私が豆まきをしない理由【コメディー作品】
そろそろ節分がやってくる。
スーパーでも、たくさんの豆が陳列されていた。
きっと豆を投げる人たちはドSにちがいない。
とりあえず私は、動物愛護精神にのっとり、鬼に豆を投げるのはやめておきたいと思う。
なんという優しい人間なんだろうか。
そして、なんという人格者なのか。
きっと私のそんな在り方を見た女性はみんな私に惚れるにちがいないと思う。
きっと感動して多数の女性がバレンタインに「義理チョコ」を持って私の前になだれ込んでくるにちがいない。
ただ、残念ながら、動物愛護精神から、豆まきを自粛するというのは建前であり、
豆を当てられた鬼が怒って、金棒を持って「お礼参り」にくるのが怖いからというのが本音である。
ただよく考えたら、そもそも、一人暮らしだから豆を当てる機会がそもそもないではないか。
とりあえず自分で鬼の面を被って、自分で自分に豆を当てるしかないな。
あまりの寂しさに鬼の目にも涙である。