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第142話:背信の魔窟06


「そんなわけで後宜しく」


 鬼一を通して思念チャット。


 アインは教皇レイヴと交渉していた。


「アインのトラブル体質も此処まで来れば聖遺物級だね」


「はっはっは」


 誰のせいだ。


 とは言わなかった。


 多分レイヴも自覚はしている。


 それで悪びれないのだから、


「どうにでもしてくれ」


 と言う気分にもなるアイン。


「しかし戦力をガギア帝国に割くとなると」


「暇しているサウス王国に軍隊を派遣して貰えよ」


「それしかないね」


 落とし処としては十分可能な範囲だ。


「帝都の方はどうだ?」


「平穏そのもの」


「ケイオス派がいてか?」


「魔法騎士団……だっけ?」


「それだ」


「なんだか他国で大暴れらしいよ?」


「自国への攻撃は」


「今のところ報告には上がってない」


「…………」


 考えるところはあるにはある。


「じゃの」


 鬼一の思考もアインに沿っている。


「審問官すら無事なのか?」


「ええ」


「というかそうでなければノース神国を刺激する形になるじゃろ」


「イエス」


 レイヴは鬼一にそう答えた。


「そっちは?」


「散発的に魔族やケイオス派に襲われたな」


「何故過去形?」


「いきなりなりを潜めた」


「ま、アイン相手に返り討ちに遭うのもうまくはないけどさ」


「その辺だろうな」


 魔族の顕界顕現も幾つか条件がある。


 雨後のタケノコの如くポコポコ現われるのなら人類はとっくに殲滅されているのだ。


「とりあえず学院長の行方だろうな」


「然りじゃ」


「保護しているジリアちゃんは?」


「教会」


「守ってあげてね」


「お前の威光があれば問題なかろう」


「帝室の維持も範疇ではあるけどさ」


「せめて給料分くらいは働け」


「働いてるよ」


「しわ寄せがこっちに来なければ言うことないんだが……」


「そこはまぁ教皇ですから」


「それで済むんだからスタートゲイザーは」


「にゃはは。尊崇した?」


「唾棄した」


「酷い」


「どっちがだ」


 あまり建設的とは言えない応酬になってきた。


 ともあれアインは教会に戻る。


「何かあったら連絡くれ」


 レイヴにそう言い残して。


「きさんも愛されとるの」


「悪魔か死神にな」


 もっと言えば疫病神に。


 スルリと教会に入ると、


「お帰りなさいな」


 ジリアが出迎えた。


「どんな感じだったでしょう?」


「色々と駄目だな」


 率直な感想としてはその通り。


「学院にまでケイオス派が侵食してる」


「学院ならたまに散発しますわよ?」


「まぁな」


 自国の学院を顧みて、


「あまり特筆されることでもない」


 のはアインも同意見だ。


「その上で」


 陶器に水を注いで傾ける。


「魔族の侵食が少し見て取れるな」


「市民にも……」


「実際にお前が襲われたからな」


 コクコクと喉がなる。


 水を飲み干す音だ。


「コロネはまだか?」


「はい」


「さいか」


 嘆息。


「どう思う師匠?」


「さての」


 思念での会話。


「あまり後れを取るとも思いがたいのじゃが」


「殺しても死なないは信仰の常だな」


「然りじゃ」


 あまり笑えない類のやりとり。


「ま、何はともあれこれからじゃ」


「とは云ってもな」


「現場百回……じゃろ?」


「仰せの通りで」


 他に言い様もなかった。


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