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67、モフモフが大好きなため イベンド三日目

 イベント三日目。

 三日目は一日目と同じ階層の条件をクリアするとすぐ上がるというルールだった。

 [21階:150ヒットを達成すること]

 [22階:レッドキャップ20体討伐]

 [23階:レッドゴーレム討伐]

 [24階:隠した13本の蝋燭を灯すこと]

 [25階:ファイアスコーピオン50体討伐]


 皆の力を合わせて、メアリーたちは速やかに25階に辿り着いた。

 しかし、ここで苦戦を強いられてしまうのだ。


 赤いレンガの壁に囲まれた迷宮に、メアリーたちは渾身が堅く殻に包まれたサソリの群れに包囲されてしまう。


「シャドウムーブ、影斬り!」


 ライナーが即座に影に潜り込んで、水の刃をサソリに斬り込むが、[影斬り]は単体攻撃のため、敵を速やかに倒すことが極難しいだった。

 この間に、サソリは既に攻撃を準備しており、その赤く尻尾から火の玉を次々にメアリーたちに撃ち出す。


「ミラーバリア!アンド、魔法誘導!」


 鏡の障壁が展開されると、その攻撃を全て跳ね返して、サソリの群れに撃ち込む。

 しかし、同じ火属性のせいで、ダメージをあまり与えなかった。


「おいらに任せて、女神の施し!そして、速度上昇(スピードアップ)!」


 バフを自らに付加(エンチャント)したレオラは敵陣へ突入し、メイスを振り回って攻撃を始める。


 このような激しい戦いに、メアリーはレッドクマを呼び出し、皆を守る以外に何もしてなかった。

 そして、いつも活躍していた三匹のモフモフの姿も見っていないのだ。


 その原因は、三日目のボスが火属性と判明してきたため、ボス戦のポイントを大量稼ぐため、ボスと戦う前に、メアリーの水属性攻撃を温存するのだ。

 そして、[精霊武装スピリットアーマー]を使うため、召喚獣を全て解除しなければならない条件があった。

 休憩エリアの隠しクエストを攻略するため、フェルたちの召喚も取っておいたのだ。


 しかし、戦いを見つめると、メアリーは心の中を掻きむしられるような激しい焦燥を感じる。


「やはり、私はウンディーネで敵を一気に…」


 ウンディーネを召喚しようとしたところに、アヤメはメアリーを止めていた。


「最初からもう言ったわ!ボスまで全ての敵があたしたちに任せて。メアリーちゃん忘れたかしら?」

「でも…」

「安心するのじゃ!こんな虫、あたしたちの敵じゃないのじゃ!詠唱が終わったのじゃ!雷皇!」


 アヤメの凝縮詠唱してきた魔法を撃ち込むと、ついにサソリを全て始末してきた。

 と同時に、アナウンスが響く。


『クリア条件達成します!ただいま次の階層に転移します!』






 転移の光が消えていくと、26階の様子が明らかになる。

 そこには、霧のように降ってくる火山灰に襲われた広い荒野であった。

 そして、遠くに火山が真っ白な煙を噴き上げる。


『26階クリア条件:溶岩地獄の入口に到達すること』


 ネフェは周りを見渡す。

 焼けて黒くなった焦土以外何もなかった。


「このような荒野で溶岩と言ったら、きっと火山のところだね」

「おいらもそう思うよ。さてと、火山に向かお!」

「待て、メアリーちゃんが何を見つけたわ」


 メルアの話を耳に届くと、皆の目線が真っ逆の方向に眺めてメアリーに集まる。

 しかし、皆はそこに曇り空と繋がる地平線しか見えなかったのだ。


「メアリー、まさか入口はあっちと言わないよね?」

「レオラ、待てください」


 メアリーはそう言いながら、振り回って火山の方を見晴るかす。

 すると眉根を寄せて困惑した表情を見せる。


「両方ともマグマを見ちゃった。どうしよう」

「そう…か」


