」


 脊髄反射の言葉だった……あまりに潔すぎて、逆に何を言われているのか分からないようで、分かってしまう。


「それはまぁ」


 むしろ他に何をするのか?


 そんな思い。


「参加資格は?」


「予選を勝ち上がること」


「予選……ね」


 ホケッと。


「それより!」


「何だ?」


「寝よう?」


「いいんだが……」


「いやん」


「相手が欲しいなら見繕え」


「もう見繕ってる」


「師匠は性交できないぞ?」


「そっち?」


 珍しくツッコミに回るレイヴ。


「俺はお前が趣味じゃ無いしな」


「可愛いよ私!」


 万歳するレイヴ。


「いきおくれ」


「ぐ……」


 スタートゲイザー。


 起源の一つだ。


「鬼一。アインが虐める」


「かか!」


 大笑する鬼一。


「アインは童貞じゃから」


「まぁそうなんだが……」


 ガシガシと頭を掻く。


「童貞!」


「童貞じゃ」


「いい加減にしろよお前ら」


 とはいえ、アインに止めることは不可能だが。


「お姉さんが教えてあげよっか?」


 蠱惑的な声になるレイヴ。


 美少女性に美女性が加味される。


「そういうのは好きな奴とやれ」


「ヘタレだなぁ」


「ヘタレじゃの」


「じゃ、寮に戻るか師匠」


「だぁめぇ!」


 哀願するレイヴ。


 こういうところは外見相応。


「お前は俺に何を望んでいるんだ?」


「英雄譚!」


 清々しくレイヴが言って、


「かはは!」


 と鬼一が笑う。


「師匠も止めてくれよ」


「無理じゃ」


「…………」


 ボスッとアインは最高級品のベッドに身を投げる。


「楽しくなりそうだね」


 ワクワクとしている教皇。


「何がだ?」


「今夜」


「却下」


「後は武闘会も」


「予選落ち……は可能か?」


「無理じゃないかなぁ」


 巫山戯た論じ方では無い。


 二人揃って、


「アインが予選落ち」


 の未来を描けない。


「かか!」


 大笑する鬼一。


 ベッドに立て掛けているソレを蹴倒す。


「暴力反対」


「じゃかあしい」


「ほとんど夫婦漫才の域だね」


「何気に一番長い付き合いだからな」


 実父に捨てられたアイン。


 拾ったのが鬼一だ。


 虎の巻。


 翁と媼にも恩はあるが、


「アインというレゾンデートルの確立」


 は鬼一によるところが大きい。


「それでこの待遇?」


「甘やかすとつけあがるから」


「可哀想なわしじゃ……」


「和刀が泣き言述べてもな」


 アインは半眼で睨むのだった。


「いいか」


 気にしないことにしたらしい。


「おやすみ」


「のチュー!」


「却下」


 ガシッとレイヴの頭部を掴んで枕に叩きつけるアインだった。


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