61、モフモフが大好きなため スケルトンナイト討伐
光が消えていくと、部屋の全貌が明らかになる。
そこはドーム状の広い空間だった。
壁と天井は青く輝く結晶に覆われている。
そして真中には氷で作られた巨大な台座。
そして、そこには3メートル高さのある氷の鎧を纏った骸骨が立っていた。
「せっかく綺麗な場所なのに、どうしてこんな醜い像が立つのよ!」
「メアリー!それは彫像じゃなく、ボスだ!」
ボスが二人に気付いて咆哮すると体の周囲に青いオーラを展開する。
続いて台座から飛び降りる。
氷の長剣を抜き出すと突進しつつ乱暴に振り抜く。鋭い剣圧と共に迫って来る。
「ルーチェちゃん、飛べ!」
メアリーはルーチェに乗って、空を飛んで攻撃を避けていた。剣圧が勢いままレオラに襲い掛かる。
「女神の施し!そして、速度上昇!」
レオラが直ちにバフを付加して、自慢の回避能力で剣圧を躱しつつボスに近づいていく。
「くらえ!」
レオラはメイスを取り出し、ボスを叩きつけるが、それはすべてボスを覆う、青く輝く結晶に引かれてしまった。
「うわぁ!硬!あれを破らないと…」
「私に任せて、スズちゃん、火炎弾連射!」
スズが四つの火の玉をボスに撃ち込む。
氷のオーラが火炎弾に撃たれると直ちに水蒸気となって蒸発していた。
「チャンスだ!」
「オーケー!くらえ!」
レオラがこのタイミングで乱暴にメイスを叩きつけるが、ボスのHPバーが全く減っていなかった。
そして、青い鎧に当たった攻撃が全てレオラに反射してしまった。
幸いにしてレオラの[STR]はゼロのため、ダメージをあまり受けなかった。
「不味い!おいらの攻撃を全く通じない!」
ボスが剣を振るとナイフのように鋭い氷の礫が射出される。
距離が近すぎるため、レオラが直撃されたが、[緊急テレポーテーション]の効果で無事で攻撃を躱した。
また同じ攻撃にやられてはいけないと思って、レオラは後ろに走ってボスと距離を取る。
レオラが苦戦に強いられた際、空にメアリーの声が響く。
「フェル、粉砕の咆哮!」
フェルが咆哮すると、口から暗い衝撃波が勢いよくボスに襲い掛かる。
ボスの鎧が撃たれると直ちに青く輝く結晶となって散らばっていた。
「早く奴を始末して!効果が3秒しかない!」
「オーケー!」
レオラが高速でボスの背後に回り込む。
「鎧が無くなったら、お前はただのスケルトンだ!速度上昇!くらえ!」
[速度上昇]の効果で高速の連撃を真っ白な骸骨に叩き込む。
今回の攻撃がちゃんとボスにダメージを与えていた。僅か3秒の間に、レオラの攻撃がまるでマシンガンの発射スピードのように十数回当たった。
これでようやく半分までHPを削ることが出来た。
3秒が過ごしたため、ボスの体を守る氷の鎧が再び現れる。
ボスはもといた台座に戻るとスケルトン達を大量に呼び寄せた。
「出でよ、ウンディーネ!」
メアリーはさっきからずっと空中で厳しい表情で戦況を見つめていた。
ボスの動きを見ると、即座にウンディーネを召喚していた。
とすると山ほどのスケルトンが召喚された瞬間、直ちに大波に呑み込まれていた。
しかし、倒されたスケルトンから出てきた不気味な死霊がボスの体に飛び込んでいく。
するとボスから青いオーラが溢れ出し、青い皮膚に包まれた悪魔を形作る。
悪魔は鬱々たる声を叫び出すと、まだ消えていない洪水をまとめて吸い込んで、HPバーを1割ほど回復していた。
「第二形態か。そして水を吸収できる、厄介の敵だ!」
ボスがまだ攻撃を取っていないうちに、レオラは既に先手を取って、ボスに近づくとメイスを振り回って叩きつける。
しかし、まるで水に当たったように攻撃が外れてしまった。
「まさかこいつの本体は水!?」
レオラが驚かされた時。
ボスは凶悪な顔を見せて、乱暴に鋭い爪を抜く。
レオラは即座に伏せると攻撃を躱した。
しかし、ボスの足から不意に勢いよく水流をレオラに撃ち出す。
「しまった!」
「レオラ――っ!!」
メアリーは叫びながら、捨て駒石を投げ出す。
間もなく水に撃たれてしまう際、スライムがレオラの前に現れ、攻撃を遮って消えていた。
「出でよ、クマさんたち!」
メアリーは地面に降りて、ボスの周りに限界までレッドクマを呼び出す。
「早くこっち来い!」
「サンキュー!助かった」
レオラはこの隙でメアリーと一緒にルーチェに乗って、空へ舞い上がる。
「すまん、メアリー」
「いいえ、大してことはないよ。でも、あいつの本体が水なら、私の攻撃を通じないよ!このままにするとやられるのは時間の問題だ!」
二人が話している間に、ボスの体が青い光が輝くと全方位に水流を放つ。
属性の相性悪いため、レッドクマたちが一撃だけで全て倒されてしまった。
「ヤバイ!死霊召喚!」
ボスに狙撃されることを防ぐため、メアリーは霊体のレッドクマを呼び出した。
しかし、霊体のクマたちまるで吸い込まれるようにボスの体に飛び込んでしまった。
するとボスの体が一気に数倍伸びてしまい、そして青色の体が赤くなっていた。
「その色は!まさかあいつの属性が変わったの!」
「そう……かもしれない!試してみよう、スズちゃん、火炎弾よ!」
今回の攻撃がボスに当たると、さっきの洪水と同じ吸収されてボスのHPを回復していた。
「よーし!今回は私の番だ!出でよ、ウンディーネ!」
ボスの属性が判明したため、メアリーはウンディーネを再び召喚する。
さっきと違い、巨大な水流が地面へと突き落とすと、ボスが直ちに大波に呑み込まれる。
そして、この一撃でボスのHPが3割まで減ってきた。
「天使の怒り!」
ボスが最後の断末モードに入ることを防ぐため、レオラはダメージ倍増のデバフをボスに付加していた。
「最後一撃で全てを賭けよ!メアリー――っ!」
「わかった!水龍天昇!」
メアリーの叫び声が響くに伴って、ボスが水の竜巻に空へ巻き込んでいた。
HPバーが空になった瞬間、その巨大な悪魔が輝く光となって爆散した。
と同時に、システム効果音がメアリーの耳元に流れ込む。
『スキル:[精霊の契約Ⅱ]が[精霊の契約Ⅲ]にレベルアップしました』
『スキル:[精霊武装・水]を習得しました』
「お疲れ様!」
「お疲れ…あの状況で逆転勝利か、流石メアリーだ!」
「いいえ、そのデバフのおかげで、一気にボスを倒せたよ。ところで、あいつの第三形態はどんな様子かしら。ちょっと気になるね」
「いや!絶対に知りたくない!」
「ウフフ~ でも、こんな激しい戦いは本当に面白かったね!」
「面白くねぇ!あんなボス二度と戦いたくねぇ――よ!」
『アイススケルトンナイトを倒しておめでとうございます~ ただいま20階に転移します』
アナウンスが終わると、二人が転移の光に包まれて消えていた。
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