 選ばなければいけない状況に臨んで、ネフェは少し考えると、意見を言う。


「あたしは火山の方が入口だと思うけど、逆の方が隠しルートがあるかもしれないぜ!」

「なるほど、確か近道の方がより早くボスのところに着くよね。隠しボスが出ったらおいらに任せろ!」

「そうだぞ!こんな時きっと近い方が選ぶぞ!」

「ちなみに、メアリーちゃん、どちらが近いかしら?」


 メアリーはマップを確かめる。


「うむうむ、火山の方が8キロ、逆の方が10キロですよ」

「「「「「10キロ――っ!」」」」」






 再び討論した結果。

 メアリーたちは隠しルート可能性のある方向に足を踏み出した。


 メアリーのチートな視力のおかげで。

 途中で出ていく火属性のコウモリやトカゲなどのモンスターを易々と倒しながら、進んでいた。

 しかし、10キロの道程がほぼ2時間掛かってしまったのだ。

 その原因は、フェルとルーチェに頼りすぎるライナーとレオラ以外の全員は途中で休憩を三回取っていたのだ。


「はぁぁ…またかしら。足が棒になっちゃった…」

「あたし…もうダメだぜ!」

「あたしもじゃ!足がもう何も感じないのじゃ!」

「あらまぁ~フェルちゃんがいないと確かに不便だわ~」

「早く起きろ、もうすぐ着くよ!」

「そうだぞ!皆が本当に運動不足だぞ!」






 四回目の休憩が終わる。

 再び前に進むと、ついに、高熱の空気が漂って火の海が皆の前に現れた。

 そして、マグマの向こう側にある洞窟の入り口と隣に設置するレバーがメアリーたち目に映る。

 しかし、20メートルの長さがある火の海に向こう側と繋ぐ道が一切無し。





「どうやら、あのラバーを下げないと、通り道が出ないよね」

「せっかくここまで来たのに……やはり、ここでルーチェちゃんを召喚すべきだ」

「待て、さっき言ったでしょう。ボス戦の前に全て僕たちに任せてくれ!レオラ、バフを願い!」

「了解!付加(エンチャント)速度上昇(スピードアップ)!」


 ライナーは後ろ20メートルほど後退し、力を両足に込める。


「疾風迅雷!」


 そう叫ぶと、ライナーは白き雷の如く全速で駆け出す。

 マグマの前にやってきた瞬間、全力で跳び出した。

 ほぼ半分の距離で落ちていくが、二段ジャンプのスキルで空を踏み、ばねのように向こう側に飛び出した。

 しかし、計算は少しのミスが起こったそうだ。あとほんの僅か距離で成功する時、ライナーは強烈な力に引き寄せられたようにマグマに落ちていてしまう。


「しまった!」

「諦めじゃダメ!いっけい、クマさん!」


 肝心な時、メアリーはレッドクマの召喚石を投げ出した。

 するとライナーの足下にクマが召喚された。

 いくら火属性の召喚獣と言っても、火の海の中に長い時間とめるはずがない。クマのHPが物凄いスピードで減りつつ。

 しかし、ライナーにとって、一秒だけでもう十分だった。

 クマを踏み台として、膝をのばして一気に対岸に跳び移っていた。


 ライナーがラバーを下げると地面がぐらぐらし始まる。

 続いて、マグマの下から岩石の道が浮かび上がってきた。

 メアリーたちは岩の橋を渡ると、対岸に辿り着いた。


「さっき危なかった…サンキュー!メアリー!」

「いいのいいの、無事で何よりよ。それなら、前に進もう~!」


 こうして、ウキウキしてメアリーたちは洞窟の中へ足を踏み入れる。


お読みいただきありがとうございます。


この度、自分の拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。

『面白い』『続きが気になる』と思われましたら、是非ブックマークの登録をお願いします。

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