根っこから
無いものねだり。
子供のときも今も、
土に混じっている。
水に浸かっている。
ああ、求めても
いないのに、
求めているような
ふりをして。
無いものねだり。
根っこのことだ。
心の下っ腹から
生えている根っこ。
草木や花に叱られる。
誰も愛してなんか
いないんじゃないか。
なのに守られて。
無いものねだり、
駄々っ子みたいに
手足を振り回せば
いいものを。
会いたいと思っても、
根っこを切りもしない。
そうこうするうちに、
今日も雨降りだ。
無いものねだり。
良いか悪いか心地よい。
眠っていても潤う。
まだ生きられる。
新しい根っこが
また伸びてゆく。
土に混じって、
水に浸かってゆく。
無いものねだり。
根っこを入れ替える。
入れ替えるには、
一度、切らないと。
夢を見て追いかけて、
諦めて黙り込んで、
根っこから心ごと、
根っこから入れ替えろ。