表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】けもみみ悪役令嬢は婚約回避する。~前世の推しを諦める決意をしたのにまさか運命の番だったなんて~  作者: 降魔 鬼灯


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/26

私はハープを希望します。

本日2話目です。



ゲームでは、クロード殿下はハープを、アンドレアはバイオリン、ユリウスはフルート、エドワードは打楽器、アルバートはパイプオルガンを弾いていた。


今もバイオリンは、私の得意な楽器だ。

私の右に出るものはいないだろう。

普通に考えれば、私はバイオリンだ。

だが、しかし。


今回の目的は思い出作りなのだ。


あの神シチュエーションを再現する為にクロード殿下とふたりで一つのハープを奏でたい。

五歳の時からクロード殿下とハープを弾いてきた私は、実はハープも得意だ。

ひとりでも存分に演奏できる。

しかし、ふたりで弾くことに意味があるのですよ。


若干ひいていたアルバート第二王子を視線で制した私はクロード殿下とふたりで一つのハープというご褒美を勝ち取った。


ユリウスとエドワードが、生温い笑顔を貼り付けていたって構うものか。



あと、3ヶ月しかないんだ。

だったら、やりたいことをやろうではないか。

溢れる煩悩を満たしたい私と本能に忠実な獣性が、ガッチリ手を組んだ瞬間だった。




「アンドレア。明日が楽しみだね?」


最後の二人きりでの練習。

王子宮のホールで、クロード殿下に後ろから抱き込まれながら、ハープを弾く。

前からはハープの名手である殿下の奏でる天上の音楽、後ろからは殿下の低音覇王ボイス。

がっしりとした身体に包み込まれる安心感。

運命の番の抗いがたい匂い。

クロード殿下から与えられる夢のシチュエーションにもう夢見心地だ。

この一月幸せだった。


この練習が、今日で終わるなんて。


「明日で、こうしてふたりでハープを弾くことが、なくなるなんて、寂しくなりますわ。」


「アンドレアは、悪い子だね。」


悪役令嬢ですもの。筋金入りよ。


「アンドレア。来年はふたりで出よう。」


来年は皇国にいる。

そして、来年、この腕の中にいるのはレン。

残酷な現実に涙が一筋零れ落ちた。



いつもお読みいただきありがとうございます。


スクロールの先にある星や、ブックマーク、感想などをいただきありがとうございます。嬉しいです!


これからも毎日更新していけるよう頑張りますのでよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