【番外編】アンドレアは干からびる
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私たちはアカデミーで正式に結婚して、この国に帰ってきた筈だ。
なのに、なんで一緒に住めないのー。慣例が…なんて、かろうじて王宮に住んでいるものの。正式なお披露目までは別室なんて酷すぎる。
クロード不足で干からびてしまうわ。
しくしく。
「お嬢様、1日三回もブラッシングしてもらっておきながら、これ以上は流石に。」
「嫌よ。クロードとずっと、一緒にいたいのよ。」
ふんだ。私はどうせ悪役令嬢よ。我が儘言っちゃうもんねー。
あれ?愛しい番の気配がするわ。
「アンドレア、淋しい想いをさせてすまなかった。」
クロードが私をひしっと抱き締めた。
番の腕の中、幸せだわー。
スレンダーなのにこうして抱き締められると厚い胸板がたまりません。
「クロード、淋しかったわ。許してなんてあげないんだから。」
悪役令嬢を愛したあなたが悪いのよ。私はヒロインみたいに簡単に許してなんてあげないんだから。
「アンドレア、式の準備が出来た。来週からは一緒に暮らせるぞ。」
え?王族の式って最短でも1年半はかかるんじゃなかったっけ?
戻ってきてから2週間もたってないけど…。
「来週って?」
「アカデミー留学の準備の時に、式の準備も始めたからな。」
え?あの黄金竜騒動の真っ只中で?単位が一年で取れるとは限らない中で?私の返事かNOだったら、どうしたのよ。
「クロード。」
クロードが私を離して私の前に片膝を付いた。私の手を取る。
揺らめく瞳に吸い込まれそうだ。
「アンドレア。貴女が傍にいてくれないと狂ってしまう憐れな黄金竜に慈悲を…。」
影のある淋しげな番の表情に悶えてしまうわ。
「よろしくてよ、クロード。」
「でしたら、我が番。式までの一週間、私とともに視察旅行はいかがでしょうか?」
楽しみだわ。私のしっぽがクロードに絡まる。クロードと一緒ならそれだけで幸せよ。
本日より「悪役令息アレックスは残念な子なので、攻略対象者の執着に気付かない」が始まります。
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